エリンギの観察日記 2019年1月31日
エリンギを受け取った。
しかしまだ開封しない。体調が悪くて一刻も早く床につきたいのだ。
昨日の暴飲暴食が明らかに影響していて胃腸の調子が最悪だ。しかし完全なる自業自得だなと思う。
朝起きた瞬間に、あ、今日は休もう…と思ったのだが、こなさなければちょっとまずい仕事があるのを思い出した。ダルい身体に鞭打って会社へ向かった。電車がつらい。
元気がないので声が小さい。いつもよりガラガラな上にかなりモスキート音である。
取引先の人に電話越しで心配されてしまった。
声が小さいと言えばこんな話がある。
二十代後半くらいの頃、部署を異動になり、働く場所も変わった。アマゾンの洞窟のようなひっそりとした僻地から、たくさんの人がワンフロアにいる本店のような職場へ移った。
ここで避けれないのが最初の挨拶だ。
毎朝決まって朝礼が行われるので、その時に前に呼び出される。
一人ずつ挨拶の順番が回り、僕の順番がきた。
しかし心配はご無用。最初にちょっとかましておこうと事前に挨拶の内容は考えていたのだ。
少しおこがましいが、この時の僕の挨拶がなかなかいい感じの事を言った気がするので要約して書いてみる。
「はじめまして。この度、◯◯から異動になりましたねおみのるです。
皆さま、トリビアの泉というテレビ番組をご存知でしょうか。その番組のオープニングでも紹介されていますが哲学者のアリストテレスは知識を得る、知りたいということは人間の欲だと言っています。
私はこの新しい職場で右も左も分からない事だらけです。
なので知識の欲求を埋めるべく、分からない事など積極的に皆さまにお聞きしますので、ご指導をどうぞよろしくお願いいたします」
細部は覚えていないが、おおむねこのような挨拶をしたのだ。
当時流行っていたトリビアの泉を絡めたあたり我ながらなかなかなもんだと思う。トリビアの泉はもう通じないかもしれないが哲学者の名を出すとそれっぽく聞こえるのでおススメ。
ただ、後で聞いたら僕の声が小さすぎて、前の数人にしか聞こえてなかったらしい。
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