人は前回経験したことは怖くないが、、。コロナからみる恐怖の感情の考察。

7月、コロナウイルスの感染者が増えてきていたが、人出はなかなか減らなかった。
しかし7月の終わりごろから、再度在宅勤務に戻る企業が出ており、メディアでも警戒を呼びかける論調が増えたように思う。

この「日常に徐々に戻る/コロナを意識しての通常生活」→「再度コロナに警戒する/非常事態」のターニングポイントはどこであったのかを、東京都の日別の新規感染者数とともに調べたい。

東京都の感染者数

ここ数日は、名古屋や大阪の日別感染者数も全国放送で取り上げられているが、増加傾向にあるときは、東京都の感染者数だけが報道されていた。

そのため、まず東京都の感染者数を見る。

「コロナ 怖い」の検索数

次に、コロナへの警戒心は「怖い」という感情によって左右されるところが大きいと推測したため、「コロナ 怖い」と検索された量を調べたい。

東京の感染者×「コロナ 怖い」の検索量グラフ

上記2つの日別データを折れ線グラフにした

期間は、第一波とされる4月から7月終わりごろまでである。
青線が、東京都の日別の新規感染数で、左軸の目盛り。
赤線が、「コロナ 怖い」と検索された量を示しており、右の目盛り。

グラフをみると、第1波の後、感染者(青)は6月1日から微増していたことがわかる。
しかし、怖さ(赤)は増えておらず、減少ないしは一定の低さでキープしている。

また、7月3日に感染者は138人を記録するが、赤の怖さのグラフはそこまで上昇しておらず、その後には低下している。

前回のピーク値になったときがターニングポイント

しかし、7月8日に感染者が258人になって以降から、赤の怖さのグラフがはっきりと上昇し続けていることがわかる。

この258人は、緊急事態宣言下の最大の感染者数である266人(4月9日)にせまる数だ。
このことから、第1波を超える気配が見えた時から、恐怖感が復活してきたのではないか?と考えている。

現在地点での数値の影響力の弊害

行政機関からの発表の通り、PCR検査の数は大幅に増加しており、コロナウイルスの正体や気を付けるべき点は4月のときよりは明らかになっているものの、前回のピークを超えるときが恐怖の潮目になったというのは、興味深い。

数値の前提条件が違っていても、やはり新規感染者数という分かりやすい指標の絶対値によって、人の恐怖感は増幅されるのだろうか。

一方で、感染者数が上昇傾向(6月)にあっても、感染者数の絶対値が前回のピークを超えないときは、怖さの赤線は上昇しなかった。

2つ目のターニングポイントは、前回並みの怖さになったとき

7月8日から「コロナ 怖い」の赤線は上昇し続けているものの、第1波のときほどには上昇していない。

しかし、ここ2週間、前回のレベルに徐々に近づきつつある。

第1波のときの「コロナ 怖い」の検索量は4月25日には急落していたが、この日の高さに7月29日に到達し、それ以降も検索量は伸びている。

ちょうど4月25日のレベルを上回ったタイミングあたりで、グーグル社での在宅勤務の延長が報道されている。

3週間のトレンドが続くことが必要?

コロナへの怖さが前回並みになった7月29日は、感染者が前回のピークを3週連続で超えたタイミングである。
一方で、コロナへの怖さが急落した4月25日は、3週連続で感染者が減ったタイミングである。

「3」週間という数値はたまたまかもしれないが、怖さが強まる/弱まるには、一定の期間が必要であるとは推測できる。

※もしくは「2度あることは3度ある」「3度目の正直」といったことわざがあるように、3回継続することに意味があり、3はマジックナンバーなのかもしれない。

まとめ 恐怖についての考察

ここまでコロナを題材に恐怖の感情について調べてきたが、
人は、過去と同じ辛さが繰り返されているときは、まだ恐怖に耐えることができるのだろう。

しかし、その辛さが過去を上回ったときは、徐々に恐怖感が増えてくる。
とはいえ、正常化バイアスが働くためのか、怖さは急増・急落するわけではなくて徐々に増えて・減ってくる。

増加や減少がはっきりと分かるには、3週間 or 3回と一定期間トレンドが継続することが必要である。

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