好きな人が彼女になった話

2020.09.25

毎日同じことの繰り返しで退屈だ。
ネット社会の今日、ふと「自分の居場所ってどこなんだろう、そもそも居場所なんてあるのか」と思う。
自分の存在意義って何なんだろう。
何のために、誰のために、こんな毎日を過ごしているのか。


一人暮らしを始めるまでは、地元の数人と何をするわけでもなくただ集まり、たわいも無い話をして、バカやって、大笑いして。
その時は何気ない日常で、何とも思わなかった。
ただの日常に過ぎなかった。
今思うと、あの頃は『居場所』があった。
今思えば何してるんだろうと思うこともあった。
でもそれが楽しかった。
幸せだった。

地元を離れてからこれまで、自分に『居場所』はなかったんだと感じる。
これから先、『居場所』なんて見つからないと思っていた。


ここ数ヶ月、「誰かに会いたい、どこかに行きたい、これがしたいあれがしたい」と、思う事がなかった。
彼女と出会うまでは。

年下のくせに自分より自分を持っていて、感性が豊かで憧れの存在だった。
普段、他人に自分の素性を事細かく話すことはないのだが、彼女には違った。
自然とこれまで経験してきたことや、普段の自分について話してしまった。
何の面白味もない21歳田舎育ちの学生の話を真剣に聞いてくれた。
そして何より、彼女も自分のことについて包み隠さず話してくれた。
何故かすごく嬉しい気持ちになった。

「この人と居たら幸せなんだろうな、」
そう思った。
それと同時に、不安があった。
「自分と居ても相手は幸せなんだろうか?」と。
でも、やらないで後悔だけはしたくなかった。
「会いたい」
と心から思える人に出会えたのははじめてだった。


いつも通り連絡をとっている中で、自分の思いを伝えるタイミングがきた。
内心びびっていた。
どうせ無理だろうと。

彼女の答えは「OK」。
お互い少し恥ずかしそうに話を続ける。
久しぶりの感覚だった。
誰かひとりを好きになることの喜びを感じた。

そして次の日に会うことに。
はじめましてでありえないほど緊張したが、緊張よりも楽しさや嬉しさが優っていた。
家に向かう途中、地元の話やお互いについての話をした。
どこか新鮮な感じがした。
それと同時に、彼女と話していると落ち着いた。


家についてからは、たわいもない話を永遠とした。
彼女が東京にいる間、ずっと話して写真を撮りに行ってバカなことをして。



幸せだった。




やっと自分の『居場所』が見つかった。
やっと自分が『何のために、誰のために、こんな毎日を過ごしているのか』が見つかった。
彼女と出会ってから、世界が広がり、自分の人生に意味が生まれ、退屈な毎日が終わった。
これからの人生に対する悩みや不安、葛藤があったがそんなことも彼女となら、楽しく乗り越えていける気がする。
彼女に出会えた事、こんな自分を認めてくれた彼女に感謝。


人生いつ何があるか分からない。
辛い事だって多々あった。
色々やめたいと思う事もあった。
でも、そこで何となくで良いからやってみる。
『もしそれでも辛かったらやめても良い、無理しても意味がない。』
『生きていればいつか良い事がある。』
そう彼女から教えてもらった気がする。



好(ハオ)。



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