見出し画像

<良いニュースが悪いニュースと受け止められる局面が到来>

<じっちゃまセミナー<要旨>>
<株式市場に於いて、良いニュースが、悪いニュースとして受け止められる局面について>

普通、良いニュースは良いニュースですよね。でも経済の局面に応じては悪いニュースでも、それがグッドニュースだと言うふうに、強引に解釈されるケースも有ります。逆に、良いニュースでも、それは悪いニュースだと言う風に解釈する場合も有るんですね。一例を示せば、リーマンショックの後、2009年の頃、悪いニュースが出れば出るほど、FRBは金融緩和をしなければいけない状況になるので、株式市場にとってはグッドニュースだと言うふうに、逆の解釈をされました。

<今の状況はどうなの? ⇒ それは、良いニュースが、悪いニュースになってしまう局面です>

今日の状況は、新型コロナのワクチン完成したし、注射もどんどん捗っている。経済は再開している。と言う事で、経済明るさを取り戻しているんですけれども、そう言うふうに良いニュースが多くなってくると逆に“FRBは今まで実施してきた支援策を、そろそろ手仕舞う必要有るんじゃないか?” と言うふうに考える投資家が増えてくると思います。つまり、良いニュースは、悪いニュースになってしまう訳です。通常、こう言う局面では、株式の投資は非常に難しい。

<今、投資家が心配している事はテーパーリングだが・・テーパーリングとは何か?>

テーパーリングと言うのは何かと言うと、現在行われている債権買い入れプログラム、毎月1200億ドルと言う規模ですけれども、その金額を段々縮小する事を、テーパーリングと言います。連邦準備制度つまり、フェディラル・リバース・バンクの総資産、バランスシートのチャートを見ると、直近の数字は45度の角度で右肩上がりに上昇しており、毎月財務省証券800億ドル、住宅ローン証券400億ドル、合計1200億ドルを買い増している。テーパーリングと言うのは、その買い増しのペースを少し遅くしてやると言う事になります。金利政策は、緩和から引き締めへと移る瞬間が、一番手綱捌きが難しいし、同じく投資家も非常に難しいと言う事です。

<じゃあ、今回、テーパーリングは発表されるの? ⇒ 暫らくは、テーパーリングはないと思う>

暫らくはテーパーリングはないと考えています。その理由は、FRBが去年、新金利政策決定枠組み、フレームワークを発表しました。そこでは、“インフレ率2%超えても慌てない、すぐに利上げする事せずに、暫らく様子を見る” と言う事が決められました。つまり、“一定期間で平均してみて、大体インフレ率が2%前後に収まっているんで有れば、それで良しとしよう!“ それが新方針です。だから、瞬間的にインフレ率が2%超えても、あたふたする必要全然ないと言う事です。

<インフレ率が2%を超えても、FRBが、すぐにはテーパーリングをしないと考える理由は?>

黒人とかヒスパニックとか、そういうマイノリティーの人達、社会的弱者という言われる人達の雇用は大体、景気拡大局面の後半、最終局面、そういった局面急激に伸び易い、という事が知られています。そうすると、今の格差社会で格差是正する為には、なるべくFRBが粘って、最後の最後まで利上げしない方が、社会的弱者雇用の面で良いんじゃないかと、言う考えがFRBのメンバーの中に大分広がっていると言う事です。ジェローム・パウエル議長も、そういう考えの人です。もし仮に、現パウエル議長が再選されない場合の、次期FRB議長最右翼候補であるラエル・ブレイナード理事も、同じ意見です。ニューヨークを除いた場合の地方連銀で、一番パワフルな連銀は、サンフランシスコ連銀ですけれども、そこのメアリー・デアリー総裁なんかも、同じ考え方です。FRBの中で、そういうふうに ”すぐにテーパーリングしないで、成るべく粘ろう“ という意見が今、非常に強くなっている。

<現在、足元のインフレ率はどうなっているの?>

足元のインフレ率なんですけれども、直近では前年同期比2.6%となっている。だからFRBのターゲットである2%をすでに上回っている。その理由は2つ有って、1つは去年新型コロナ出た時、物価沈静化した、その低いベースから始まっているので前年比較容易である事。2つ目の理由は、ワクチン接種進捗状況の好調にともない、経済再開があまりに急に起こっているので、経済のあちらこちらにボトルネック(進行の妨げ)を生じている。これら2つの特殊要因で、物価は今、2%のターゲットを越えてオーバーシュートしている。しかし、”どちらも一過性の問題で、暫らくすればまた物価は2%よりも低い水準自然下がってくるだろう、だから何もやる必要ない!” というのが、今のFRB考え方ですよね。

