『ノケモノノケモノ』について語りたい

語りたい、第2弾です。K.K.P.の作品『ノケモノノケモノ』です。是非観てから読んでいただければと思います。YouTube貼っておきます。

『ノケモノノケモノ』

役と演者(1人で何役もやってます)

ハラミヤ(音尾 琢真)
イルマ(小林 賢太郎)
オノベ/創造神/蕎麦屋の店主/図書館の見張り(辻本 耕志)
バスの運転手/創造神の助手/狩人/蕎麦屋の店員/図書館の見張り(高橋 良輔)

あらすじ

獣ヶ淵でバスを待つ2人のサラリーマン。部下のオノベは、バスを待つ間に村人に話に行ってしまった。ハラミヤはバス停で座って待っていた。そこに白いスーツをビシッとまとい、羊の角が着いた帽子をかぶったイルマがやってくる。イルマが乗ったバスに乗ってしまったハラミヤは、その不思議なバスで異世界へと連れていかれる。迷っているハラミヤに、「全ては、自分次第」と一言。
そこは、創造神が様々な生き物を生み出している街だった。つまり「全てが始まる前の街」
そこで不思議な図書館へと案内される。生きとし生けるもの全ての人生が書かれた設計図がズラリと並んでいる図書館だ。
ハラミヤは、路地裏のような場所に迷い込む。ある1人の狩人がハラミヤに襲いかかり、「自分のことを話せ」とひっきりなしに言う。

会社に勤めている。自分の名刺がある。特別な時計を持っている。特別な財布を持っている。有名人の知り合いである。

それを説明しても「自分のことを話せ」と言われる。間一髪でイルマに助けられ、狩人は姿を消してしまう。
「自分のこと」が分からないハラミヤは、創造神の元へ出向く。はたして、自分のことを知ることが出来、元の世界へ帰ることは出来るのか。

※ここから先は感想とネタバレです。

いや〜あのですね、、、。何から説明すればいいことやら、、、、、。と言うのも、これ、いっっっっぱい話したい事があるんです。
まぁ1つずつ書いていきますか。

1つ目!
バスに乗ったハラミヤを探し回るオノベ。バスの運行中にバスの外からオノベが色んな声色で「ハラミヤさ〜ん!」って言うシーン。
あれ色々いじった声とかもあるかも知れないですけど、あんなに面白いシーン最初の方に来たら誰でも笑っちゃうって。本当はちょっと不気味なシーンなのに。バスに乗っちゃって、どこに行くか分からない、っていう、怖いシーンなのに。辻本さん、やるなぁ。面白いなぁ。

2つ目!
街に着いた2人は、蕎麦屋に入ります。その蕎麦屋は不思議な蕎麦屋。ハラミヤは、店主とイルマが何を喋っているかしばらく分からないまま座っている。イルマに「分かったフリをしてみなさい。」と投げ出され、言われるがままに店主の不思議な言葉をふむふむと聞く。分かった!と思った瞬間、カタカナが日本語に戻ってきます。
意味のわからない慣用句を使う。それが面白すぎて。
「クラゲの洗面器」「釜茹でにミンミンゼミ」「思春期の伊勢海老」「井戸水にタランチュラ」「ザリガニ 肘を舐める」
などなど、好きな慣用句はこの辺。「こめかみにロバ」は分かるな〜!となってしまう。あ、ちなみに、“鬱陶しい”という意味で使われています。

はい、3つ目!
これはもう、だいぶ終盤なんですけど。あの、大きな動物たちのセット。あれ凄いですよね。後ろのスクリーンに映る不思議な動物たちもさることながら、皆で動かしてるあの大きな動物たちに感動します。舞台をあんなに大きく使えるのはとっても楽しそう。かっこいいなぁ。

4つ目!
なんと言っても大ボケ要素の“カメレオン兄弟”。あれはよく出来てる。この舞台、カメレオンカニがちょっと大事なワードみたいになってて。
ハラミヤの部下がカニと威嚇し合うシーン。
ハラミヤがイルマに最初に出会った時に食べるのはカメレオンの味のクッキー。
これは勝手な想像ですが、

「特別でいたいけど、みんなと同じじゃなきゃ不安」
“特別でいたい”=カニが威嚇をする時のように自分を大きく見てもらいたい。でも、“皆と同じじゃなきゃ不安”=カメレオンのように何色にでも溶け込める。

というのが込められてると思うんです。
そう解釈すると、スッ…と物語が平行に見えます。これは、賢太郎さんがそう思って書いてるのか、また全然違う意味があるのか分かりませんが、私はこう解釈しました。

はい最後、5つ目!
最後にバスに乗る前に「いつか、また、イルマさんに会えますか」とハラミヤが問います。あのお別れのシーン。泣かない人は多分居ない。ボロ泣きした。少し黙ってから「はい」と嬉しそうに言うイルマ役の賢太郎さんのあの顔。あの顔でもうボロ泣きです。はわわ、と心がふわふわ嬉しそうに浮かんでるイルマの顔。好きだなぁ。

とまぁ、こんな感じでしょうか。
次は何について書こうかな………
決めた。『振り子とチーズケーキ』にします。

では、またどこかで。

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