行間を読む、とは。黄金のレガシーメインストーリー

黄金のレガシーメインストーリーに関するネガ感想です。
メインストーリーに満足している人はお引き取りください。








FF14の大型パッチはしばしば定食に例えられる。なるほどうまく例えたもんだ。
大型パッチが定食ならメインストーリーは主役の肉・魚料理と言ったところなのかな。人によっては高難易度バトルやギャザクラが主役だったりするのかもしれないが、今回はメインストーリーが主役ってことで話を進めよう。

料理人が客に料理を提供するときって、値段に見合った材料と調理方法で美味しく召し上がっていただけるように整え終えた状態のものを出すのが通常だと思っている。
映画やゲームのメインストーリーも同じだと思っていて、役者やキャラクターや設定(=素材)がどんなに素晴らしくても伏線やストーリーの練り込み(=調理)が適当ではそのままでは美味しく食べられない。
素材は良いのに調理方法が不十分なまま提供された食事。それが今回の黄金のレガシーメインストーリーの印象。

肉が焼けてないなら自分で焼けばいい。
焼きすぎなら焦げは自分で削げばいい。
味がないなら塩胡椒なり醤油なり自分で調味料をかければいい。
自分で出来るでしょ?やればいいじゃん。

……素材だけ用意してそこかしこ中途半端に調理してあって、あとは自分で好きに調理すればいいのであれば、別にお金払ってお店になんか来なくても自分で自宅で好きな材料集めて自分で調理しますよ?
何のためにお金払ってるのかって、どこに期待して店に来たのかって、
良い食材をプロに最後まで調理してもらった状態で食べたい、そこに期待していたからだったんです少なくとも私はね。

自分で加熱したり味付け出来るでしょ。私はそうしましたよ。料理の腕が無いんですね(笑)

そういう問題じゃなくないですか。
自分で料理が出来たって、今回店に足を運んだのはプロの調理がなされてベストな状態の料理を提供されることを期待したからですよ。
料理が出来る人はレストランで適当な食事を出されたら自分で調理しなきゃいけないんです?いやいや。

素材担当者、スパイス担当者、加熱担当者、味付け担当者。
なんかみんなそれぞれが単体でバラバラに仕事してて、意思の疎通を取ってない感じ。
そして味見担当者もいない?全体を調整してバランスを取ってまとめ上げる者の存在が見えてこない。これはグラフィックスアップデートでも感じたことだが、全体を監督する者の存在が感じられない。
勝手な想像だが職場の風通しの悪さを感じた。
これらの補完を客側で勝手にするというのは、行間を読むの範疇を超えていると思う。自分は妄想体質だしちょっとだけど創作もするけれど、それは公式の出してきた料理の調理が不十分であることを補完するためのスキルではないのよ。
自炊出来たってお店ではプロの仕上げた料理食べたいでしょうよ。

―――私はプロの質のいい妄想にどっぷり浸かりたくてメインストーリーに期待してるところある。
腑に落ち感。カタルシス。そのキャラならそうするよねわかる!そのキャラがこういう行動に出たのは過去にこういうことがあったからか、なるほど納得!という。
あるいは自分の中に無かった発想や感覚に翻弄される快感。自分の力だけではなし得ないこれらの体験を物語には求めている。
自分一人で、自分の納得する結論ありきで妄想することは単なる自炊。使ったことないスパイスの美味しい使い方、自宅の一般的な調理器具では出来ない調理。なにより熟練のプロによる最高の調理、それを味わいたくて物語に手を出す。付け合わせがニンジングラッセじゃなくてクレソンが良かったな、とかソースがもうちょっとニンニク効いてても良かったかな、くらいのズレはあったとしても、「あーー美味しかった!!」と満足して店を出て帰宅してもその味とおもてなしを思い出し幸せな気持ちで床に入りたい。
ある程度自炊が出来たとしても、外食に求めるものはそれなのだ。

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