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DTMの時短ツール - 時は金なり ☆☆☆


むかし昔、自宅で音楽をつくるなんてことは夢の夢のそのまた夢のようなお話でした。

YMOのライブに使用されたMoog Synthesizer IIIcは通称タンスと呼ばれていました。こんなのお家に置けない。映画「サマーウオーズ」みたいに冷やさなくちゃ。

Synclavierってサンプラーにシンセを詰め合わせた機材はおよそ1億円ぐらいでした。それが今や、ソフトウエア化どころか、スマホのアプリにまでされちゃってます。

というわけで、お手軽に時短できるツール(プラグインなど)を並べていきます。

「俺、作曲メインだから、ミックスとかマスタリングだとか面倒」
「弾き語りの人だし、難しいのわかんなーい」
「わたし、コード知らないし、音楽理論なんてちんぷんかんぷん」

そんな方向けのツールです。特に「これ、おすすめ」なものには★を付けました。あくまでもわたし個人の見解です。

iZotope Ozone ★

AIを駆使したマスタリングプラグインです。

めちゃくちゃ楽です。一瞬に近い体感です。

定価を見ると高そうですが、Elements版を無料配布していることがあるのでその時にゲットしてください。そう、Elements版が★です。

iZotopeには同じくAIを利用したプラグインが発売されています。

iZotope RX 音声データをリペア(ノイズ除去など)してくれるプラグイン

iZotope Neutron ミキシングプラグイン

iZotope Nectar ボーカル音声処理プラグイン

いずれもElements版を不定期ですが、無料配布しています。どうして、廉価版を配っているのか?それはiZotopeが上位版に自信があるからです。上位版のセール価格は下のブログをご参考に。最安値がわかりやすいです。

iZotope Neoverb ★

上のバンドルに含まれているリバーブです。最適なリバーブを調整してくれます。

わずか数ステップで、楽曲に合わせてリバーブ設定のスタート地点を提示する、インテリジェントなアシスタント機能

だそうです。リバーブ本来の質も高いです。

iZotopeが続きましたが、決して関係者ではありませんw

Zynaptiq Adaptiverb

Neoverbと似たリバーブです。リフレクションに依存しない革新的なリバーブ・プラグインという謳い文句ですが、シンプルに言い換えれば「音抜けがいい設定を考えてくれる」でしょうか。このプラグインを使うだけで音が魔法にかかったように良くなる、なんて言い方をされています。

SONIBLE SMART:EQ

人工知能によってミックス全体のバランスを整えるインテリジェントEQ(イコライザー)。iZotope Neutronと似ているといえば似ています。動作が軽いので各トラックに刺しやすそうですね。

ついでなので、DTM系のYouTuberとして少しばかり有名なチャンネルを紹介しておきます。

SONIBLEは「smart:EQ 3」以外にも「smart:comp」「smart:reverb」「smart:limit」という製品をリリースしています。もちろん、すべてバンドルされたバージョンも販売されています。

Orb Composer Pro S

人工知能を用いた先進の作曲支援機能で、元の楽曲にマッチしたコードやフレーズをMIDIにして提案しくれる作曲お助けツールです。

古いバージョンですが、日本語の説明動画。

文章の説明としてはここが分かりやすいかと。それなりのお値段がします。

Eventide Elevate Mastering Bundle

iZotope社のOzoneあたりが競合するでしょうか。バンドル名の通り、マスタリング・プラグイン(リミッター)の「Elevate」がメインです。その他にはEQ(イコライザー)の「EQuivocate」、トランジェントシェイパーの「Punctuate」、オーバードライブの「Saturate」が付いています。

iZotopeが先行してAI系プラグインを発表して、あとにSONIBLE、EVENTIDEなど様々なメーカーが参戦してきたってイメージで問題ありません。

ちなみに、iZotopeにはバンドル版「Mix & Master Bundle Standard」と、さらに上位版「Mix & Master Bundle Advanced」があります。結構、お高いです。

