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創作あれこれ

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創作(オリジナル)あれこれを載せていきます。
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『月はキレイかもしれないね』②(創作小説)

↑の続き。 2.カイル カイル。 この名前は、祖父がつけたんだ。 物心着く頃には、いつも島酒ばかり飲んで酔っ払っていたイメージ。 寡黙というか、置物なんじゃないかと小さい頃は思っていた。 食べるものといったら刺身ばかり。 しかも多分、同じ種類の魚ばかり食べていた。 「カイル。」 たまに、俺を呼ぶその声はかすれていた。 近づくと嬉しそうにしていたんだ。 「カイルはな、海峡って意味があるんだ。小さな島と島をくっつける。 お前は人だから、人と人をくっつける。帰る場所にも困

『月はキレイかもしれないね』①(創作小説)

前回予告(?)した通り、今回から創作短編小説を書いていきます。 タイトルはテキトーに付けました。 今後、変えるかもしれない。 元々は前回の記事に書いた通り「月がキレイですね。」を使いたかったので。 1.はじまり 「カイル、もっと音を大きくしてよ。」 車内にはblink-182のFirst Dateがかかってる。 助手席に座るカイルに頼んだのは、ルイ。 後ろの席で曲に合わせて一緒に歌いながら、外を見ているのはユーゴ。 運転しているのは、アオ。 夏休みが始まってから1週間。