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【札幌記念考察】土曜日の馬場なら主流血統だが、日曜の馬場次第では違う適性が試される

6年前までは国内の秋のG1を狙う始動戦といえば毎日王冠や京都大賞典が王道ローテだった。しかし、フィエールマン革命(と勝手に呼んでいる)というか、間隔を開けてつかうことがマイナスでなくむしろプラスと思える現代の競馬では余裕をもった前哨戦を選ぶことが増えている。札幌記念がまさにそのトレンドが如実にあらわれているレース。以前は凱旋門賞のステップとしてG1馬が出てくる程度で、他は洋芝巧者、G1では足りない馬が出てくることも多かったレース。


通常の馬場であれば主流血統でOK

札幌記念も小回り巧者が来る時代ではない。そもそもだが、出走のメンツのレベルが近年あがっており、道中の追走スピードが血統的に裏付けされている馬でなければ馬券内の争いに加わる事が基本難しい。ただ、これも馬場で表情を変える。これが競馬のおもしろい所だ。以下血統と勝ち時計を記載する。

2022年勝ち時計2分01秒2
1着ジャックドール 父モーリス×母父Unbridled's Song
2着パンサラッサ 父ロードカナロア×母父モンジュー
3着ウインマリリン 父スクリーンヒーロー×フサイチペガサス

2021年勝ち時計1分59秒5
1着ソダシ 父クロフネ×母父キングカメハメハ
2着ラヴズオンリーユー 父ディープインパクト×母父StormCat
3着ペルシアンナイト 父ハービンジャー×母父サンデーサイレンス

2020年勝ち時計1分59秒4
1着ノームコア 父ハービンジャー×母父クロフネ
2着ペルシアンナイト 父ハービンジャー×母父サンデーサイレンス
3着ラッキーライラック 父オルフェーヴル×母父FlowerAlly

2019年勝ち時計2分00秒1
1着ブラストワンピース 父ハービンジャー×母父キングカメハメハ
2着サングレーザー 父ディープインパクト×母父Deputy Minister
3着フィエールマン 父ディープインパクト×母父GreenTune

2019年〜2022年で2分代の勝ち時計は2回。2022年はタフな馬場状態をハイペースでひっぱって2分01秒2の時計。3番人気、2番人気、5番人気の決着。この時はロベルト、サドラーズウエルズといった血統をもって実力もある二頭が1,2着。ウインマリリンはタフになった事、先行して粘り込むというレース展開になった事もあり3着。

ジャックドールとパンサラッサについては良馬場で1分59秒台での決着でもおそらく馬券にはなったと思う。しかしウインマリリンはわからない。

つまりはそういう事だ。上位人気1番人気〜5番人気程度のは基本スペックでG1レベルの馬が出てきている場合、馬場状態によってジャンケンポンをやるようなものだ。

2022年以外の年はわかりやすい傾向にある。ヴァイスリージェント系と一緒に走る米国型のスプリト力が補強される血統。としてハービンジャー。これがキーだ。

洋芝、小回りという印象よりも主流の条件で強い血統でスピード能力が高い馬が札幌記念は基本あつい。

これが血統の出し入れ

どの馬も札幌記念が目標ではないとはいえ、血統の出し入れで楽しみたい。
ジャックドールについて言えば、既に説明したように、2022年が重いタフな馬場でも、良馬場でもおそらく走った。ジャックドールが天皇賞秋等のG1レベル東京2000mを何の工夫なしにディープインパクト等サンデーサイレンス系に直線の瞬発力勝負で勝てるだろうか?否。ジャックドールのスピード能力は走破時計でわかるし、母父Unbridled's Songが担保している。安田記念で勝ち馬から0,3で走れたのは適性外でもここまでやれるんだという絶対的なポテンシャルを示した一戦だった。過去でいえばスワーヴリチャードが安田記念3着に走ったようなもの。ちなみにスワーヴリチャードの母父もUnbridled's Songだよね。コントレイルの母父でもあるように、主流条件のスピードを補強してくる。

ジャックドールは1分59秒台の勝ち時計であろうが、2分01秒台であろうが、お茶の子さいさいなわけである。天皇賞秋等のど直球の主流条件よりも、コーナーと直線含め機動力と持続力とスピードが試される札幌競馬場は合うはず。

土曜日の10Rの勝ち時計が2分01秒8道中スローのレースだった為、土曜日の馬場が据え置きであれば札幌記念は1分59秒台だろう。雨次第でがらっと変わるかもしれない。

馬場がよく、1分59秒台の時計だった場合おもしろい馬はシャフリヤールだろう。

ディープインパクトに米国型のスプリント力を補強した配合でいば過去マカヒキとサングレーザー、ラヴズオンリーユーがあてはまる。シャフリヤール、マカヒキ、ラヴズオンリーユーの共通点は血統もそうだが、ダービー、オークスと3歳東京2400mを勝っているが、それ以降国内G1で勝ち切っておらず、海外のレースで実績があるという事だ。いわゆるダービーを頂点とする日本競馬の主流血統ど真ん中がシャフリヤールだ。シャフリヤールの毎日杯、ダービーともに時計も優秀でありスピード能力はお墨付き。
兄アルアインが皐月賞を好時計で勝ち、マイルG1でも好走したように、スピードが求められるハイレベルな2000m戦は合うはず。アルアインが勝った皐月賞を好走したペルシアンナイトが何回も札幌記念で馬券になっているが、ペルシアンナイトもマイルG1勝ちがあるようなスピードがある馬であった。

枠順もよく、4番は良い。上位人気での中では期待値が高いとみた。
ただこれは良馬場で時計がそれなりに出る馬場という前提条件をクリアしないといけない。

同じような配合パターンであればダノンベルーガやヒシイグアスも主流血統のハーツクライ×米国型のスプリント力を足した配合なので、良さそうだ。馬券では抑えたほうよさそうだ。

結局は上位人気の馬での決着と読んでいるが、馬場状態に応じて血統で出し入れするワクワクがレースがはじまるまで感じられる贅沢なレースである。


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