"コードフェアリー"情報解禁
ついに、2021.10.19に情報解禁となった「機動戦士ガンダムバトルオペレーションコードフェアリー」である。
プレミア公開で一番度肝を抜かれたのは、今回登場するキャラクター「キリー・ギャレット」はMSVか何かで名前とエンブレムだけ設定があったという事である。wikipedia曰く2001年の刊行物だそうで。そこから掘り下げたか!
"妖精"――つまりは女性部隊の話で。時系列は一年戦争。
ティザーやPVを見る限りでは、これは切り口としてかなり面白そうだ。
ざっくりとしたゲームシステムと感想
簡単に言うと、バトオペ2の操作システムを持った完全一人用ゲームである。主人公はこの赤髪の「アルマ・シュティルナー」を隊長として操作。僚機に指示出ししながらミッションをこなしていく、といったモノ。操作方法は9割方バトオペ2と共有しているため、実質上バトオペ2のチュートリアルも兼ねているという。ここで操作を覚えたら、いざバトオペ2へ。
なるほど考えたな…先日、散々プレイヤーが嫌いだって話をした「METAL GEAR SOLID4 / METAL GEAR ONLINE」と俯瞰的に見れば同じ形式になったというわけである。MGS4の操作を覚え、MGOで戦う…形態としての成功例を知ってる分、これは賢いなー思っていた。
「MGS4/MGO」と違うのはそれぞれのタイトルリリースはまばらになってしまった分不揃い感が印象付いてしまう点である。だがそっけないチュートリアルよりものめりこみやすい形で触りやすいというのはとても良い。テンダちゃんがかわいい子とはだれの目にも明らかであるし、通りすがるたびにお菓子を上げるのが日課になってしまうが、チュートリアルはどうしても作業感がぬぐえないというのもある。あと弾薬庫の前で花火は止めろマジで。
チュートリアルの報酬でもらえる「ジム・トレーナー」は確かに優秀な機体ではあるが、実質Lv.3(cost200)以外で出しどころがなく、またcost200はあまりメインストリームの戦場ではないのもある。ガンダムゲームを始めてガンダムが出ないルールをやるのはちょっと…と思うライトな層もいるだろうし、3年目にしてcostの幅故に出てきた問題ともいえるだろう。
完全ひとり用、そしてコアでニッチで…ライト!?
今、面白いことが起きている。簡単に言うとガンダムは男に受けるだけのコンテンツではなくなったという事である。女性が増えたね、ほんと。
個人的な主観であるが、胸の谷間出しながらガンプラ作る人は除外する。
バトオペではなくガンダムとしてのムーブメントである。よく言われるのはガンダムWからだが、かっこいい美形のキャラにときめく女性なんてのはおかしな話ではないし、SEEDもその役割を担った。だが、時代は令和。MSが好きな女の子もいる。いてもいいじゃん。
タイムリーなところで言えば、2021年10月現在で言えば「閃光のハサウェイ」がAmazonPrimeVideo / NetFlix配信が開始したりした。
閃光のハサウェイは既存のガンダム作品に比べ登場人物の年齢が高く、またMSはあくまでも舞台装置としての1つの要素が強い為、人間ドラマが強い。きれいな作画と繰り出される人間ドラマは誰にウケるといえば大人である。MS戦に限っては男は無条件に滾るよう人類は設計されているが、人間ドラマは男女問わず楽しめるところだと思う。
恥ずかしながら、配信タイミングが所見の私は『映像はきれいだし人間の心情機微を上手に描いているし、あーこりゃ好きな人おるでしょ』と思いながら見終えた。たまにあるSFファンタジー系の合成ありきの夜9時から10時くらいにたまにとち狂った題材で始まる実写ドラマ(ニチアサや特撮の老舗ではないやつ)より世界観の不和を感じないのはアニメーションの強みだと思う。
…フォロワーもハサウェイの色気に堕ちた人がいる。
気持ちはわかるけどね。かわいい女の子が近くにいてもあのやり取りと余裕感というか…その、色気なぁ…わかる。(語彙力喪失)
