僕なりのDJイベント主催ばなし ①企画

需要あるかはわからないんだけど、自分が普段DJイベントを主催する時に考えていることをせっかくなのでまとめて記事にしてみようと思います。

ただ、自分の主催に関する考え方は多分だいぶ癖っぽいはずで、
もっとシンプルにやれる方はここまで考える必要は無いんじゃないかと思います。
身内でとりあえず始めるクラブイベント!みたいなやつはここまで考えず、「やる!」をゴールに初期衝動で突き進んでいいと思います。

僕は全員にオーガナイズをやって欲しいと思っているのでとりあえず参考になるところだけ、かい摘んでもらえたら嬉しいです。


①企画段階

・まず前提として

自分がDJイベントを主催する理由で絶対にブレない要素は
「遊びに行きたいDJイベントなのに誰も開催していない」、これに尽きます。
「誰かがやるのを待つより、自分でやった方が早い」という考えです。
自分が行きたいと思ってるイベントが既にあるなら、それに遊びに行った方が楽だなあ~と思います。
ここ数年で初めたイベントは「似たようなイベントが近辺にない」ことが多いです。近辺の説明は後ほど。

銭湯の休憩室にDJブースを設営して、盛り上がっても寝ても良いダラダラDJイベント「浸透」は、
以前同会場でDJイベントがあって遊びにいったのが過去イチレベルに楽しかったのに、
それ以降誰もそこでDJイベントをやらないので、じゃあ自分がやった方が早い!と思ったから。
秋葉原MOGRAさんで音楽ゲーム曲オンリーDJイベント「POINT ZERO」をやったのも、
音ゲー好きも多く集まってる箱なのに誰も主催しないから、自分が主催した方が早いと思ったから。

この内容だけ聞くとわりとネガティブなスタート?しょうがないからやる?って感じに捉える方もいらっしゃるかもしれませんが、誰もやっていないということはかなりのチャンスなんです。


・「立ち位置」を見極める!
もしも誰もやっていないイベントだった場合、競合するイベントが無いということになります。
ライバルとなるイベントが無いということです。
そのイベントが、実はお客様の需要があるイベントだった場合、
露骨な話にはなりますが集客的にも収益的にも成功が見込める可能性が高いです。(イベント自体の良し悪しとはちょっと違う、数字上の話です)
色んな方に遊びにきてもらって収益がよければ次回に繋げることが出来ます。
そうすればイベントを続けられます。面白いイベントを続けられれば、
どんどんイベントの認知・ファンが増えて、イベントを軸に色んな人たちが集まる面白い空間に育てることができて、更に人が集まってくる…
結果として良いイベント運営を行えることができるようになります。

なのでクラブ好きの人達に需要がある、
もしくは今は皆さん知らないけど知ったら本当に面白い文化である!と確信出来るのであれば
「誰もやっていない」イベントとして目立ちますし、
イベントが成功すれば、そのクラブカルチャー枠でのフロントランナーになることが出来ます。
これってオーガナイザーとしては相当武器になると思います。
「〇〇といえばウチ!」と他の皆さんの中で共通認識が出来たらイベントのブランディングに成功したことになります。
ここまで持っていくにはそれなりの期間イベントを続ける必要があるし、
イベントが大成功しないといけないんですけど競合が居なくて需要があればチャンス有りそうですよね。

このクラブカルチャー枠というのは、カルチャー全体を指すわけではなくて、「近い雰囲気や文脈のイベント・クラブカルチャー」のことを指します。クラブが多く集まる繁華街でいうと「店舗」や「街」などで括れます。
よく僕らのまわりでは「界隈」という言い方をするので、今後は界隈という言葉で代用しますね。
例えば前述したみたいに「秋葉原MOGRAさんでやっていない〇〇のパーティー」など。
首都圏の別の箱では同ジャンルのイベントはありますが、MOGRAさんではやっていないのでこの会場でやると競合となる相手が居ないっていう考えです。

「界隈」という認識って明確なものじゃないんですが確かに存在するので、
イマイチ言ってる意味よく分かんない!って方は様々な地域のイベントに複数遊びに行くと良いかもしれません。
客層や出演DJ様、かかる曲ジャンル等同じタイプのイベントでも雰囲気が違うものがあることに気づくと思います。
首都圏だと「秋葉原・川崎・新宿・中野・池袋とかで開催してるイベントの出演者やお客様、イベントの雰囲気がそれぞれ違う!」ということがあります。
街によって流れる曲がちょっと違ったり、盛り上がるポイント・要素が違うことがあります。年齢(世代)によっても違う場合があります。
要するに「界隈」が違うことがあるからです。
お客様や演者の繋がりや、お客様の層を研究してみるのが良いかと思います。難しそうに聞こえますが、しばらく遊びに行っていると何となく感覚で界隈の差が分かってくるのではないかと思います。「それぞれ別ジャンルのAとBのパーティー、でもお客様は共通の人が多いな~」とか。「同じジャンルのXとYってパーティー、開催する街が変わったからか界隈変わって客層も違うな~」とか。
会場についているお客様も居るし、好きな音楽ジャンルのイベントと知って色んな場所へ遠征する人たちも居ます。

地方だと出演者やお客様の数が都心に比べると少ないことが多いので、イベントは別ジャンルでも出演者やお客様が共通していることが有りがちかと思います。その場合はその地域が大きな「界隈」になっていることが多い気がします。単純に「他地域ではあるのにウチの街ではやってないパーティーがあるから、やりたい!」だけで大きく目立てるのではないでしょうか。

