扉を開ければ 62,ストリップを見る

死ぬまでにやりたいこと100を書いて、行動しようと思ったが、まさかそんなにすぐ行動できないし…とまだ思っていた。

けれど、午後は空いてるから何かできるかもしれないと思い、ひたすら今からできることを調べていた。すると、どうやらストリップなら渋谷にあるらしい。これは、行くしかない!と思い、早速電車に飛び乗り、行くことに。

109を通り過ぎ、どんどん進んでいくと渋谷平成女学園の文字が。こんなの頃に学校なんてあったんだ〜と思ったが、もちろん違う。ファッションヘルスと大きく書いてある…

いつのまにか見渡すと人数が少なくなり、周りはラブホ、ファッションヘルスがちらほら。さっきの109周辺とは世界観が違う!と思いつつ、奥に進んでいく。ふと見上げると、ついに渋谷道頓堀劇場のネオンの光が。よくみるとダンサーの写真がある。着いてしまったと思いつつ、もうここまできたら、入るしかない!と意を決したものの、生まれたての子鹿のような足取りで中へ。

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中では普通のおじさんがチケットを売っていて、チケット切りの人も女の人だった。ちょっと安心しつつ、チケットを買おうとする。
すみません、学生料金で!と言うとどうやら学生料金と女性料金は同じらしい。

あまりにビクビクしていたのがばれたのか、「え、初めて?」とばれてしまった。そ、そうです…と答えると「最近は女性の方もなぜか増えてきてるんですよ」とのこと。チケットきりの女性の方にも同様のことを言われた。どうやら、一日4公演あり今は、3公演目が始まった瞬間らしかった。

昭和感漂う階段を降り、地下へ行くと、重そうな扉がある。勇気を出して押すと、けたたましい音楽と共にダンサーの女の人が踊っていた。すごすごと座ると周りはおじさんだらけだが、中には女の人もいる。何より、狭くてステージと客席が30センチくらいで非常に狭い。近未来的な光と音楽だったからか、アンドロイドのような美しさを感じた。しばらくすると、ゆっくり服を脱ぎ出し、そうかストリップだから脱ぐのか、と我にかえる。ちょっとドキドキ‥


最終的に全部脱ぎ終わると、きゃあエッチ(勝手に来て見といて何だが)という感じよりは、おお綺麗‥というようにまじまじと見てしまった。なかなか、他の女の人のあそこを見ることがないので、おお‥と思って凝視してしまう私。

ダンサーさんは踊っている時、凛々しい女性という感じでちょっと怖い印象だったが、そのうち音楽が止まり、もう一度登場すると「はーい、ありがとうございました。写真撮影の方はこちらです!」とめちゃくちゃ感じが良くて、その感じも新鮮だった。中には、プレゼントを渡している男性もいる。

前のダンサーさんの踊りと次のダンサーさんの踊りの間に写真撮影タイムがあり、500円で写真撮影ができ、一言話すことができるらしい。今までだったら行かなかったかもしれないが、もういつ来れるかわからないと勇気を出して写真撮影に並ぶことに。恐る恐る、あの、初めてでよくわからなくて…と聞くと丁寧に教えてくれ「女性一人で初めてだとかなり緊張しちゃいますよね」と言って下さった。震える手でシャッターを押し、写真撮影をさせてもらう。どうやら、次の公演で直接受け取る方法と受付で預かってもらう方法があるらしいので、受付で帰り際受けとることに。


その後も5人くらいのダンサーさんの踊りがあり、それぞれ設定や音楽が違い、すごく楽しかった。着物で登場する人、天使から悪魔みたいなコスプレで出てくる人、ナースや女医さんというモチーフで踊るダンサーさんもいた。


帰り際、写真を受け取ると裏に、メッセージを書いて下さり、すごく嬉しかった。表には震える手で押したとは思えないくらい綺麗な笑顔で笑っているダンサーさんの姿がある。夢だったんじゃないかと思うからこそ、これが証拠だと思いながら、家路についた。

全く下調べせずに行ったので、いい意味で何が怒るのか分からず、何もかもが新鮮でめちゃくちゃ楽しかった。途中、ミラーボールから出てくる光と音楽に踊るダンサーさんを見ながらちょっと泣きそうになってしまった。なぜなら、いつか見たいけれど、きっと見れないだろうなーと思っていた景色だったからだ。まるで、これは光に照らされた夢なんじゃないかと思うくらいに。


未知なるものに憧れて、ただただ羨望の眼差しで見ることしかできなかった今の気持ちを忘れたくないと思った。


これからは、心の思い扉あを押して開けて、新しい世界をこの目で見てきます。お願い。もうちょっとだけ夢を見させて。

        劇場内に入る前のドア↓

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