「無意識ー空の章ー」#11 記憶
⬇️前回の話はこちら
何気に大学4年の冬を迎えていた夏井さんの
就職がやっと決まった。
実は年内に決まるかどうかの瀬戸際で、本人は相当焦っていたらしい。
そんな状態で、初雪の日の帰りにハリネズミの話を出した俺は、かなり間の悪い奴だったということになる。
4つも年下の幼馴染が早々に内定をもらって羽を伸ばしているのはずっとプレッシャーだったんだろう。
どうりでいつものツッコミもなかったわけだ。
「あとは卒業出来るかどうかだね」
と言っている割には、にやけ顔の夏井さん。余裕が