勿論男性キャラがかっこいい、というのもある。リアルロボット路線と言われ、ミリオタが設定を練るがためにSFでありながら謎のリアリティ描写や整備事情の設定があったりする。やたら試作機が多いし、歴史の闇に葬られがちだし、名前しかないエースもたくさんいるらしい。底が知れない。
ともあれ、女性も興味を持つようになったジャンルがこの「ミリタリー」だったり「ロボット物」だったりする。別に軍隊に限らず、知略を巡らせた知的な作詞キャラが持つ「戦略」だって立派な軍事的な知識である。戦いのエキスパートは別にファンタジーでもいるわけだが、それもまた「軍事的な知識」であることを忘れてはいけない。魔法を使うか、ガンダムを使うかの違いだと気付いた人からこちらに流れてくるだけだ。
いくらか話が変わるが、ライトな層(ガチとエンジョイよりもさらにもっと外側の層)ゲームに不慣れな層が一番やりたくないのが「対戦」である。雑な言い方をすれば気分が悪くなるからだ。相手に対してもそうだろうが、上手く動かなければいけない使命感に疲れ、動けない自分に気分が悪くなる。
この層はゲームに一番近いのが読書であり、ストーリーを紐解くことが楽しいのである。事実オンライン対戦がついてなければ!と何かとつく時代においてホラーゲームやノベルゲームは生き残っているのと(もちろんこれは実況者によるリアクション芸も1つ要因だが)、やはり「DEATH STRANDING」のような作品もきっちり売れたことが証明している。ストーリーが好きという人は一定層居て、マルチプレイがなければダメという事はないのである。デスストに関してはブランディング――コジプロという看板で買うこともあるだろうが、そうでない例を出すとそうだな…「UNDERTALE」なんかがそうじゃないか?とも思う。ストーリーから人気を博すという事は少なからずあるという事である。
一人用のバトオペを出す。
それは決して間違いではないという事である。
他人と競わなくてもいいが、ガンダムのゲームがしたい人は居るだろう。
余談だが、最近これについて強く感じたのは「ACE COMBAT 7」が案外女性にウケてたことである。戦闘機というゴリゴリのミリタリー題材、フライトシューティングという空間認識能力とアドリブ性をある程度求められるアクションの極みのようなゲームはハードルはかなり高い部類だ。それに飛び込んでくる女性というのもなかなかエネルギッシュだが、この作品はシリーズの中では初めてと言っていいほど『主人公以外』のキャラクターのビジュアルが8割以上決まっていたこともあり、洋画の延長線上でとらえて楽しんでいた人が多かったようである。これはシリーズの中では異例すぎる。僚機は声しかわからない、もしくはビジュアルがわかる人は片手で収まる程度だったりすることが多いシリーズである。群像劇というのをキチンとストーリーで描いていたようにも思うし、その結果Lineスタンプも発売されたりしたのもそのムーブメントの1つだと思う。
過去作の「ACES」に関しては、ストーリーの切り口が硬派すぎてビジュアルがない方が常だったが、その点「ACE7」はかなり異質で英断だった。
なお、情報解禁時のプレミア公開チャットで面白かったのは
「政治的に兵站で苦しめられたラルやノリスがいるのにこんな綺麗なの?」
「女の子ばっかりだからってこれはナイ」
「俺がやりたいのは泥にまみれた男の話なの」
…だそうだ。気持ちはわかるが、時代は少しずつ変わったんだ。
ガンダムゲームがその、枯渇というか、こういう一人用のゲームがほぼ絶滅してしまったわけだが、じゃあおっさんが出てくるゲームがバチバチに売れたかどうかという事になる。ニッチなヒットじゃ駄目よ。
あとはそうだな…「08小隊」を神格化する傾向にあるが、あの作品に似た作品がそのあとなぜ作られていないのかというのもあるだろう。あれを超えれる作品が作れないから?邪推はいくらでもできるか。でも不思議じゃね?
