副業してたら、特殊詐欺の被害者になってしまった話【前編】
おはようございます。ねむ子です。
しばらく放置していたnoteの久々の投稿が、詐欺被害話とは情けないことです…
しかし、逆に考えよう、このおかげでnoteを久々に投稿できるのだと。
ということで、注意喚起をメインの目的として、私が海外の人を相手に副業をしていたら、詐欺に遭った被害を書いていきます。
ぜひ、SNS等で拡散いただければ幸いです。そして、1人でも多くの人がこの詐欺被害に遭うことがないよう祈っています。
(特に下書きもせず、思い出すままに事細かく書いていますので、長い&読みにくいなどは悪しからず)
ほとんど同じ手口で被害を受けてしまった、ナレーターさんの記事をお先に紹介します。
私は、この石井しおりさんという方と、ほとんど同じ手口で詐欺に遭いました。相手や出会い方など、細かい部分は違いますが…
ですので、詐欺の手口を簡潔に知りたい方は、石井さんの記事をお読みください。
私は自分への戒めの意味も込めて、事細かに出来事を書いていきます。
この話では私以外に5名の登場人物がいます。
彼らが名乗っていたまま名前や役職を書いていますが、偽名の可能性は十分あります。
私以外の登場人物5名(以下登場順)
〇シャルロット
最初に出会ったクライアント。彼女から仕事の依頼を受ける。
〇ローズ
今回の仕事の支払い責任者。
〇DerlyPrime
後に出てくる海外のオンラインバンクの名前。カスタマーサポートとしてTelegramにも現れる。
〇L-VEN
私が何度もお金を送ってしまうことになる人物。
〇ポーリーン
DerlyPrimeカスタマーサポートの上司であり、マネージャー。
また、文章内のカッコ内のセリフは日本語ですが、実際にはすべて英語です。
詐欺師との出会い~仕事の受注
詐欺師との出会い【クラウドソーシングサイトからTelegramへ】
私は海外のクラウドソーシングサイトを通じて、翻訳などのお仕事を受けていました。そこで1人のクライアント(シャルロット)とマッチ。
彼女はクラウドソーシングサイト内のメッセージにて、やり取りをTelegramでするように提案してきました。
Telegramは使っていなかったので、すぐにインストール。
シャルロットが教えてくれたTelegramIDをメモに控えたその瞬間、シャルロットはクラウドソーシングサイトからBANされ、メッセージが見れなくなっていたのです。
BANされたところで、連絡するのをやめるべきでした。
しかし、あろうことか、その時の私は
「メッセージが見れなくなる前に、IDを控えておいて良かった」
と思ったのです。むしろIDなんか控えるべきではなかった。アホですね。
シャルロットは後に詐欺師と分かりますが、この時の私は
"外部サイトに移行させようとしたからBANになっただけで、詐欺ではない"
と思っていました。本当にアホですね。
そして、シャルロットとTelegramで連絡を取り合うことに。
彼女は自身をLionbridge Translationという会社の一員であると言いました。
調べてみると、Lionbridge Translationはアメリカに実在する会社のようで、相当規模も大きいようです。
※上記の会社は、詐欺師に勝手に名前を使われており、今回の詐欺に関して一切の関係はありません。お問い合わせ等はお控えください。
シャルロットは「会社のWebサイトを見て、私たちを理解してください。」と、まだ疑ってもいないのに念押ししてきました。
Lionbridge Translationに属しているというのも、真っ赤なウソだったのでしょう。
仕事の受注
さて、クライアントとワーカーとして出会ったので、もちろん仕事を与えられます。
シャルロットは、30ページほどの環境に関する学術書のPDFデータを私に送ってきました。それを英語から日本語へ翻訳し、24時間以内に完成させて、送り返してほしいとのことです。
「データを確認しましたが、24時間では到底不可能な量だ。最低でも3日は欲しい。」
と提案すると、すんなり受け入れられました。