・イベントの方向性を決める!
説明した様々な要素を踏まえたうえで、お客様のターゲットを想定します。
「ここら辺の界隈に向けて開催する、〇〇な曲が流れるイベント」と決めて、想定しているお客様・界隈が、実際に思わず遊びに来たくなるような仕掛けをしていくと良いと思います。
そうすると、自然と演者の選定等の軸が決まります。方向性が定まるという事です。
僕は欲張りなので全員来たくなるようなやつを目指しちゃう時があります。それの最たる例がpatchworkです。よろしくね。

ただ、誰もやっていないイベント=需要がない・少ない可能性も大いにあるので
そこはクラブ友達やお世話になっているクラブ店舗の方とかに質問したり、SNS等で調べてみて主催した場合に反応がありそうかどうかを事前にリサーチしておいた方が良いと思います。
研究してみて需要があると判断できた場合に開催することを決めると、色々と安心できるかなと。

そういう質問が出来るくらいの関係性が出来てないタイミングだったら
イベント主催は早すぎるかもしれないのでもうちょっとクラブに遊びに行ったり、Twitter等で繋がったりしてクラブ友達を作っていったほうががいいかもしれません。
友達の作り方については僕が聞きたいくらいです。

これは自分たちが知らない方々にまで遊びに来てもらう、という事を考えての企画立案になるので
身内向けのようなものであれば「こんな曲が流れるイベントを友達のみんなとやりたい!」の気持ちだけで良いと思います。
「DJやりたいのに誰からもオファー来ないので、じゃあDJやりたいしイベントやっちゃお!」みたいなのも
有りだと思います!数年やってる Focus On!(フォーカスオン)もそんな理由で始めました。

・イベント運営でいちばん大事なこと
どんな形であっても、イベントをやる!と決めた時に覚えていて欲しいのは
「イベント主催側が一番楽しいと思えるイベント」をやるってこと!
単純にやる側が楽しくないとイベントやるの大変じゃないですか。
企画・仕込みは時間も金もかかるし、当日は一日潰れるわけで。
イベントオーガナイザーは「楽しいこと」以外に色んなことを考える必要があり、大体考えるのが大変なことばかりなので、
それを超えるくらいのモチベーションがないと段々と運営行為がキツくなっていっちゃう恐れがあります。
それを解消するために、「目標」を決めるのが良いと思います。「何回目にお客様〇〇人入れて…外部のDJイベントにゲストで呼ばれたりして知名度を上げて…豪華ゲストを周年で呼んでみて…」自分の「夢」を自分で実現出来るのがオーガナイザーの楽しみです。
僕はオーガナイザー始めたおかげで、憧れだったDJさんやトラックメーカーさんと繋がれたり、イラストレーターさんに知ってもらえたり、全国に友達が出来たり、ネルくん主催のイベントの影響を受けてDJやオーガナイザー活動をしているって教えてもらえたり…
別に自分で曲が作れる訳ではないんですが、界隈に1ミクロンでも影響出来たことが嬉しく、「数年前の自分に自慢したい!」と今の自分の立ち位置を鑑みて思うことがふとあります。

あと、主催するにあたって赤字が出てしまう可能性はかなり高いです。
いきなり成功するイベントってほとんど無いと思います。
自分が一番楽しい、理想のイベントに行くための必要経費と割り切って受け止めるしかないと思います。
イベントを続けていくのであれば、将来の投資的な感覚でも良いと思います。
とにかくイベント運営は赤字との戦いです。負けないように頑張るしかないです。どうやって赤字を黒字に持っていくか?という問題がパーティーの内容良し悪しとは別につきまとってきます。最悪です。
そうなると「勝算」が見込めた場合にのみ主催する、という考え方の理由も分かるかと思います。
「客で行くのが一番楽しいよね~」なんて気持ちはオーガナイザーみんな分かってくれると思います。
でもしっかりと目標を立てて、それを達成していくと「黒字」達成もできますのでビビリまくる必要はない…はずです。

数人でパーティー運営する場合、お金の部分に関しては事前にきっちり話し合いしてください。
絶対モメないように一番最初に決めてください。で決めたことはお互い守ってください。
楽しいパーティーがお金のやり取りが原因で離散するの嫌です。

主催側はイベントの全ての要素を自分たちでコントロールできるので、
自分たちがひたすらに面白い・楽しいと思う要素で沢山固めていけばいいと思います。
ただ、あまりにも自分たち「だけ」が楽しい要素だけだと「身内パーティー」のようなものになってしまい
お客様が固定になるので成長的な部分で今後心配になるかも?元々単発のイベントだったら良いかもしれませんが。
逆に外向きばかり考えてデカくなることだけやっても、中身が伴わないと思ったより盛り上がらないし収益もあれあれ…っていうのもあり得ます。
どういう規模のイベントをやっていくのか?大規模を目指すのか、小規模の会場でも他に負けない熱量を持ったパーティーを作るのか、これはパーティーそれぞれで答えが違うので自分に問いかけてみてください。

パーティーを運営していると必ずブチ当たるのが「自分たち」も「お客様」も楽しいと思えていただけるパーティーにするにはどうすれば良いか?
という疑問。だけどこれは簡単に答えが出るようなものではないです…。

ただ、答えのひとつの要素っぽいなと自分で思っているのが
「自分が遊びたい空間と、お客様・演者が遊びたいと思う空間を重ねること」
自分たちが遊びたい空間が、実はみんなが遊びに来たかった空間であると上手く見せられるかどうか。
お客様や演者が持っていた「夢」を僕らで叶えるという感覚です。
ラブライブみたいな言い方になっちゃった。

ここからは次回で。読みたい需要があれば書きます。

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