「バイバイ」という曲について考察してみる - 歌詞編①

はじめに

バイバイの歌詞について考察していきます。今回はとりあえず1番までの予定です。

Aメロ

イントロはなく、いきなり歌唱から始まるタイプの曲となっています。使用されている楽器はドラム、ベース、ギターで「粉雪〜街角で」の部分はギターとボーカルのみになっています。
 曲名から「別れ」というテーマと、歌詞から登場人物は主人公と「君」であることが分かります。

粉雪が舞う街角で  またここでと約束したね 
セピア色の走馬灯が この手からこぼれだしてく

作詞、作曲:小田桐仁義, 2014年 「バイバイ」より

 「君」と一日過ごし、粉雪が舞う中各々帰宅するという場面でいつかまた同じ場所で会おう、と約束する場面が想像できます。また、「したね」という部分から主人公がこの場面を回想していることが読み取れます。
 
 「セピア色の走馬灯」とありますが、ここでの走馬灯は死に際に見るものではなく本来の意味の影絵の細工が施された、筒状の紙灯籠であると思われます。そして、セピア色というくらいなので最近の記憶ではなく、こぼれだしてくという歌詞から記憶が薄れていき、この場面からはある程度年月が経っていることが分かります。

 ここで間奏が入るのですが、間奏後に焦点を昔から今に切り替えているように思えるのでこの間奏は時の流れを表しているのではないかと思います。

信じてたものに打ちのめされて 横殴りの雨に打たれていた

作詞、作曲:小田桐仁義, 2014年 「バイバイ」より

 ここの「信じてたものに打ちのめされて」がどういうことなのかということですが、「君」の死なのではないかと考察します。「君」が亡くなってしまったことで「またここで」会うという約束が果たされなくなる、と自分は解釈してます。
 そんな主人公の心は横殴りの雨に打たれたように傷ついてしまったのではないでしょうか。

Bメロ

見えない鎖だらけになって エンプティサインのガソリンを
いつかと似たように 注いでほしいんだ

作詞、作曲:小田桐仁義, 2014年 「バイバイ」より

 「見えない鎖」なので物理的に鎖に縛られているわけではなく、「君」との約束が果たされなくなり未練に縛られ、満たされない主人公の、「君」といた心の満たされた日々を送りたいという切実な思いが読み取れます。

サビ

さらばと別れ 明日で それぞれ落ち合おう

作詞、作曲:小田桐仁義, 2014年 「バイバイ」より

 ここで焦点が再び「君」のいた過去に戻ります。Aメロの「粉雪が〜約束したね」の部分を別の言葉で言い換えているように思えます。ちなみに、曲では「忘れ」と歌っているようにしか聞こえないのですが、歌詞カードは「明日で」と微妙にどっちを引用すればいいか迷いました。

何も恐れずにただ前をみてよ センチメンタルな君よ
変わらぬままで いつかのジョークで笑い合おう
でも僕は知っていたんだ振り返らなかった 君が泣いていたのを

作詞、作曲:小田桐仁義, 2014年 「バイバイ」より

 センチメンタルは感傷的という意味で、辞書的には悲哀や憂愁などにひたるさま。涙もろいさま。ということらしいです。ここから「君」の性格が読み取れます。主人公は悲哀な気持ちになりやすい「君」を「何も恐れずにただ前を見てよ」という言葉で励まし、「変わらぬ〜笑い合おう」から「君」との日々が続くことを望んでいることが分かります。

 「でも僕〜泣いていたのを」というフレーズは「君」との楽しい日々を望むさっきまでの歌詞と打って変わり、直前の歌詞との落差で非常に不吉な予感を漂わせています。
「君」が泣いていた理由は具体的に知ることはできませんが、上述の「君」の性格から何かしら思い悩んでいたことがあったのではないかと予想されます。

間奏

 1番と2番の間の間奏には「ダッダッダラッ・・・」とインストに沿って非常にリズミカルな声が入っているのですが、声のテンションは割と低めなのは、「君」との楽しい時間を過ごせたことに満足しながらも、「君」が泣いていたことが心に引っかかって仕方がないことが現れているからだと考察しています。

さいごに

 好きな曲ってやっぱり自分の葬式で流したいものだと思うのですが、ふとそう思ったときに「君」が亡くなっていたらいろいろと歌詞の辻褄が合うことに気がつきました。ただの考察でしか無いので真実はおだじんのみぞ知るという感じになってしまうのですが、結構真意をつけているのではないかと勝手に思ってます。
 次回の2番は短めなので残り全部考察していこうと思います。この部分はこうなのではないか、などの意見があればぜひコメントに書いてほしいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?