見出し画像

柑橘の精油を使いこなす②

レモンとベルガモットの香り 

〜オレンジとの違い〜


レモン Lemon 🍋
科名 
ミカン科  学名 Citrus limon
抽出部位 果皮  抽出法 圧搾法
主な産地 イタリア、アメリカ
主要成分 リモネン 、ピネン、シトラール
ノート トップノート
主な作用  強壮作用 抗炎症作用 循環促進作用 収斂作用 食欲増進作用 鎮静作用
適応   集中力を高める リフレッシュ 心配事や不安 冷えの解消
禁忌   光感作


ベルガモット  Bergamot 🍊
科名 
ミカン科  学名 Citrus bergamia. Citrus aurantium
抽出部位 果皮  抽出法 圧搾法
主な産地 イタリア、
主要成分 リモネン 、酢酸リナリル、リナロール、ベルガプテン
ノート トップノート
主な作用 抗菌 消化器調整 抗炎症作用 抗不安作用 神経鎮静作用 高揚作用 収斂作用
適応  ストレス 食欲不振 不安感 不眠 泌尿器の感染症 
禁忌  光感作(フロクマリンフリーのエッセンシャルオイルもあります)

前回、オレンジ レモン ベルガモットの香りの印象や、強さ、揮発の速さなどを比べましたね


今回は、これらの精油の作用と適応の違いを考察してみましょう

☆☆☆☆
精油は薬品ではなく、元々は農産物から抽出したもので、品種の違い、産地の土壌や気候条件などの生育条件の多様性のため、その成分には多少の違いが出ることは皆さんもご存知と思います。
それを踏まえた上で読んでいただけると良いと思います。
実際、「あれ、今回買った精油は同じメーカーのものなのに、前回と少し香りが違うなあ」と感じることは、ありますので。ワインと同じような…
というか、収穫年、抽出装置の違いが、微妙に香りの違い=成分の違いに出るということです。
☆☆☆☆


さてレモンの精油です。
これは本当に透明感のある、というかスーと(刺激が強すぎない)清涼感をもたらす香りです。
気持ちの切り替えが必要な時、何か物事を決めないといけない時にレモン精油にお世話になることはしばしばあります。迷って迷って、あ〜もうどうにかならんかね!という時にぴったりの香りと言えるでしょう。

何かの文献に、胆汁分泌を促す
とありましたが、肝機能の向上に役立つそうで、
この精油もストレスでグッと胃腸が緊張してしまっている時にチョイスできますね

もう何年も前ですが、子供が小学生の時に、
明日は遠足!もうたのしみすぎて寝られない!晴れるかな〜 バスに酔わないかな〜
で、なかなか寝付かれない時は、レモン精油が子供の枕元に登場しました。
(ティッシュペーパーに ぽとりと一滴。丸めて枕の下に突っ込む)
そんな、かるーい不安感に、レモン精油の揮発の速さがマッチするのか、ぽわんっとその不安感を蒸発させてくれます。
オレンジ精油が柑橘の中のリラックス感をもたらす香りの代表としたら、レモンは真逆のリフレッシュ感のある香りなのに、目がギラギラするようなリフレッシュ感ではなく、こんな場面では安眠に導くこともしてくれる不思議な精油です。
また、一方で明晰さや記憶力増進に役立ちますので、その子が成長して受験期になった時は、勉強机の前のアロマランプにレモン精油を垂らしていたこともありました。とにかく万能的な仕事をしてくれるのがレモンの香り。
占星では、月に対応すると言われていますが、西洋占星術研究家である登石先生は講座の中で、「レモンは(医療占星術的に)月が司る胃に対する作用を多く持つことなど理由でしょう」とおっしゃってました。気分を切り替えたい時や、今必要のない雑念などを取っ払って、物事の良い面を見定めるのには、とても適しているように感じます。そのような点から考察すると、数秘的には3のエネルギーが近いように思います。
その一方で、人からの意見に振り回されたり、周りの人々の気持ちを受容しすぎて本来の自分を外に表現できなかったりする(2の質の過剰)時にも、レモンは役立つと言えます。

さて、次にベルガモット精油についてです。
柑橘系の精油の中でも、特に香りが強めで、幅広い印象のあるベルガモット。オレンジに比べて、気高く気品のある感じにちょっとお澄ましして、大人っぽさが感じられますね。
そして、怒りの感情がある時に使う柑橘と言えばベルガモットです。クライアントさんの中にも、よくよく主訴をお聞きして、ストレスの中身は何?と掘り下げて分析してゆくと、
自分に対して、
他人に対して、
その状況に対して…
「怒り」がベースになっていることがよくあり、このような時のファーストチョイスはベルガモットにしています。
イラつきをクールダウンしてくれ、落ち着きをもたらすからです。悲観的な気持ちや、深い落ち込みのある時にも、この香りは、さっと持ち上げ、心の中に暖かい一筋の光を差し込ませてくれます。
以前、パニック発作があるとおっしゃったクライアントさんは、ベルガモットの精油瓶をバックのポーチに入れて持ち歩いておられました。イライラすると呼吸が突然浅くなり、絶望的な気持ちと共に自分がコントロールできなくなるとおっしゃっておられましたが、不思議とベルガモットの香りを嗅ぐと、おさまるのだとか。
自律神経の働きのうち、交感神経の活動を鎮めるという文献にあったことを思い出しながら、その話を聞いておりました。そして、気持ちを落ち着かせると、今度は次の場面へと、「進む力」を呼び起こしてくれる香りです。

これら3種の精油ともに、リラックスやリフレッシュなどの効用がありますが、以上のように、その質に合わせて使い分けができると精油のブレンディングの時にとても便利です。

スカッとスッキリ落ち着かせる レモン
やさしく明るい面をみせてくれる オレンジ
クールダウンしつつも自分を宥めて未来に向かう気力をくれるベルガモット

などのように、ご自分の印象を言葉にしてみてブレンディングの時の切り札にしてみましょう。

自宅のローズゼラニウム

では実習です。
中上級者はこれらの3種のうち、少なくとも2種は使ってみましょう。


今回は好きな精油をひとつ

オレンジ レモン ベルガモットで
ルームフレッシュナーを作りましょう


選んだ精油=ゼラニウム

①優しい風と子猫の寝息
オレンジ1
レモン4
ベルガモット2
ゼラニウム3

②明るい日差しの中でゆっくりストレッチ体操
オレンジ無し
レモン3
ベルガモット6
ゼラニウム1

③日向ぼっこしながら編み物
オレンジ4
レモン無し
ベルガモット4
ゼラニウム2

オレンジ、レモン、ベルガモットの香りたちのグラデーションを使いこなせるようになるまで、
ゼラニウムをお手元の他の精油に
(例えばフランキンセンス
イランイラン
ユーカリなど)変更して
ブレンディングを楽しんでみてください。


アロマクラフトを作る時は、
1滴づつ香りを確かめながらビーカーに入れて、適宜、自分の好みの滴数に調整してくださいね。

ご参考までに
[ルームフレッシュナーのrecipe]
軽めの仕上がりですので、お食事前のダイニングテーブルのお掃除や、お玄関にどなたかいらした時のドアを開ける直前に一吹きなど、さっと「場」を着替えて、尚且つ、あとに残らない程度の精油の濃度になります。

出来上がり50ml
アロマエッセンシャルオイル(精油)は合計で10滴まで
無水エタノール5ml
精製水45ml

次回はライムとグレープフルーツなどの柑橘精油とミドルノートの精油との相性などについての記事にしたいと考えています。

ではまた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?