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定額給付金の支給率21%は低くない。前回との数値比較によると

10万円が支給される特別定額給付金。6/10のニュースでは支給が遅いと報道されている。

本日段階でも21.4%なのは低く感じるが、これって本当に低いのだろうか?
前例を調べてみた。

2009年麻生内閣の定額給付金の給付状況

このときには1.2万円が全国の世帯に配られた。
法案成立日からの経過日数と、世帯への普及率を表とグラフにしてみた。
起点日を、財源に関する法案が成立した3/4とすると、


※注釈以外のデータは、全世帯データ。出典は巻末へ。

下記は縦軸が、支給済みの率。横が法案成立日からの日数。

この表には推計値や1つの市だけのデータがあり、完璧なものではないがいくつかの情報を読み取れる。

1.最終的に給付金を受け取っている世帯は95%を超えていること。
案外みんなうけとっているようだ。

2.給付金が配れるようになってから90-120日程度で、85%ほどに給付されていること。

3.30-40日程度で一気に支給率が跳ね上がること。
(経過日数50-100日ところ)
この急激な伸び方は、以下の高岡市の資料に詳しい。

2020年の定額給付金は39日経過して21%

さて、今回の10万円に戻ると、
補正予算が成立したのは4/30。経過日数は39日だ。
先ほどのグラフにポイントをで打つとこうなる。

きれいに赤が乗りました。
ここから支給率は直線的な上昇をするのではなく、前回の給付金のようなS字を描くと思われる。
支給が遅れている要因は、各世帯に書面を発送できないことにあるらしいから。

もし今回も支給率がS字を描くなら、
ここから30日後の70日が経過したころには、70%ほどが支給済になっているのではないだろうかと私は推測する。

なので、前回と比較すると、現時点で21%はそこまで低いわけではないということになる。

数字をみるときは、いまここの値だけではなく、これからどうなるかの伸び方もみなくてはならない。

巻末 2009年定額給付金の給付状況表の出典

総務省提供の給付状況(2009年7月終わり以降の状況)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000064356.pdf
https://www.soumu.go.jp/main_content/000049004.pdf
https://www.soumu.go.jp/main_content/000046285.pdf
https://www.soumu.go.jp/main_content/000042778.pdf
https://www.soumu.go.jp/main_content/000039876.pdf
https://www.soumu.go.jp/main_content/000036970.pdf
soumu.go.jp/main_content/000032957.pdf
朝日新聞2009年7月3日時点
http://www.asahi.com/special/teigaku-kyufukin/TKY200907030531.html
練馬区2009年5月19日時点と練馬の世帯数
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/kaigi/chogi/h21/h21_2tei.files/siryo5.pdf
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/tokei/jinko/index.html
富山県高岡市のデータ 2009年4月-5月データ
https://www.city.takaoka.toyama.jp/joho/shise/gaiyo/shicho/kaiken/documents/210601teigakukyufukinjyoukyou.pdf

本当の感想

予算成立からの処理方法が前回と同じアナログなので、そこまで遅くないと結論付けたが、
10年経っても行政手続きがIT化しなかったかを物語っている数値だと思った。

お金を稼ぐということが大変だということを最近実感しています。サポートいただけると幸いです。