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<2021年後半の米株市場はどうなる? アフターコロナの注目銘柄>

<米国経済の現況>

1、雇用の回復状況
・非農業部門雇用者数: 6月、7月、強い雇用の数字が出ました。
・失業率: 最近の数字は5.4%という形で、これも改善基調ですね。
・人種別失業率: 黒人の失業率は他の層の人達よりも高いのですが、7月のところでラインがぐっと下がって、改善してきているのが分かります。
・学歴別失業率: 中卒の失業率は高止まりしていますが、7月のところでぐっと下がり始めています。
・平均時給: このところ平均時給はコンスタントに前年同期に比べ高い数字が繰り返されています。チャートを見ると、直近の5~7月の賃金上昇幅が大きい事を見てとれます。
・インクルーシブな雇用の回復を粘り強く待つスタンスをどこまで維持すべきか? 今、FRBは悩んでいる。
2、企業業績
・前年がコロナの影響で業績不振だった為、今回の前年比較はハードルが低く比較が楽になり、2021年第二四半期決算が良い事は事前に予想されていて、この決算シーズンに入る前の7月初め頃は、+50%くらいだろうと言われていた。それが蓋を開けて見たら、+60、+70,+80というふうに、どんどん、上方修正された。
3、消費者物価
・物価のインフレ率が5%に達してオーバーシュートしている、”このまま物価が上がれば、やばい!”。
4、市中金利の状況は物凄く低い。
5、テーパーリングの検討
FRBは今、金融緩和をいつ終了させて、いつ金融引き締めに入っていくのか? そのタイミングをみている。
これまでテーパーリングに慎重だったFRBのメンバーの人達の間でも ”そろそろ、テーパ-した方が良いよね” との、賛成派が増え始めている。

<FRBの金融引き締め政策について>
<テーパーリングの実施>

1 . 「債券買い入れプログラム」とは、何?
現在FRBは、財務省証券で800億ドル、住宅抵当証券で400億ドル、合計1200億ドルを毎月買い込んで、その対価のキャッシュを市中にばら蒔いています・・これを ”債券買い入れプログラム” と言います。FRBが投資家に対して ”貴方の債券、おれに売ってくれる?”って言って、それで市中に出回っている債権を、財務省証券とか住宅抵当証券とかを買い取ってFRBの金庫に入れて置く、その金庫に積み上がった債券の総額、それは連邦準備制度の総資産になります。このFRBの総資産は何を意味するかと言えば、累積的にこれだけのキャッシュを中央銀行が市中に対して、”花咲か爺”みたいにばら蒔いたという、ヒストリーを示しているのね。
2 .  「テーパーリング」とは、何?
今、債券買い入れプログラムの実施で急激に増えているFRBの総資産を、少しずつ、例えば毎月100億ドルくらいずつ減額、減額、減額と、減額していって、急な上り勾配で増え続けた債券類を、最終的には水平まで減らしていく・・これをテパーリングと言います。すなわち、新規のキャッシュを全然市中に供給しないということです。たぶん10月か12月にはテーパーリングが開始されると思います。

<テーパーは織り込み済みじゃないよ・・心の準備をしておかなければいけない!>

”なに~広瀬さん、ごちゃごちゃ言ってんだよ、知ってるよ、そんなこと・・” って感じで、これを聞いていて、みんなは感じていると思うのね。それで良いんですよ。しかし実際に ”テーパ始まるよ!” ってなったら、”えっ、いよいよ恐れていた恐いものが来たか、いよいよだな!” と言う形で、プロの投資家は身が引き締まる思いがするわけですよ。だから、”9月、10月くらいの相場は気を付けた方が良いですよ。” ってふうに僕が言ってるのは、金利をこれまでの金融緩和から水平飛行に移って、金融引き締めに移行していく局面、そういう転換期は、すってんころり変な事が起こる事もある。殆んど起こらないんだけれども、そういうあらぬ事態に発展するかも知れないと、心の準備をしておかなければいけないと思う。今のアメリカの株価インデックスを見ると、SP&500も定規を引いたみたいに上昇している。そこに躊躇とか、不安とか、恐れとか、そういう物を皆さんは感じますか?僕は、”ふ~ん、居眠り運転じゃないの?” って感じですね。ちょっと投資家の慢心を感じるのね。だから、いきなりテーパのニュースが来たらやっぱり1回くらいは ”うほ~そうですか、じゃあ首を洗って待ってま~す。” って感じで、みんなブルっと来る局面が有ると考えるのが自然だと思うのね。そのくらい、金融政策の大転換というのは恐ろしい、トリッキーな、センシティブな、微妙な事なんですよ。慎重の上に慎重を重ね、薄氷を踏むような感じで、ゆっくりゆっくり進めていかなければならない、そういう事です。