この仕事は今まで受けた翻訳の仕事に比べて、報酬が高かったのです。
2ヶ月後に結婚式を控えている私は、そのお金を工面するために、早めに完成させて報酬を得ようと思いました。
※ここで、報酬が相場より高いことも、今となったら疑うポイントだったと思います。
しかし、国から発行されたような学術書であることから、「まぁこれだけ正式な文書だったら、それくらいの額はするのかなぁ」と思ってしまいました。
おそらく、この学術書データも、公式で公開されているものを引っ張ってきたのでしょう。
そして、ほとんどの時間を、シャルロットから依頼された仕事に注ぎ込み、3日後に完成させ、送り返しました。
(その3日間は、疲れ果て、晩御飯作りもサボりました。夫、本当にごめんね。)
報酬を受け取るハズが…
謎のオンライン口座"DerlyPrime"
PDFの翻訳を終え、シャルロットに送ると、今度はローズという人物のTelegramアカウントを共有されました。
ローズは支払い責任者なので、彼女に報告をする必要があるようです。
ここからは、ローズとのやり取りです。彼女に連絡をすると、すぐに返事が返ってきました。そこで彼女は
フルネーム
国
支払い方法
プロジェクト件名
年齢
メールアドレス
完成したPDFの再送付
を求めてきました。
私はそれら全てに答えると、Derly Primeという海外のオンライン銀行のリンクを共有され、それに登録し、アカウント情報をスクリーンショットで送るよう指示を受けました。
DerlyPrimeなんて聞いたことのないサービスだし、GoogleやTwitterなどで検索をしてもほとんど情報がない。
ここで若干怪しさを感じつつも、登録は名前とメールアドレスだけで完了したので、アカウント情報をローズに共有しました。
すると、すぐに支払いが完了したとの連絡が。
確認すると、たしかにDerlyPrime上では私の口座に入金されたように見えます。
ここから、PayPalや銀行口座といったところに引き出すことができる仕組みです。(見た目上は)
仕事も無事納品し、報酬も支払われ、あとは私のPayPalアカウントに引き出すだけ!…と思いきや、ここからが彼らの狙いの始まりです。
バンクキーという謎の番号
さぁ、さっそくPayPalに報酬を引き出そうと思い、
PalPalアカウント
引き出したい金額
を入力し、次に進むと、以下のような画面に。
何やら4桁の番号を入力しないといけないようです。
しかし、私はPayPalでも、DerlyPrimeでも、4桁の番号を設定したことはありません。
ここで、ローズにこの画面を送り、「これは何?私は番号を設定したことが無い」と送ると、彼女はDerlyPrimeの会社名がそのまま使われたTelegramを紹介してきました。
おそらくカスタマーサポート的な位置づけです。
カスタマーサポートがTelegram…?とも思いましたが、海外はそういうこともあるのか…?と、なってしまったのが良くない。
私は早速カスタマーサポートに連絡をしました。
すると、またしてもすぐに返信が。
サポート曰く、
『バンクキーは購入しないといけない。購入したら番号を教えます。購入した金額は、引き出す際にすべて返金されます。』とのことでした。
バンクキーの値段を尋ねると、16000円。
安すぎず、高すぎもしない、しかし、失ったら結構痛いくらいの値段でした。
やはり怪しい。私はYouTubeで詐欺師撃退の動画をよく見るので、お金を貰う前に自分が支払うのは100%詐欺と何度も聞かされてきた。
しかし、もしかしたら報酬が支払われるのかもしれない。
結果として、私は支払ってしまいます。
LINE Payでの支払い&追加の料金請求
提示された支払い方法の中には、LINE Payがありました。(これもよく考えたらおかしいですよね)
カスタマーサポートは、とあるLINEアカウントを共有してきました。
それが、L-VENという名前のアカウント。彼(彼女?)に送金をしてくれとのこと。
こいつ誰やねんと思いながら、軽い自己紹介を挟み、私は支払いました。
