理詰めで視野が狭くなるより、若駒の可能性を追求した【第85回日本ダービー】
土曜日の東京競馬場の芝コンディションを皆さんは確認しただろうか?
シナリオに描かれているように毎年同じことを繰り返しているようだ。
Cコース替わりもあり、圧倒的に内目を通った馬、先行した馬が有利の馬場になっていた。
例年「ダービーポジション」は10番手以内にいる馬が定説であるが、土曜日の馬場状態を見ると今年も時計が早く、そして内枠で先行し脚が使える馬がいいのを確信。
ダービーの幸運枠1枠1番にダノンプレミアムが入り、ピンク帽子に後ろからいくワグネリアン。この二頭、ダービーでは正直に言って甲乙つけがたい評価だったのだが、枠で上下つけざるを得なかった。
皐月賞のレースぶりもあって、いい感じに人気を落としそうだったワグネリアン。皐月賞はレース展開も、馬場も、もっといえばそもそも中山は全く合わなかった。
弥生賞ではワグネリアンを本命にしたのだが、それはこのダービーを見据えての本命だった。というか、弥生賞でダノンプレミアムを倒さないとダービーはないぞということでもあった。
弥生賞は例年スローになり上がり勝負になりやすい。過去サトノクラウンが勝ち、ダービーで3着。マカヒキも弥生賞で勝ちダービーも勝ったわけだがクラシックの中でもメンバーが比較的あつまって瞬発力が試される弥生賞はその世代の一つのものさしなのである。
そこでのワグネリアンは、ちょっと残念な面とやはり流石だという面。2つの面を見せたわけだ。
ワグネリアンは新馬戦、野路菊S、東スポ2歳Sとその切れ味を存分に見せてきた。そして初の中山で休み明けということもあってか、映像でみてもよくわかるとおりコーナーで加速できなかった。これ典型的に小回り苦手系の馬の特徴。
具体例を上げると東スポ杯2歳Sの上がり3Fが34秒6。ペースがあがったレースだが、その3Fの内訳がおおよそだが11秒6ー11秒0ー11秒4という3F。600m〜400mはワグネリアンがギアを入れる助走期間で400m〜200mでギアが入り前を捉えラスト11秒4のクオリティを見せていた。
では私が苦手だと言っている中山の弥生賞のラスト3Fはどうだったかというと、33秒7の3Fの内訳がこれもおそらくだが11秒2−11秒8−10秒7という感じ。中山コースを思い描いてほしい。11秒2はコーナーから直線に向く間で、400m〜200mはコーナーを加速しながらまがって坂の手前という感じだ。
東京と中山の比較で、東京11秒6ー11秒0ー11秒4 中山11秒2−11秒8−10秒7 とコーナーで加速して回ってこれない。むしろコーナーを曲がり切って直線に向いてしまえば加速できる。
これを見てまじで皐月賞ではなく、直線が広くなり瞬発力勝負のダービーでこそと思っていた。10番より内を引けば、ワグネリアンのスタートの良さから本命でいいとさえ思っていた。
しかし、馬場、枠でその案は廃案。アプローチを変えた。
内目を追走し、10番手以内で瞬発力勝負で適性がある馬という大前提がこれで
中盤スローでラスト3Fでガツンと瞬発力勝負。この加速の仕方をみてもワグネリアンは適性があるのがおわかりいただけるだろう。
それだけスローでさらに毎年
位置取りなのだが、1の縦で一番したが4角の位置取りなのだが、平均5.7番手にいて脚を使える馬がダービーを制す。というのが明確に見てわかる。3着は10番手より後ろにいたダービーに適性がある差し馬がきていると言ってもいいだろう。1着は5.7番手。2番手は6.3番手。3着は11,7番手。きれいに傾向が出ている。
そして土曜日の東京芝レース3歳500万下 2400m戦なのだが12.8-11.3-12.4-12.3-12.0-12.2-12.2-12.3-12.0-11.5-11.6-11.8 勝ち時計2分24秒4の競馬だった。
これを見て、何か気づいただろうか。
そう、めっちゃ早いのだ。青葉賞の勝ち時計が2分24秒4と同じなのだ。
早い馬場状態で道中のラップも極端にゆるまずあがり3Fはそこそこ時計がかかっているということは・・・
映像で見た方はわかるのだが、前目、コース内側から4部どころを通った馬までにチャンスがあったレース。前が止まらないのだ。
そういう馬場状態であればまず頭にうかぶ馬といえば
ダノンプレミアムだろう。1枠1番。先行できて脚を使えるディープインパクト産駒。
シンプルにそれでもいい。結局これだけ種明かしされているダービーに美味しさなんてほとんどないのだ。人気どころで決着することが多い。普通に考えて当てたい!と思えば思うほどにダノンプレミアムに行き着く。
これが競馬というゲームのおもしろいところだ。高配当がとりたい!んだけれども、外してお金を失いたくないからデータと理詰めで人気どころにいきつく。ダービーは人気サイドで決まる可能性が高いレースなのでそれでもいい。
しかし、同時にいつも私が言っていることが「人と同じことをしていても、勝てない」だ。