<政策金利の利上げ>

その政策金利とは何だと言うと、それはフェデラルファンド・レート、FFレートと呼ばれるものです。
1 . 「フェデラルファンド」とは、何?
銀行預金とは、皆さんの財産であるお金を一時的に預けておいて、いずれお金が必要になった時には引き出すわけですよね。つまり、銀行は一時的に預かっているだけのお金です。そうすると銀行が預金者から預かったお金の融資に失敗して、預金者が必要な時に返金出来ない事態になっては絶対にいけないわけです。つまり貸し倒れのような事態に備える為に、預金金額の一部を備えの準備金としてFRBに、無利息で預け入れる制度が有ります。すなわち、法定準備金制度ですね・・これがフェデラルファンドです。
2 . 「フェデラルファンド・レート」とは、何?
銀行毎の預金額は毎日生き物のように上下します。すると、FRBに預ける法定準備金も毎日調整しなければ、過不足が生じるわけです。この準備金の調整は全ての銀行にとって必要な作業なので、銀行間で互いに過不足を融通し合えれば凄く合理的に対応出来ますよね。このように、銀行間で法定準備金の過不足を融通し合う時の金利が、フェデラルファンド・レートと言われるものです。この金利は米連邦準備理事会(FRB)が調整しているので、金融政策の側面を持っていて、FFレートが0.5%引き下げられた場合、金融市場では金融緩和が行われたと解釈します。なぜなら単純に考えて金利とは借金する時のコストですから、金利が下がれば借金のコストが減るわけですよね。そうすると例えば、”金利が低い内にお金を借りて、家の増築をしようかな” とか考える人も出てくるわけですよね。すなわち、金利は人々の購買意欲を左右する力を持っているわけですから、景気に対しても大きな影響を及ぼします。

<利上げの時期はいつ?>

それはテーパーリングの最初の減額具合を、見れば分かります。例えば、”はは~ん、なるほどね。今まで毎月、財務省証券800億ドル買ってくれていたんだけれども、今月からは700億ドルかよ、次は600だよね、その次は500,次は400だね”といった形で、段々減らしくいくのがテーパーリングですから、テーパーリングの実施で、順次減らしていった債券買い入れ額が、来年の4月くらいにはゼロになるでしょうね。そうすると、今度はいよいよ政策金利の利上げに着手という事ですね。そういう順番です。

<中国経済にリスクついて>

1 . 中国の新型コロナのワクチンは、”デルタ変異種にちょっと弱い” と言われているので、今後の感染の広がり方によっては厳格にロックダウンする必要が出てくるかもしれない。それは中国のGDP抑制要因になる。中国経済はダウンサイドリスクの方がアップサイドリスクよりも大きいと思う。
2 . 今、もう一つ中国市場に関して投資家が注目しているのは社債市場です。今日、中国政府が不良債権の管理会社をリストラクチャリングで救済するというニュースが入ってきました。今日出たニュースは何だったかと言うと、モラルハザードという観点からは、必ずしも好ましくないニュースなんですが、今日明日の資本市場の動きの観点からすれば歓迎すべきニュースだと思います、取り合えず問題が先送りされたわけなんでね。
3 . この不良債権管理会社というのは中国の国有企業ですから、ここが債券を発行して資金調達して、それで不良債権の処理をしているという事は、中国政府が債券を発行しているのと全く同じなのです。つまり債務は中国政府が負っている訳ですね。この事が、”不良債権はどうせ政府が尻拭いするんで大丈夫だろう?中国政府が何かあったら面倒見ますよ” と言った、ある種経済のモラルハザードになっているわけです。
「補足解説」
実はこういう状況というのはアメリカにも有って、アメリカでは1880年代頃から住宅抵当証券市場とかが急成長して、その時にファニーメイとかフレディマックとか、政府系の機関が沢山資金調達して、沢山の住宅抵当証券を在庫に持ったわけですけれども。なんとなく、”政府関係機関だから何か有っても、政府が尻拭いするんだよね” というインプリシットギャランティがほのめかされていた感じで、どんどん不良債権が雪だるま式に大きくなって、それが ”やばいぞ!やばいぞ”” と言われて、20年後にリーマンショックという形で瓦解したと、そういう歴史があります。何が言いたいかというと、きょう中国で発表された不良債権管理会社の救済は、ある意味、予想どうりの、想定内のシナリオだったと思います。それでほっと一息ついたかと言うと、ほっと一息つけました。だけれども、長期的にはリーマンショックのような事が起こるリスクはまだある、だけれども、今はスヌーズボタンを押して問題を先送りしたよねと、そういう状況になっています。