そして、支払った画面をスクショに撮り、カスタマーサポートに連絡をすると、数分後にバンクキーをサポート経由で伝えられました。
そして、右下の「Refundable Balance(返金可能額)」の金額が、16000円になりました。
支払った金額が、きちんと計上されて戻ってくると信じさせるような仕組みになっています。
バンクキーを入力すると、無事に次の画面に進み、支払い処理中と表示されます。
しかし、一向にPayPalの残高は増えません。
再びカスタマーサポートに連絡。
すると、カスタマーサポートは確認をするとのことで待たされるのですが、ここで『必ずオンライン状態を保ってください。』と何度も念押しされるのです。
つまりは、カスタマーサポートの連絡に対して、素早く連絡をしろということ。
遅れてしまうと、別の対応をしないといけなくなり、私への支払い処理が遅れたり、取消になったりするというのです。
これも、巧妙な手口ですよね。書いててまた腹が立ってきました。
そう言われても、いつ返事が来るか分からないパソコンの前でボーッとしていることもできません。
私は待っている間ゲームをしていました。
すると、カスタマーサポートからの連絡が。
しかし、私はゲームの途中。しかもAPEXのランクで上位3チームで戦っていたのです。(分かる人には分かる重要な局面。手が離せません)
連絡が来て、5分程度しか放置していません。
それにも関わらず、カスタマーサポートは『オンラインを保って』『何をしているのですか?』『給与の受け取りに興味が無いのですか?』としきりに送ってきて、しまいには鬼電をかけてきました。
私の集中力を阻害するクソうるさい着信音にも負けず、APEXで1位を勝ち取りメッセージを確認すると、
『あなたへの支払いプロセスの処理が止まり、遅れている。処理を再開するには、47000円を支払う必要がある』
とのこと。
いや、さすがに無理です。
ブチギレ&連絡を遮断
ここで、私は詐欺への確信が深まりました。
それに、47000円をポンと支払うなんてリスクが高すぎる。
ここから、私はカスタマーサポートの言うことを拒否し続けました。
「なぜ給与を受け取る前に、私があなたにお金を払う必要があるのか?」
「そもそもDerlyPrimeというサービスの情報自体、ネットに無い」
「一般的に、自分の金を引き出すのに多額の金を払うなんてあり得ない」
「あんたらに約7万円を支払うほど信頼なんて無い」
こうぶつけると、カスタマーサポートはある画像&動画を何枚か送ってきました。
その内容は、
〇別のワーカーが無事にDerlyPrimeから報酬を引き出し、感謝を伝えているメッセージのスクリーンショット
〇「私は無事に報酬を手に入れた!彼らは素晴らしい会社です!ありがとう!」的なことを言っている自撮り動画
『これを見て、私たちを信じろ』と言ってきますが私は「彼らは俳優だろ」と突き返します。
そして、「日本じゃ、こういう手口は詐欺だよ」と伝えると『この会話は監視されているから、絶対にその言葉を出すな』と言われます。
"詐欺"という言葉に、非常に敏感なのです。
結局私が断り続けると、『じゃあ20000円でもいい。』と。
いや、それもおかしいだろ。。。
この時点で、私の質問にまともに答えてもらえないこと、詐欺なのかもしれないという不安、急かされる返信に、心身ともに疲れています。
こうして、何十分か不毛な言い合いをしたのち、もうダメだと思った私は支払った16000円は諦め、サポートの連絡を無視しました。
(「もう諦めるわ」と言っても、『ダメだ』と言われましたが)
無視している間も、何度も『ハロー』『返事をください』『受け取りに興味がないのですか?』『私たちは、心からあなたに給与を受け取ってほしいのです。』と何度も連絡が来ました。
しかし、この話はここで終わりではありません。
この後、最初のクライアントであるシャルロットや、新しい人物も登場し、私は囲い込まれ、更にお金を支払ってしまうのです。
近日中に後編を公開します。
【5/7 後編公開しました】
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