<説明では納得出来た投資家も、実際に雇用統計が出てきた時、その数字から受けるのインパクトの強さは違う場合が有るのです>

説明されれば、なるほどなあ、と思いますけれども、説明されるのと、実際に経済の数字が出てきた時のインパクトの強さとは又、別だと思うんですね。明日、雇用統計有りますけれども、非農業部門の雇用者数は97万人がコンセンサスですかね、なのでひょっとすると今回も100万人越えるかもしれない。という事で失業率5.7%と言うことで、いよいよ5%台に入ってくる。なので ”経済強い” というデーターが出てくる思うんですね。その時に債券市場、株式市場がじたばたせずに、冷静受け止められるかどうか? ひょっとしたら、“経済強過ぎる!“ という事で、債権売られるかもしれない。そういうリスク有ると思います。(セミナー時間:10:45)

<個人的に気になった質疑>
Q1、バイデン大統領が、コロナワクチンの特許権を放棄することを支持したというニュースが流れ、MRNA・BNTXなどが軒並み下落しています。こんな共産主義みたいなことが本当に起こるのでしょうか?MRNAならともかく、ドイツ企業のBNTXの特許の放棄を勝手に決められるとも思えません。万が一、特許放棄になっても、各メーカーでちゃんと臨床試験をやらないといけないですよね?株価に与える影響について、見解をお聞かせください。(ライブ時間19:40)