<投資ストラテジー>

9月10月くらいの相場は、少し用心深く考えています。
SP&500の年間パフォーマンスは1950年1月~2020年5月の70年間をみると、9月が最悪で-0.4なんですね。
1年の内で株式市場が一番悪い季節に入っていくわけですよ。だから、かんかんの強気では駄目だって言っている理由はここにあります。

<デルタ変異株>

攪乱要因としてはデルタ変異株ですね。それがどのくらいのスピードで広がっていくのか?についても、”う~ん、どうだろうね” って感じで、不透明要因を提供していると思う。僕の”どた勘”では、今、アメリカで吹き荒れているデルタ変異株の伝染のスピードは、少しスローダウンしてくるんじゃないかなあ?と考えています。その根拠は・・
1 . 今、アメリカのワクチン接種状況をみると、1回目の接種済の割合が60%です。
2 . 新型コロナ既感染者が12~13%(今、デルタ株による感染が増えている事から、この部分の割合は増加している現状です)
3 . 上記の1と2を合計すると、約72~73%になります。昨年の秋頃に集団免疫が得られると考えていたラインが75%だったので、何か言いたいかというと、あと2%くらい感染が進むと集団免疫が成立するラインに到達するという事が言いたい。
4 . 勿論、デルタ株は非常にパワフルな変異種なので、80%や85%にならないと集団免疫が得られない、コロナ禍が下火にならないというリスクが大なんですね。しかし、いくら感染力の強いデルタ株でも、4人の内3人がすでに抗体を持っていれば、残りの1人にしか感染させる事が出来ないということですよね。これは伝染力が1/4に縮小したのと同じ事だと、考える事も出来るのではないか?すなわち感染が拡散していくスピードは鈍化していくと、僕はと考えているわけです。