それに対して、Eventide「Elevate Mastering Bundle」は微妙に安かったりします。

iZotopeはElements版をたまに無料配布して上位版へ誘導させているという感じでしょうか。おそらく、この手のシェアとしてはiZotopeが圧勝している印象です。

参考として、Zynaptiqの「REMIX Bundle」も貼っておきます。

Baby Audio Smooth Operator

「圧縮」「EQ」「浄化(不純物を取り除く作業)」を、1つのシンプルなプロセスで(ほぼ自動的に)行うことで、オーディオ内の不要な周波数を取り除き、「バランスの取れたトーン」と「一貫性のあるサウンド」を実現してくれるツールです。単純に言えば、お掃除してピカピカに磨いてくれます。

次のブラックフライデーでポチろうかな?候補の筆頭格ですw

OEKSOUND SOOTHE 2

Smooth Operatorと似ています。こちらが元祖です。ちょっと値が張ります。要は音の濁りを消してくれるプラグインですね。

AUDIONAMIX XTRAX STEMS

2MIX(いわゆるステレオ音源)をボーカル、ドラム、ベースと残りに自動的に分離できます。サンプリングの超時短ツール。意外にお安い値段ですが、1年間のサブスクとなっております。

日本語の解説ブログ。

販売は日本の代理店でも取り扱っていますね。


他にもAI系はあるのですが、このあたりで。話をAI以外に向けましょう。


🎥インターミッション

プラグイン、どこで買う?

主に「Plugin Boutique」です。扱っているメーカーが多いですし、毎月購入した人向けの無料サービスがあったり、何かと親切です。TwitterやFacebookではプレゼント企画してるときもあります。
※ちなみにTwitter企画、一度当選しましたw

他は、「Plugin Alliance」か、各プラグイン公式サイトからでしょうか。

「Plugin Alliance」は基本サブスクなのですが、単品売りもしていて、年に数度?クーポンを配付してくれます。以下を参考に。要は無料でもらえちゃいます。こういうやつです。

プラグインのセール情報をどこで手に入れる?

日本語のサイトなら、ここでOK。過去のセール情報(つまりは最安値がチェック)を確認できるのはここだけだと思います。

他は、最近ストアも開設した犬のところですね。

あとは海外サイトが主な情報源です。

無料のプラグイン関連は別テキストにまとめる予定です。

DAW付属のアルペジエイターなど ★

え?

と思われるかもしれません。ここまでのはiZotopeがElements版をたまに無料配布しいてるだけで、あとはお金がかかります。ここで紹介するのはDAWに含まれている機能をつかっちゃいましょ!という話です。

最近のDAW、どれもが似たような機能を持っています。もちろん、それぞれのDAWに得意不得意があります。優位な部分や苦手な箇所もあります。でも、たいていのDAWには最低限の基本的な機能が付いています。

ここからは個別のDAWで説明するわけにもいきませんので、わたしが愛用している「FL Studio」を例に取り上げてみます。

こちらを読むほうがわかりやすいです。単純に言えば、ピアノロール画面に適当にコードを打ち込んだら、多種多様なアルペジオパターンを勝手につくってくれますよーって機能ですね。

アルペジエイターの他には、指定したキーとスケールに合わせでランダムなフレーズをつくってくれたり、ドラムをジャンルに合わせたノリをつくってくれたり、まあ、いろいろと機能が入っています。

もし、すでにDAWを持っていたら、インターネット上で検索してみてください。知らなかった便利な機能があったりするものです。

UJAM Beatmaker KANDY ★

現代的なポップミュージックのビート制作に特化したドラムツールです

特化している点が良いですね。そして、こいつはシリーズ化されています。

楽器の演奏が出来なくても大丈夫。
最短3step で、まるでプロが弾いたような
トラックをプロデュースしよう。

完全に時短ツールです。ひとつひとつはそれほど高くありません。頻繁にセールをするのもありがたいところです。その他の製品を含めた日本語の紹介動画が下です。

Scaler 2 ★

作曲支援・コード進行制作ソフトウェア。
日本語の説明がこちら。

ちょい細かい説明文がこちら。

※これ、めちゃくちゃ使ってます!激、愛用!!

