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国家試験

ある国家試験を全く知識がない状況で受けに行かされた時の話。

「行かされた」という時点で、僕がその資格を欲しかったわけではなく、
会社が必要ということで受けに行かされた。

その資格は僕の会社の業種をする為には社内で2名の取得者が必要となる。
以前、取得していた人が退社した為、どうしても誰かが取る必要があった。

が、過去に4名ぐらいが受けて、不合格となった。
一応、役所的には取得しようと努力をしているということで、
営業停止ということにならないが、早めに取得することと言われていた。

そんな中での指示が僕にあったわけだ。

分厚いテキストと3年間の過去問の2冊のみを渡され、
それでこの無謀な試験に挑もうとしていた。

が、この資格を取得する仕組みがあまり分かっていなかったのだが、
40時間の講習を受けることが試験を受ける条件の一つだった。

流れとしては月~木まで講習を受け、金曜日に試験ということだ。
月~木は朝の9時~19時ぐらいまでの講習。

9時~19時まで机に座って勉強するなんてのは学生以来だ。
さらに全く意味不明な言葉の数々に15分で眠くなる状況。

月曜日は眠さとの戦いをずっとするだけの一日だった。
これが木曜日まで続くと思うと心が折れそうだった。

火曜日は月曜日の反省を活かして、エナジードリンクや眠眠打破を持参。
机の上にスタンバイ。
明らかに「眠いっす!」というのを主張してしまっている状況。
それでも始まって早々に眠くなる。

が、最初の休憩の時にある人の話で、状況が劇的に変わった。
それはトイレに行った時の話。

おそらくは同じ会社で受けに来ている人だろう。
二人は僕と同じで眠いという話をしていたのだが、
講習を聞いても分からないから過去問をずっとしていると言っていた。

僕はその時は何となく聞いていたのだが、実際に過去問をしてみると、
眠くならないのだ。
本来は講習を聞いて覚えないといけないのだが、とりあえずは過去問だけをやった。

3年間分の過去問しかないので、午前中で1周する。
なので、午後に2周目というような感じで3日間を費やした。

単なる眠気防止の為の過去問だったのだが、
3日間もやっていれば、過去3年間分は全て満点を取れるような状況。

その流れで試験を受けたのが、結果として受かってしまった。

月曜日にもらったテキストを初めて見た状態から、
簡単に国家試験を突破してしまった。

あの時のトイレの話が無かったら、受かっていなかっただろう。

教訓として、教授やコンサルタントの説明ではなく、
過去問が大事だということ。

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