馬券のカリスマとして動画にも出ているお笑い芸人がいるが、あの人の予想は決して素晴らしいと私は思わない。だが結果を出した、もしくは出し続けているわけだからそれがネタになって飯が食えている。彼がすごいのはもちろん予想ではない。その買い方とお金の使い方と種銭がすごいにほかならない。
3連単で結果がほしいが当たらないから馬連、ワイドにした途端に◎◯▲で決まることって結構ある。「あー3連単にしておけばよかった」と3連単を買い始めると1、3着に本命対抗がきて「あ〜ワイドにしておけば」となる。彼が言っている「妙味」これが非常に大切である。その自分なりのモノサシで妙味を図って高配当を狙える買い目で外れても買い続けられる。これが大切。継続ことってすごい大切なんだよね、勝つためには。
パチンコだって勝つには確変を継続させないといけないでしょw
基本軍資金がつきたらゲームオーバーなわけだから3連単1頭軸相手5頭マルチ!とやっていると、高配当を得るまでに資金がつきる人が多いと思う。
予想の上手さより、モノサシと買い方さえ固定できれば、それなりに回収率をあげることはできるだろう。
なにより今回のダービーでダノンプレミアムはほとんど「詰んだ」状態だと思っている。求められる適性も枠も十分。ただ休み明けは気になる。もともと気性的に2400mはあっていない。ダービーの適性はあるけれど。2400mの馬ではない。本質的には1600m〜2000mの馬である可能性が高いと思っている。
ダノンプレミアムの怪物具合を語ってもいいのだが、1番人気だから、今回はおいておく。
結論
以上を踏まえて今回のダービー本命にするのは
キタノコマンドール
これは悪あがきでもある。ワグネリアンが外をひいたことによって、対抗の予定だったこの馬を上げた。
キタノコマンドールは非常に特徴的。馬体は無駄のないサトノダイヤモンドを彷彿させるスラッっとした500キロのディープインパクト産駒。何が特徴的かっていうと、繋なんだよね。
あれだけ立った繋で良馬場の芝で瞬発力ってどうなんだろう。と思ってしまう。陣営やインタビューの記事を見ていると、やはりこの繋の影響からか疲労が溜まりやすいようだ。
このキタノコマンドールだが、適性だけで言えば、ダービーより菊花賞なんだと思っている。その疲労がいつのタイミングで訪れるのかが非常に気にはなるが。
キタノコマンドールのすみれSだが、ラスト3Fは映像で見ていると瞬間移動したような感覚さえ覚える脚であがり33秒8。内訳はざっとラスト3Fが11秒5−11秒ー11秒3という感じ。加速も早ければ瞬発力を使える。その瞬発力はワグネリアンのような爆発的なものではないのが数字的に単純に比較してもわかるのだが、このキタノコマンドールのすごいところは4F戦になっても対応可能だということだ。
皐月賞はスタートはゆっくり。ラスト6Fは一番外々を回って追い上げる。同じ上がり最速のグレイルからは外6頭くらい外を回りステルヴィオは1頭コーナーワークも合わせ1.5頭分外を回し最速の上がり。ゴール前越えた後に4着争いだった馬達を置いていったのでまだ脚があった。初めての関東、重馬場、ハイペースの中問題なく対応してみせた。しかしトビは大きい。広いコース向けだと判断。
今年の皐月賞はダービーに直結しないと思いつつも、この脚は忘れることはできない。ゴールを過ぎて一杯だったステルヴィオだが、脚を伸ばしていたのはキタノコマンドールだった。デビュー三戦目。初めての関東輸送、初めての多頭数、はじめての中山でこれだけ走れてなんの文句があろうか。
キャリア三戦、すべてあがり最速。
非常に面白いではないか。
そして希望的観測だが、ここは鞍上のMデムーロにも期待したい。
キタノコマンドールはここ二戦、後ろからの競馬をしている。皐月賞はマークする相手がワグネリアンだったこともあるだろうが、そもそもスタートが早い馬ではない。
しかし、G1のMデムーロは毎回思うのだが、位置取りのファンタジスタだ。馬の能力は足りるかもな〜くらいの馬でも勝てるポジションで競馬させる。
ダノンプレミアムをマークして一段前で競馬やることは想定しておいたほうがいい。このダービーを考える時、やはり位置取りはテーマとして取り扱われるはず。それを過去から持ってくるとやはりいきつく先はダノンプレミアムでありブラストワンピースなのである。
オークスの時もそうだが、かたいと踏んでいるならかたいなりにも自分的に妙味がある馬を狙っていかなければならない。
◎キタノコマンドール◯ダノンプレミアム▲ブラストワンピース△ステイフーリッシュ△ジェネラーレウーノ△ゴーフォザサミット☆オウケンムーン☆ワグネリアン
◎単複 ◎ー各印 馬連
アプローチの仕方と、私の判断した評価順ですので、必ず来る限りません。購入するしないは、読者の方の自己判断自己責任でお願いします。
では、週末競馬を楽しみましょう。
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