<参考銘柄>
<クルーズって、どんな銘柄? 魅力有るの? 面白いの?>

1 . 低成長の時代でも新しいクルーズ船を造れば造るほど、新しいクルーズファンが泉のごとく湧いてくる。すなわち、需要が強いってこと。
2 . 客船の大型化でクルーズ料金を安く設定出来るから、裕福層だけでなく庶民にも手が届くレジャーである。
3 , 産業規模を考えてみる為に、例えば、アメリカの色々なホテル、マリオットとかヒルトンとか、ホリデイインとかのホテルチェーンの総従業員数と、クルーズ船の総従業員数を比較してみたんだけど、ほぼ1対1なんです。それくらいクルーズ産業と言うのはデカいカテゴリーなんです。
【広瀬節を、少々】
クルーズに関して少し話をします。ぼく昔、サンフランシスコの証券会社H&Qという処に勤めていたんだけれども、チェイスマンハッタン銀行に買収されたんですね、ニューヨークの大手銀行ですけれども、ロックフェラー系の銀行ですけれどもね。H&Qがチェイスに買収された時に、ぼくは株のセールスマンだったんだけどもね。その時に、カーニバルクルーズという銘柄に関して、ディスってたわけですよ、ぼくがね。”なんだ、このクルーズの会社は!借金ばっかりしやがって!バランスシートが汚い!・・”って言うふうに、ディスってたわけですよ。そうしたら、チェイスの偉いさんがぼくの所に電話してきて、”君かね~っ!カーニバルクルーズの事に関して、ごちゃごちゃ言っているのは・・ちょっと会おうぜ、顔貸せや!”って感じでね。そのシニアバンカーがわざわざトレーディングルームに降りて来て、そして ”やぁ~、やぁ~、やぁ~、” って感じでね。”ちょっとねぇ~、カーニバルだろう? 俺の客なんだよ”って感じでさ、”はあ、そうですか?”って、ぼくが恐縮して身構えていたら、大きな資料を持って来て、それをば~って開いて、”このキャッシュフローを見てみろよ! これが過去にカーニバルが作った船なんだよ・・この船、この船、この船、俺さまが融資した金で船作ったんだよ。” という事を説明してくれて、”それで、この船、この年から就航して乗客がこんなになって、キャッシュフローがこんなになって、これ見てみ!・・” その資料を与えられて僕が見たら、キャッシュフローが凄いんですよ。それで、ぼくは ”う~~~ん”って唸って、”ぼくが間違っていました、すいませ~ん”って謝ったのね。その時以来、クルーズ船のビジネスっていうのは、ばかにしてはいけないなと、いう事をぼくは感じました。で、彼が言ってたのは、”クルーズ船のビジネスの美しい処っていうのは、新造船を造れば作る程需要が増えるんだよ、もう、ウドのタケノコのようにポコポコ、新しいクルーズファンが出てくるんだよ。この世の中、いまみんな、消費も頭打ちだし低成長だし、そういうご時世で、造ればどんどん売れていくような市場、創造力の有るね、そう言う産業がいくつ有るんだよ?お前、言ってみろ!”って言われて僕は、”はっ、すいません、有りません・・”っていうふうに、そういう会話になったのね。
<クルーズ船3銘柄の紹介>
1 . カーニバル(CCL)
・クルーズ最大手
・最も強固なバランスシート
・新型コロナ後、7月頃から欧州路線を皮切りに、クルーズの再開を始めています。アラスカ航路も再開されています。たぶん、来年の中頃にはかなり、70%くらいは再開するんじゃないかなと言われている。
2 . ロイヤル・カリビアン(RCL)
・クルーズ業界2位
・大型クルーズ船に傾斜した戦略
・大手で最も早くクルーズを再開した。
・特徴は、とにかく船がデカい、6000人くらい運べる船、ばかデカいディズニーランドみたいな、レジャーのお化けみたいな船を造るのが得意なのが、この会社です。そのかわり、大衆的な、庶民的なクルーズが多いです。
・バランスシートは、カーニバルよりはほんの少し悪い、だけど、経営はかなりアグレッシブるです。
3 . ノーウェジアン・クルーズ・ライン(NCLH)
・高級クルーズなど特色ある経営
・万全のコロナ対策
・一番古いクルーズ船なんだけれども、特徴としては大型船オンリーではない。ウルトララブジェリー、高級なクルーズとかもやっている。700人くらいしか運ばない、船のサイズも小さい、だけれども、いろんな国に行ける。どうしてかと言うと、クルーズ船が大型化すると、あまりにも船が大き過ぎて港に横付けできなくなるわけです。そうすると、行き先がどんどん限られてきちゃうんです。それじゃ楽しくない、もっと観光もしたいと言うお金持ちの人の為に、”小さな船で豪華に回る、アトラクティブな行先にお連れしましょう”、それが彼らの ”リーゼント” というクルーズです。

<第二四半期の決算でぼくが、”なるほど、この決算は良かったよね!” と、思った銘柄を2つ紹介します>

1 . データドッグ(DDOG)
・スマホなどのアプリが設計通り正常に作動しているかを、エンジニアが監視するプラットフォームを提供している会社。具体的にはモニタリング、トラブルシューティング、オプティマジェイション(最適化)などを、クラウドとかサーバーとかデーターベースとかアプリとか、いろんな階層で実施出来るソフトを作っています。
「2021年第二四半期決算」                          
・EPS:予想3セントに対して、結果9セント                               
・売上高:予想2.12億ドルに対して、結果2.34億ドル    
・売上高成長率(前年同期比)・+66.8%
「2021年第三四半期決算・新ガイダンス」                          
・EPS:予想3セントに対して、新ガイダンス5~6セント                               
・売上高:予想2.26億ドルに対して、新ガイダンス2.46~4.48億ドル 
2 . コーセラ(COUR)
・オンラインで高等教育を提供出来るプラットフォームを運営している。
・現在、生徒数は8700万人、世界中に広がっている。
・200の大学とか教育機関がコーセラのプラットフォームを利用してコースを展開してます。
・それに加えて584社の企業や政府機関が社員教育プログラムのようなコンテンツをデリバーする時コ-セラを使っています。
高等教育の市場を見てみると、市場規模は2兆ドルで、かなりデカいですね。アメリカの大学の授業料は高いという話につながる話題だけれども、この高等教育の分野はイノベーションが少なかった。
だからIT化は遅れている。市場規模の大きさを考えてみると、小売業セクタは25兆ドル、自動車は6兆ドルの市場、ディズニーのようなエンターメント市場は2兆ドル、旅行業は1兆ドル市場、これらから高等教育は案外大きなカテゴリーなんだなという事が分かります。
今、コロナ禍でリモート教育の環境で個人がキャリアアップしようとすると、リモートラーニングが一番効果的ですよね。低スキルの労働者が高スキルの労働者に変身する為の道をコーセラが提供していると思うんですよね。だからこのストーリーと言うのは、巨視的なと言うか、マクロ的な社会全体のトレンドの変化にも、良くマッチしている投資機会だと思う。
「2021年第二四半期決算」                          
・EPS:予想-11セントに対して、結果-5セント                              
・売上高:予想9153万ドルに対して、結果1.02億ドル    
・売上高成長率(前年同期比):+38.5%
「2021年第三四半期決算・新ガイダンス」                    
・売上高:予想9620万ドルに対して、新ガイダンス1.05~1.09億ドル 