残酷な話だが、ガンダムとかのイラスト調べたらMSと女性キャラが大半のように感じるが、そう言う点では今一番クローズアップされやすい所だけを集約したようにも思う。女の子+MS。なんも間違ってないじゃん。
男くさい作品がいいというのなら、そう言うのに感銘を受けたことをもっと強く発信する必要があったんじゃないか、とも思えるし、先述のように今ガンダムはライトな層を拾う必要もあるが、今そのライトの受け皿になれるゲームがないというので、このコードフェアリーが出てきたのなら、納得できるポジションだといえる。
個人的には連邦の腐敗の話を描いた「閃光のハサウェイ」に重ねてくるようにジオン目線の一年戦争話を入れてくるのは面白いと思った。
(連邦目線の話を作るとジオニストめっちゃうるさいしな…とも思ったが)
自らを「古参のガノタはおっさんのゲームを求めているのだ!」とか高らかに叫んじゃってるけど、たぶん今回の購買層ターゲットはお前じゃないぞ。
古参のとか自分で言っちゃう当たりやばいよな。
気付かないんか?あっ、気付けないんか…。
バトオペ2にもたらされる妖精の話
さて、バトオペ2プレイヤー向けの話。
結論から先に言うことにしよう。長らく停滞していた300-450当たりのコスト帯の環境が少し動きそうである。環境機が変わるとかそんな話ではなく、4年目になりリリースペースが3か月に1度くらいあるかないかくらいのマンネリ化してしまったコスト帯に大量に機体が投入されようっていうのだ。また面白くなるぞ!目を離すな!
詳しくはこのプレイステイステーションブログを見てもらうとして、内部の画像をよく見てほしい。
『Code Fairy』で特定の条件をクリアすると、『バトオペ2』で使用できる「Code Fairyの登場機体」を入手できる。(本文ママ)
…は?7機増えるの?ウソだろ?
いや、全部が違う種類で7種類じゃない(≒レベル違いのリリース)かも。
落ち着け俺。
それでもすでに3機は別機種じゃねえか…
とおもったら
デラックスエディションバンドルにさらに2機種ついてやんの。
機体リリースの数バグってねぇか?大丈夫?ちゃんと休みとってる?
1年戦争の機体は基本的には開始コストがcost500までの中に押し込まれるようになっている。試験機やガンダムは基本的には400ごろからスタートする。500スタートの一年戦争機はかなり限られており、ペーパープランや限定的なモノばかりである。そこから推察するにこれらの機体もcost500以内に収められることであろう。
ときに、先日クランマッチの報酬として『グフ重装型』(Lv.1 / cost300 汎用)が出てきたわけだが、現在200-400帯付近の機体の追加はかなり難しい状況にある。以前の記事で言及したが、このコスト帯の機体をリリースした際にプレイヤーの機運的に抽選配給では食指が動きにくい層というのが出てきてしまっているからである。
現実的で辛口な話をするとバトオペ2プレイヤーは現時点の最高コスト帯じゃない機体に対しての食指が極めて悪いといえる。
これは先のルール参加権みたいな話と連動している。このコスト帯持ってるから別に急いで獲得しなくてもいいやとなるからである。
(4.1 今後リリースされる機体の方向性 から抜粋)
だがルールとして存続するとなると、起爆剤が必要である。例えば既存の概念を覆すギミックや脆さと引き換えに突出した能力を持つ機体である。
バランス調整でちゃんと脆さをつけなければいけないが「レッドライダー」はある意味革新的だった。あのバフが短く、攻撃力は変動しないという調整でありながらも回転斬りで戦場を荒らしていく姿は、環境に1つ新しい戦術と可能性をもたらしたのである。あれを考えながら、目を離していいかどうかの駆け引き、先にやっつけるかどうかなどなど、存在を無視できないというのは数字に直結しない戦術を認めてくれるなら、私としてはとても大事な要素と言い切りたい。
