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横アリの空は何色か〜ジャニオタが万年筆のインクをつくった話〜

アイドルのライブ公演中のあの空気って、何色だと思いますか。照明とスモークとペンライトと銀テープと夢と刹那が全部混ざったみたいなあの色。青とピンクと紫が溶けたあの色が好きなんですよ。うちわとペンラを握りしめながらいつも「ああ、なんて素敵な色なんだろう!」って何度だって感動する。ということで、行ってきました。

inkstand by kakimori
http://inkstand.jp

好きな色のオリジナルインクを作ることができる万年筆とインクの専門店です。以前から行ってみたいなあと思っていたのですが、やっとタイミングが合ったので本日お邪魔してきました。そしてとっても楽しかったのでこうして記録に残しています。

まず、店内はとてもひっそりとしていました。静かな分、色を作ることだけに集中出来るのがよかったな。小さなカップの中、ガラス棒でカチャカチャと色を混ぜる音だけが室内に響いていて。色を創る音、初めて聴きました。そしてこの写真に写っているのが一人分のスペースです。真鍮製のボールペン、色を混ぜるためのガラス棒、試し書き用のガラスペン、メモ用紙がセットされていました。最初にほんの少しだけスタッフの方から説明がありますが、そのあとはひたすらに自分の好きな色を探し求める時間です。

壁にはたくさんの写真が貼ってあり、そのひとつひとつに色を再現するための配合レシピが添えられていました。(実際に自分でやってみると、自然の色をインクで拾うのはとても難しい!スタッフの皆さんすごいなあ!)

さあ、いよいよ調合開始です。
まあ取り敢えずあれやりますよね?そう、おたくが大好きなやつ。

シンメカラー!!!ふまけんインクです(大興奮)小さなカップの中で、色のバランスを見ながら混ぜていきます。

ふうまくんへの想いが溢れて一滴だけ紫多め。ふまけんインクはどちらかというと青よりの色になるということがわかりました。これも綺麗な色だったなあ…!

いよいよ本題です。ライブ公演中の空気の色を探します。(そもそも空気の色とは…?)

ひたすら調合と試し書きを繰り返します。キャーっていう女の子のピンクの悲鳴が聴こえてきそうなあの色はなかなか遠い。45分の制限時間はあっという間に過ぎていきます。ふと隣を見てみると、お隣の方も趣味だと思われる画像(芸能関係ではありませんでした。)をスマホで見ながらそれに近い色をひたすらに探されていました。来店前は「新しい色を求めてインクを混ぜるお店」と思っていたけれど、実際のところ「自分の好きなものを、色というかたちで手の中に収めたい」人も多いんだなあ。近くて遠い色は、まっさらな新しい色なんかよりもずっとずっと欲しい色なんだろうね。私もそうだけれど。

完成したら調合のレシピをスタッフの方に伝えます。受け取りまでに40分ほどかかるとのことなので蔵前を散策。初めてちゃんと来たけれど、好きな雰囲気の街だなあ。(一見すました顔をしているけれど、よーく見てみるとなんだか面白い街が好きです。今住んでるところもそんな感じ。)

完成〜〜〜!照明とスモークとペンライトが愛で溶けたような、あの横浜アリーナの空気の色に近づけたでしょうか。ふうまくんの歌声が聴こえますか?(聴こえません!)

♪無邪気な時間は過ぎやすく
大好きな歌の素敵な歌詞をお借りしました。

最後にお店を出るとき、スタッフの方が引き戸をガラリと開けてくれたのが嬉しかったなあ。思えばここ数ヶ月、回転ドアとかセキュリティゲートとか「受付でお名刺2枚提出お願いします」とかばっかりだったから。誰かがドアを開けてくれるって、それだけでちょっと嬉しい。たまにはそんな日があってもいいよね。楽しい1日でした。おしまい。

横浜アリーナの空気のレシピ

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