<個人的に気になった質疑>
Q1、何を根拠に、決算が良かった、悪かったかと、言っているのか解説して下さい。(ライブ時間1:19:20)

A . 1 . 「決算の良否を判定する基準は、アナリストレポートによるコンセンサス予想の数字です」
それは簡単ですよ、コンセンサスです。証券会社のアナリストがリサーチレポートを出すと、そこには予想数字が書かれている、EPSとか売上高とかね。そういうリサーチレポートが1つ、2つ、3つ、4つ、10、20、30、人気銘柄になると35~40種類くらいの、多くのレポートが出されてくるんです。だから、複数の証券会社のアナリストが出すリサーチレポートに示された予想数字を、合計して平均したものが、コンセンサス予想と言われるもので、これが基準になるんです。
2 . 「個々のアナリストのレポートなんか、すぐにゴミ箱ぽーんですよ。」
個々のアナリスト、ゴールドマンのアナリスト、JPモルガンのアナリスト、モルガンスタンレーのアナリスト、そんなのはどうでもいいです。アナリストの予想なんかは当たんない!だから僕は個別のアナリストのリサーチレポートなんかは参考にしないですよ。すぐにゴミ箱ぽーんですよ。
3 . 「コンセンサス予想は、すでに株価に織り込まれている事を、まず理解して下さい!理想買い、現実売りですよ」
株価というものは市場参加者の思惑、その集大成を反映しているものだと説く、”効率的市場仮説”、その立場にたてば、”コンセンサスは、もう株価に織り込まれているのではないか?” と、仮説を立てることはできるよね。
そうすると、もうすでに株価に織り込まれちゃっている事柄、それに照らして、それよりかポジティブサプライ、あるいはネガティブサプライ、そういうものを検証する価値は有るんじゃないの? 事実、良い決算、悪い決算、それを丹念に調べ始めると、決算発表の後で、昨日のディローカルみたいにさ20%も株価がぶっ飛んでるんだよ。
4 . 「決算の後の株価の動きを見てみろよ!」
その時にこのケンタッキーさんはさ、何を根拠に決算が良かった悪かったと言ってんの?質問してきているんだけれども、その根拠はコンセンサスですよ。コンセンサスよりも売上高が上に大きく外れたんで、だから20%も株価が動いているわけでしょう。そうするとだよ、我々投資していて、20%の利食いって大きくない?僕は大きいと思うけどね。あるいはディサポイントメント、落胆が出た時に株価がマイナス15%下がった、これは結構痛いよね。大きいと思うんですよ。
・好決算なのに株価が反応しないのは、なぜ? ⇒ すでに株価に織り込まれている程度の好業績は、当然 ”サプライズ” ではないよ。
今期決算はクリアしたけど、来季の新ガイダンスが未達なら株価暴落するのは、なぜ? ⇒ 新ガイダンスが理想買いの材料だからね、来期の業績アップが期待出来ないなら、そんな銘柄持ちたくないよね、売りですよ。
5 . 「皆さんが自己流の勝手な投資をするのはかまわない、好きにすれば良い・・しかし機関投資家は違うよ!」
仮に百歩譲って、皆さん個人投資家さんが、”決算なんかどうでも良いよ” っていうふうに思い込むのは皆さんの勝手ですよ。自己流に型というものを踏まえずに、いい加減な適当に誤魔化す投資をするのは、皆さんの勝手です。好きにすれば良いよ、好きにすれば良い。しかし機関投資家はそうじゃないよ。機関投資家は説明責任というものが有るんです、説明責任というものが。だから、”なんで悪い決算を出した銘柄なのに、彼方まだそれを持っているんですか?” というふうに、最終受益者、例えば年金ファンドとか、年金の資金とかの担当者から、問い詰められるわけですよ。だから、”こんな銘柄持ってたら、また最終顧客に問い詰められたら嫌だな、今の内に売っとこうか” というう形に、機関は売るわけですよ。どーとくるわけです、どーどーとくるんです。そうであれば、みんなが、機関が売っている時にさ、”いや俺は機関に立ち向かう~” って言って、一人でそんな怒涛の売りに立ち向かって・・一瞬にしてワイプアウトでしょう。
6 . 「決算をチェックするのは、何のためにやっているの?」
それは、”機関投資家の明日のアクションがどうなるのか?” という事を予想する為に、決算の精査をやっているんですよ。
良かった決算の後で機関が買ってくる、その機関の買いは1日では終わりません。いいですか、機関の買いは1日では終わらない、明日も明後日も、明々後日も。僕は機関投資家向けのセールスをやっていたので、好決算を出した企業の、朝トレーディングルームに来たら、買い伝票が乗っている訳ですよ、”ああそうか100万株の買いか、ありがとうございました。” チーンて感じで伝票通したら、ほんで翌日来たら、”あれ、また同じ銘柄買うの? 昨日100万株買ったじゃん、今日も買うの? いいすよ、僕の手数料になりますから、はい買って下さ~い、伝票通します” チンチーンて感じで買うわけですよ。それで3日目朝、来たら、”えっ、また今日も買うんですか?”って形で、これどもか、これでもか、これでもか、というふうに、3日、4日、5日と買うのが機関なんですよ、分かる?。だから、好決算の後でぽーんと株価が跳ねたから、じゃあその反動ですぐ下がるだろう、と思う個人投資家の人が非常に多いんだけれども、それはFXなんかだったらね、FXの場合はリバーサルトレードと言って、極端な値動きをしたものは自然に中間点まで値段がも戻ってくる、リバーサルトゥザミーンという法則が有るんですよね。だからFXのようなゼロサムゲームだったら、そういう逆張り的なトレーディングをやる価値は有ります。良い?それをやる価値は有る。しかし株式の場合は、リバーサルトレードなんかやろうと思ったら、”ぶっ殺されるぜ!ぶっ殺される、ぶっ殺される・・” だからそれはやらないで!。
7 . 良い決算が出たら素直に乗ってください。悪い決算が出たら素直に売ってください。それをやらないと向こうから迫ってくる貨物列車みたいなさ、爆走機関車の前であなたは圧死するわけだからさ、それを絶対避けて下さい。それをよろしくお願いします。(2021年8月19日配信)
以上