次はサンプル整理系に行きましょう。

XLN Audio XO ★

8,000種類のファクトリーサンプルを収録した革新的なドラムサンプル管理ツールです。もちろん、自分のサンプルを追加することもできます。サンプル分析システムによって勝手に振り分けしてくれる優れものです。

Waves CR8 とCOSMOS ★

やっと出てきました。天下のWavesプラグインです。超老舗のメーカーです。「CR8」がサンプラーで、「COSMOS」がサンプルライブラリー。しかも、「COSMOS」は無料。もう一度書きます。2500のサンプル付き、AI搭載のサンプル・ファインダーが無料です。もらっておきましょう。

こちらが「CR8」。

最近リリースされました。リリース時の「CR8」は9.99ドル!もちろん、ポチりました。実は定価そのものが安いです。はい、こちらが公式ストア。

個人的な感情丸出しで語るなら「絶対に買い」のプラグインです。★3つ上げたいやつです。

時短ツール。他にもいろいろとあります。単純明快に書けば「アマチュアでもプロの音に早く近づける」プラグインですね。活用していくのが賢いやり方だと思います。

はい、実はここから下が最も言いたかったことかもしれません。


時短ツールを邪道だと言う方がいるのは事実です。

いやいや、音楽に邪道なんて(ほぼ)存在しませんよ、とわたしは思っています。

PCでデジタル音源をDJしている人に「それ、DJじゃないから」とアナログレコード回し系のDJとマウンティングする。そんなDJに「他人がつくった曲を流して何が楽しいの?」とバンドマンがケンカ売る。そんなバンドマンに「楽譜も読めないなんて音楽の基礎から学ばないとダメでしょ」と幼い頃からピアノを続けてきたクラシック音楽畑のピアニストが嘆く。クラシック畑のピアニストに「楽譜見ながらじゃないと弾けないの?」と弾き語りの路上シンガーが苦笑いする。

いやいやいや、形なんてどうでもいいんです。形に囚われることそのものが自らを不自由にしちゃってます。楽しければそれでいい、とは言いません。音楽で生活している人に楽しければ……という発言は失礼ですからね。
(楽しいが原動力になっているのはOK)

何々はこうでないといけない、何々はこうであるべきだ、何々はこうして進めていくのが筋だ、などなど。

決めつけは思考停止に繋がりやすいものです。

思考停止から、自分が生み出したいものをつくれるほど甘くはない!と思っています。

DTMというジャンルというかカテゴリーは時代と共に変化してきました。かつてはPCでオーディオデータを扱うなんて遅い遅いCPUと少ない少ないメモリーでは無理な話だったんです。それが今や、iPhoneであっても平気でオーディオデータを使えます。

DJもそうです。アナログレコードを回していたのが、CDJになり、MP3音源で流すようになり、サブスクでPCDJまで広がってきました。

革命的な機材、DAW、ソフトウエア、プラグインによって、新しい世界が広がるんです。これまでの歴史がそれを証明しています。革新を止めてしまうような考えには堂々と正面からNoです。No!を突きつけてやりましょう。

音楽はニンゲンの本能に近い部分に訴えかける表現です。音楽は不自由な枠組みで遊ぶものだと思っています。ここで言う不自由とは音階やコードなどのことです。芸術と呼ばれるものはすべて不自由な面を持っています。だからこそ、余計な枠組みで縛っても何にも面白くありません。

つーことで、DTMに関連するすべてが時短ツールなんです。

音楽つくりましょを具現化するための時短ツール。そんなふうに捉えてくれたらいいなと思っています。

結論。
iZotopeのElements版が無料配布していたらもらっておけ!
WavesのCOSMOSももらっておけ!
(余裕があればCR8をポチり)
個人的にはSONIBLE SMART:EQが欲しいなリストに入ってる〜ん
ですね。

投げ銭♥