A、 1 . 「特許を放棄するという事は、具体的に何を意味するか?」
特許を放棄するというは、その特許取得された国以外の、その他大勢の国々に於ける特許の権利主張辞める“ という事です。しかし、特許取得されたに於いては、逆にその特許強化されます。強化される。だから、全部パテント放棄するのではない!という事を、先ず理解してください。まだパテントを取っていない国での、権利を放棄するという事だけです。
2 . 「知財を保護するという意味で、最も重要なのはパテントではない!」
非常に重要なポイントについて・・ワクチンのパテント・特許権、ファイザー(PFE)バイオンテック(BNTX)モデルナ(MRNA)、なども、しっかり取っていると思う。でも知財を保護するという意味では、最も重要なのはパテントではないんです実は、何が重要かと言うと、実際に薬を造るということ、つまり製造滅茶苦茶難易度高いんです” だから、その製造ノウハウ知財実際保護繋がっているのです。 実際、モデルナのワクチンと、バイオンテック、ファイザーのワクチンとでは、科学原理的にそれ程の差はないと思います。もっと言えば、誰でも造れる、リバースエンジニアリングで解析したら、ソフトウェアをプログラムするのと同じで、誰にでも出来る事なんですよ。なので、“何難しいんだ? 難しい部分どこなんだ 青写真コピーされたら困るのか?” という話をしていますけれども、青写真はコピーされても構わない。どうせ出来ないんだからね、どうせ造れないんだから その点が非常に重要だという事ですね。
3 . 「じゃあ、バイデン大統領がパテント放棄の指示を打ち出したことによって、昨日と今日で何が変わるんだ?」
結論は、変わりません。ふふ、何も変わりません! どうして何も変わらないかと言うと、実際に創薬のノウハウ基づいてワクチンの製造が出来るのは、ファイザーモデルナだけだから。100歩譲って、物凄く気前良く楽観的に見たら、ひょっとしたら中国はそのノウハウをコピーしてワクチンを完成出来るかもしれない? だけれども、その場合でもそれは無茶くちゃ難しい、難易度が高いと思う。
4 . 「アメリカ国内で、3億回のワクチンが余る」
アメリカは今、ワクチンの接種度が物凄いスピードで進んでいます。20代の人でも注射が行き渡っている。という事は、小中学生、高校生を除けば、もうアメリカ人の殆どにワクチンが行き渡ったと考えても良い。今、アメリカ国内で3億回のワクチンが余る、余剰すると言われています。だから、輸出する事になるんですね。その中にはモデルナ、ファイザーのワクチンに加えて、アストラゼネカも含まれています。
5 . 「アストラゼネカのワクチンは、アメリカでの緊急使用承認下りていません!・・本当に効くワクチンと言うのは、2種類しかないと言うこと!」
現在の結果として、アメリカではアストラゼネカのワクチンは緊急使用承認は下りていません。下りてないんですよ、まだ。だぶん、再輸出されると思います。アストラゼネカのワクチンは変異種にあまり効かないかも知れない、と言われています。中国シノファームのワクチン、これも変異種にはあんまり効かないと言われています。例えば、セネガルとかセーシェルとか、アフリカ大陸の沖合いにある島国ですよね、そこでは国民の60%くらいがワクチンの接種を終って、中国のワクチンを打ったけれども、変異種全然効かなくって、ワクチンを打った人でも新しくまた新型コロナに罹っているという例が出ています。そんな感じで、どのブランドのワクチンを接種するのか?というのが、非常にポイントになってきているんですよね。結論的にはファイザー、バイオンテックのワクチンモデルナのワクチン、それが一番良い。要するに打てるワクチン、本当に効くワクチンと言うのは、数が限られている、という話をしています。2種類しかないと言うことですね。ファイザー・バイオンテックか、モデルナか、そのどちらかだと言う事ですよね。
6 . 「究極的には、ファイザーのワクチンが、世界の人々に回っていくシナリオになると、考えるのが自然・・新興国には、当然低価格で提供することになります」
最終的にどうなるんだという事なんですけれども、ファイザーは今凄く生産能力を上げているんで、究極的には世界の人々にもファイザーワクチン回っていく、そういうシナリオになると考えるのが自然です。その場合、アメリカでは1回当たり19ドル、という金額になっているけれども、新興国はお金がない、だから人道的見地から安い値段にした方が良い。なので、まけてくれますか? という交渉材料の一つとして、それに絡めてパテント放棄の話も出てきているということですね。ありていに言えば、世界人々ワクチン注射しないと、アメリカワクチン注射進んでアメリカ人全員注射したとしても、世界は安全じゃない。アメリカ人はそれで安泰ではないんです。世界から新型コロナ駆逐しなければ、又、ぶり返して、アメリカ人も又、恐怖に晒されると、そういう “イタチごっこ” みたいになっちゃうリスクが有る訳です。だから、“パテント放棄して安い値段で、世界の人ワクチン使って貰う、輸出するということ は、別にファーザー・バイオンテックが、世界から意地悪されているという事では全然なくて、製薬会社として当然の事なんですよ。実はファーザー・バイオンテックも最初からそういうふうに考えていたと思いますよ。アメリカと同じ19ドルを外国にもチャージ出来るとは、これっぽっちも思っていないと思うよ。それは今回ワクチン限らず、例えばガンとかの薬もただ同然アフリカとかに出しています。それと全く変わりはないわけです。分かりますか。だから昨日バイデン大統領の、“パテント放棄に賛成“ というニュースはね、ニュース性はゼロですよ。ハッキリ言って。じゃあ何でここに来て、バイオンテックとかモデルナの株価が下がっているんだと言えば、それはそのニュースが原因じゃなくて、”Buy on dream Sell on Reality 理想は買い現実は売り“ 実際に大きな売上高が立ってビッグビジネスとして成功したと、それが分かったと言うところで、その材料は使い古された材料なった訳です。だから、株価下がってるのね。そこんところ宜しくお願いします。

Q2、石油関連どうでしょうか(ライブ時間41:00)

A、はい、面白いと思います。今、非常に株式市場で話題になっているのは、今日も冒頭のところで言いましたけれども、経済再開で人々が動き出している訳ですよね。日本の場合は山手線とか電車で移動する訳だけれども、アメリカの場合は、経済動き出したらみんな車で移動するんでガソリン消費増えると思うんですね。なので、石油関連株も注目される思います。実際、エクソン・モービル(XOM)とかシェブロン(CVX)とか、今回決算発表でキャッシュフローの数字が凄く増えていました。

Q3、HP, GLNG, EOG買ってますが、見通しいかがでしょうか?(ライブ時間1:06:48)