「備考」
ワイプアウト:拭き取る、一掃する、などの意味の表現。とくにサーフィンで波に煽られてひっくり返ることを指すことが多い。

<あとがき>
・8月の非農業雇用統計が出たね。
前月比23・5万人増と7月105・3万人から大幅に鈍化した。
とりあえず9月のテーパーリングはなくなったね。
・ROKU・ロクの株価は330ドル台まで下げてきたよ。
やっぱりこの株は”やくざ”な株やね、ギャンブルするには最適な株やね。
趣味で株をやっているから、たまにはギャンブルなトレードもしてみたくなるからね。
広瀬さんとは違うからね、少額資金の素人投資家は・・。
VTIをがっちり買ったら、トレードする資金が残らないからね。
堅いトレードばっかりでは退屈しちゃんだよね、やっぱり。
ROKU・ロク、そんなに悪い銘柄じゃないと思うよ。
次の決算を楽しみにしておくよ。
「第二四半期決算」
経済再開でストリーミング時間が減少、アカウント数も市場予想を下回る
EPS:予想7セントに対して、結果51セント 〇
売上高:予想6.13億ドルに対して、結果6.45億ドル 〇 
売上げ高成長率:前年同期比81%増 〇
アクティブアカウント数:予想5580万件に対して、結果5510万件 -1.25% X
ストリーミング時間:予想191億9000万時間に対して、結果174億時間 -9.32% X



サポート有り難う。個人的に関心の有る事柄しか文書化しません。ランダム発行です。私の資金はポケットマネーの70~80万円なので小額過ぎて、優良大型株には手が出ません。1銘柄で10株くらい持たないと、貧乏臭く気分がしみったれるので、いつも手頃な30~50ドル/株の銘柄に目がいきます。