真っ黒な台本。
偉そうに色々と書いてますが、私なりの『演じる』について書いてます。正解とか、そんなのはない世界のただの雑談だと思っていただけると嬉しいです。
昔、台本に書き込みをして真っ黒にするタイプでした。この台詞を言うときの内面のこと。相手をどう思っているか。あと、イントネーションの上げ下げ。言葉を立てる部分。そんなことを書き込むから、それを見た友人に、
「台詞が読みにくい」
そう言われました。それくらい書いてしまって、台本はいつも真っ黒。
今思えば、それは自分の自信のなさの表れだったんだと思います。その台詞をいうときに、どうしたいのか。それが書いてないと出てこない。そんなとき、台本に書き込みしない理由を「台本に、必要なことは全部書いてあるから」そう言った人がいました。衝撃でした。でも、私はその人は芝居について天才だから私みたいに書き込みしなくても、できる人なんだと思っていました。
私とは違うから。
たしかに、その人と私の才の差の話をすればそうかもしれませんが『台本に必要なことは全部書いてある』。これは、演じるほうの才の話ではなく、演者みんなに平等に与えられてるものでした。
私はたぶん、ちゃんと、台本を読み込めてなかったんだと思います。自分の台詞以外、ちゃんと飲み込めてないから自分の台詞の方向性が迷子になる。だなら、自信がなくて台詞を言うときの気持ちを書いておかないと台詞を発せられなかった。
自分が不安になれば、なるほど書き込んでいたのかなぁと今になって思います。あの真っ黒さは、自分の自信の無さの色。今は、そう思います。
私は芝居がうまくありません。
でも、演じるのは好きです。台詞を言うのが楽しいのも、もちろん、台本を読み込むのも楽しくなってきました。だから今は、収録するよりも台本を読む時間を取るようにしてます。ゆっくりと台本に向き合うと、もう台本に書き込みしなくても大丈夫になりました。いや、もちろん、なにも書かないことはないですが(笑)友人にもらったアドバイスや、絶対に外したくないニュアンスとか。
私が台本を真っ黒にしなくなったのは、やっぱり所属してるボイスサークルのメンバーの影響があると思います。みんな私よりもお芝居うまくて、練習や収録でいつも何かしら私に「吸収したくなるもの」をくれます。そういう人たちと芝居してると、台本に書いた自分のメモを必死に追うより、その時一緒に芝居してて感じるものの方が何倍も大切だなぁと。メモを追ってる時間すら、もったいない気がします(笑)
真っ黒な台本は、今は白に近いですが、その分、その役でやりたいことは体の中に、しっかりと書き込まれてます。それが今の私には、とっても心地いいです。
芝居をするときのやり方は、人それぞれだと思います。その人がやり易いやり方が一番。
それが、今の私にとっては、台本とゆっくり向き合うこと。です。これになってから、収録時間、ぎゅっと短縮されました。収録しながら、迷うことが少なくなったからです。もちろん、やりたいと思うことに自分が追い付かなくて「ぐぬぬぬぬ」ってなるときもありますがそういうときは、もうその日は録りません(笑)締め切りに間に合うなら、無理はしない。そんな感じです(笑)
とにかく、楽しく演じる!!
これが私のモットーなので、これからものんびり、楽しく芝居していきたいです❗
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