A、そこらへんは今、ちょっと良い感じかも知れないね。ヘルマリック・アンド・ペイン(HP):これはシェールの生産請負の会社ですよね。ゴラール・エル・エヌ・ジー(GLNG):これは液化天然ガスの運搬の会社ですよね。イーオージー・リソーシズ(EOG):これはシェールの探索開発をしている会社ですよね。うん、その辺良いんじゃない。このセクターで僕が見ている銘柄をいくつか言うと、ヘス(HES):これはオフショア油田をもっています。タイドウォーター(TDW):これは、オフショア油田に対するタグボートとか、はしけ、とかそういう、運送サービスを行っている会社ですよね。1回倒産しているんだけどね、3年前くらいに。それからテクニップFMC(FTI):これは海底油田の海底のバルブとかをやっている会社ですよね。これなんかも今、研究中。あとシェニエール・エナジー(LNG):これは液化天然ガスの輸出基地、ルイジアナとテキサスに天然ガスの液化装置を持っています。まあ、この辺の銘柄も地味だけれども良いんじゃないかなあ、と思いますよね。
「備考」
ヘルマリック・アンド・ペイン(HP):米国の油田・ガス田の掘削請負業者。米国ではオクラホマ、カリフォルニア、テキサス、ワイオミング、コロラド、ルイジアナ、ミシシッピ、ペンシルベニア、ユタなどの各州で掘削を行う他、メキシコ湾、カリフォルニア州沖合、トリニダード、赤道ギニア共和国で海洋掘削を行う。米国外では、エクアドル、コロンビアなどで事業を展開。
ゴラール・エル・エヌ・ジー(GLNG):主に液化天然ガス(LNG)の輸送、再ガス化、液化および取引に従事する中流LNG会社。船舶事業では、同社はLNG船及びFSRUを顧客に運営して貸し出する。LNG取引事業では、同社はLNGおよびガス市場における物理的・財務的リスク管理を世界中の顧客に提供する。
イーオージー・リソーシズ(EOG):トリニダードトバゴカ、石油、中国人民共和国、カナダその他の国際部地域に座する生産性盆地にある原油・天然ガスの流出・開発・生産・販売を行う。天然石ガスの再生に重点を置く同社は、トリニダード沖、英国東。アイルランド海、中国四川盆地及びカナダで事業を展開し、米国とかカナダで天然石ガス・原油の探鉱、開発、生産、販売を求める。
ヘス(HES):探査・生産の会社であり、原油、天然ガス液(NGL)及び天然ガスの探査・開発・生産・輸送・購入・販売に従事する会社。 同社は探査、生産およびミッドストリームの3つのセグメントにより構成される。
タイドウォーター(TDW):米国の海洋サービス会社。海洋サービス船を運航し、海上エネルギー産業へのサポートサービスなどを提供。米国、アジア、太平洋、中東、西アフリカ、サハラ以南のアフリカ、ヨーロッパなどで事業を展開。オフショア建設、遠隔操作車両(ROV)操作、地震・海底サポート、配管作業などを支援。
テクニップFMC(FTI):世界50か国以上で油田開発などのエネルギープロジェクトマネジメント、関連する技術提供や建設事業などを行う、資源サービス企業。2016年、フランス・パリに本社を置くテクニップ(仏.)とアメリカ合衆国・ヒューストンに本社を置くFMCテクノロジーズ(英.)の合併により設立された。
シェニエール・エナジー(LNG):液化天然ガス(LNG)に注力するエネルギー関連会社。LNG受入基地およびパイプラインを保有・運営する。米国ルイジアナ州とテキサス州でプロジェクトを展開。
( At 2021/05/06配信 )

<あとがき>2021年5月8日午前9時
4日連続でハイパーグロース株が下落していたけど、今朝見たら、やっと止まったみたいだね。4月の米国雇用統計が発表されて、雇用者数はわずか26万6000人増と、市場予想の100万人増を大きく下回っていたね。これは、経済再開がまだアイドリング程度ということなのかな この事で、投資家のインフレ率上昇景気刺激策縮小に関する懸念和らいだと言う事なのかな 今朝の株価は小幅の上昇に転じていたけど、さて、これで投資家の買いマインドは上がるとみて、良いのかな? 株の動きって誰も読めないからね、週明けも、まずは様子見から入るのが妥当だろうね・・。5月11日午前7時:今朝も、”ナイフは落ちている途中!TTD大暴落-172.77ドル、26.11%のマイナス、やっぱり、まだ、まだ止まらないね!”
以上







サポート有り難う。個人的に関心の有る事柄しか文書化しません。ランダム発行です。私の資金はポケットマネーの70~80万円なので小額過ぎて、優良大型株には手が出ません。1銘柄で10株くらい持たないと、貧乏臭く気分がしみったれるので、いつも手頃な30~50ドル/株の銘柄に目がいきます。