歴史に「If…」はないけれど

今年も「8月15日」が来ました。少し前からあの戦争を
振り返るTV番組がいろいろと放映されています。
年に一度、このような機会に戦争を振り返り、平和の
価値について考えるのは、無意味ではないと思います。

ところで、下の画像、ご覧ください。
幻となった「日本分割統治計画」です。

日本分割統治計画


この計画は1945年5月、ナチスドイツ降伏後、連合国の
間で現実味を帯びて語られていたものです。しかし、
その3ヶ月後、日本は本土決戦する事もなく無条件降伏。
実質的にアメリカの単独占領となったことで、この計画は
幻となったのです。

改めてこの地図を見ると、やはり目に付くのはソ連が
占領する予定だった北海道・東北地方。ソ連が以前から
北海道を欲しがっていたのは知られていますが、
この占領計画が実行されれば、日本は恐らく、このラインで
分断国家になっていたでしょうね。

ドイツ、朝鮮半島、ベトナムなど「分断国家の悲劇」に
ついては、今さらここで語る必要もないでしょう。
そして、ソ連の占領地区は共産党独裁国家となり
「日本民主主義人民共和国(略称:北日本)」などと名乗り、
帝国主義者の搾取を受ける他の地域の人民を「解放」するために
正義の戦いを起こしたかも知れません。

あるいは、中国に統治されるはずだった四国地方は
1946年に起こった国共内戦に巻き込まれ、騒乱状態に
なったかも知れません。

このように想像すると、米軍による単独占領は
「不幸中の幸い」だったと言えるかも知れません。
しかし、原爆投下がソ連の南進に対する威嚇
だったとしても、それを正当化することは全くできませんが…。

ところで「原爆」については、戦後明らかにされた事実ですが、
ナチス・ドイツも大日本帝国も原爆の開発は進めていたのです。

しかし、ドイツの場合、優秀なユダヤ人の学者達がアメリカに
亡命してしまったため、その計画は大幅に遅れ、結局完成
することはありませんでした。もしも、ドイツがアメリカよりも
先に原爆を完成させていたら…どうでしょう…恐らくナチスの
メンタリティーから推測すると、彼らは躊躇なく原爆を
使用したでしょうね。

多分、日本も同様だったと思います。

歴史に「If…」はありません。しかし、このような地図や
原爆開発計画を知ると、私たちの世界はちょっとした
歯車のズレで、別の未来へとつながっていったのかも知れない…
そんな事を想像してしまうのです。

「正しい戦争」など、ありません。日本の誇りである平和憲法を
守り抜きましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?