今回はこの停滞してしまったコスト帯に多数機体がまとめて入ってくるというのがポイントとなる。抽選配給の食指が動かないなら、別の手段で手に入れられるようにすればよいじゃない!手に入れた機体は乗って遊びたくなるというものである。したがって環境も変化があるといえる。
というかこのビジュアルから見える武装が既存の武装の性能と同じであるならいろいろ凶悪なものもあるわけなので、注目度はかなり高いだろう。
いつもの総括
コードフェアリーは面白い購買システムなため、いくつかの要素が柔軟な選択肢を持っているといえる。
1つはバトオペ2のコストシステムの話。
今回話したように一年戦争付近のコスト帯を 『遊んでない』 人にとっては、別に検討しなくたっていいわけである。これはマストになるかどうかで言えばNOであるといえる。これはバトオペ2の柔軟なルールシステムによるものが大きい。また大会等などが開催されていない中でこのコスト帯だから「絶対入手しなきゃ」なんてこともない。自分が買うか買わないかを決めるのである。買わされているなんてのは言い訳だし、それを批判にするのはダサすぎでしょ。
ただ、新しい機体が今停滞しているコストにどばーっと入ってくるという事は見過ごせない。該当するコスト帯で遊んでいる人からすると、ちょっとした刺激にもなる。変化を楽しめるか、苦しむかは当人次第だが。
1つはコードフェアリーのゲームストーリーと設定の話。
美少女ゲーになったことにあんなにキレ散らかすガンダムオタクを見たのは面白かったが、実際問題として『ガンダム≒男のもの』というのを払拭したがっているようにも見える。バトオペ2に関しては男女ともに配信者がおり、日々SNSではその宣伝がある。ガンダム全般を俯瞰してみても「閃光のハサウェイ」を見に行ったことで興味を持ったライトな層はあくまでもゲーマーではないことや、対戦を好まない層ともいえる。熱が高まる中、完全に独立した一人用のゲームにした英断を誉めたい。買い切り6000円1本にしなかったのも、「やっぱ合わないかも」とライト層が考えるための1つ指標にもなる。いきなり思い切って6000円のゲーム買うくらいなら一度見た「閃光のハサウェイ」のBDとか買ってる可能性だってある。一度見た安心感に勝つには価格を落とすしかないが、分割売りすることで少しでも選択肢に残そうというのは頑張ってるなーと思う。
渋いおじさんのゲームにならなかったのはそういう時勢じゃなかったという話なのでは、と思う。ガンダムファンなら次を期待して買う。普通のオタクと何ら変わらん。コンテンツにきちんと金を落とすのだ。
"チャンスは最大限に生かす、それが私の主義だ。"
シャア・アズナブル
終わりに
絵柄が一年戦争の世界観に合ってないって発言がさ、めっちゃあったけど。
ギャルゲー+ガンダムと言ったらこれでしょ。親密度上げるやつだったからな。このページはサイドストーリーズ版で原典はえーっと2002年っと…
対して絵柄変わらんな。
令和の絵柄に合わせたらコードフェアリーになっただけじゃんか。
おっさんがみてぇとかとか言ってても、結局はノエル・アンダーソンが好きだし、ケルゲレン子とかも結局みんな好きだし、その辺棚に上げちゃってるんだろうなぁと。年を取るって怖え。自分に寄り添った作品を作れって叫び出しちゃうのかと思うと、俺もああならんようにしなきゃな。
あ、ゲームシステムについてはFPS形式のリアル思考――私は年齢には合わないんですが、奇跡的に家にあったブルー3部作をセガサターンのツイン棒でやった人間なので、ああいう作品が出てくれると嬉しいなーって思ってます。ただ乗ってるMSは自分では見えなくなるので、そう言う意味でもキャラゲーとしてはガンダムでは望めないな、とは思ってますけどね…。
いつまでも待ってます。
コード・フェアリーはデラックスエディションを買って応援します。
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