我々がパンプスを履かなくなった、12年前の出来事
今はどうなんですかね、周りの方はパンプス履いてます??数年前から若者のお洒落さんの中では少し復活の兆しがあるのかなという感じですが、ここしばらくの流行りはリバイバルのマーチン波から始まった厚底(爪先からかかとまでが同じ高さの)でしようか。
私(40さい)が子供の頃、成人女性の皆さんはヒールのパンプスを履いてらっしゃいました。手元に「ファッションインジャパン1945-2020」の図録があるのですが、大正時代のモガは草履からいきなりパンプスに移行していました。近代から追うと戦時中を除くほとんどの時代で成人女性はパンプスを履いてお出かけしています。でもここ10年ほど、オフィシャルな場でもパンプスを履く人が減りましたよね。長生きしてしまったファッションウォッチャーのあっかちゃんが、その変化の日についてお知らせします。
そもそもパンプスは、足が痛くなる。ひなのちゃんが10代の頃「我慢しなくちゃなきゃおしゃれじゃない」と言っていました。私もそれを信じてその後20年くらい生きてたんですけど、ある時ひなのちゃんがスニーカー履いてて驚きましたね。ええ、人は変化するものです。外的要因によって。
ひなのちゃんがどういうきっかけがあったかは分かりませんが、街行く人の足元からパンプスが消えるきっかけになったのは、あの日。
2011年3月11日です。
私も当時都内に住んでいたのですが、地震が起きたあの時間から電車も止まり、携帯も通じなくなりました。ほとんどの会社ではその後割とすぐに帰宅する流れになったようですが、何しろ電車が動いていない。じゃあお茶でもして時間を潰せば・・・といっても店内がめためたになったり従業員も帰さなきゃだしという感じでお店もほとんど閉まっていく夕方。そもそも電車の再開目処立たず。タクシーは捕まらない。あの日、都内でバカ売れしたのが自転車だそうです。会社に残ったりして一晩過ごした方もいたそうですが、ほとんどの人は帰る。帰巣本能。手段は?徒歩。
あの日、スニーカーも売れたそうです。
私も都内にいて2時間半かけて歩いて帰りました。(まだ近い方)
地震から2日経った頃、どうしても出かける用事があり、フラットのバレエシューズで家を出ました。電車内の女性、パンプス皆無でした。すごい時代の変化に立ち会ったと感じました。
あれからです、あれからパンプスを履かなくても良くなったのです、我々は。