実際出版してみて感じた「電子書籍出版」の現状


おひさしぶりです

「これからは3作目の作品を執筆しながら、
こちらに電子書籍を出してみての経験談や、役に立つと思った情報、
自分が描いた短編小説などを投稿していこうと思います」

などとと景気良く書いてからはや2ヶ月無更新ということで
自分の三日坊主さに今さら衝撃を受けています

前回は自分が電子書籍を出すことになった経緯を書きましたので、今回は、実際に電子書籍を出すまでと出してからの様子をご紹介しようと思います

まず多くの方に聞かれるご質問が
「いくらかかった?」というものです

これに関しては僕の場合は明確で、1円もかかっておりません

使用したのは「Sigil」というフリーソフトで、このツールさえあれば、電子書籍を出版する際に必要な「EPUB(イーパブ)」形式のファイルが自分で作れます(参考サイト:Sigilの使い方)

ただ「『Sigil』とか『EPUB形式』とかどこで知ったの?」
と言われますと、
これは前述のうちのNPOの代表が貸してくれた本から知りましたので
この書籍代は本来であれば必要経費になるのかもと思います

ステマ的なアレだと思われると嫌なので先日の記事には書きませんでしたが、僕が出版の際に参考にした書籍は
『Kindleセルフパブリッシング入門 電子書籍でベストセラー作家になろう』
というものです

はじめ表紙をみた時には「怪しげな本だな」としか思わなかったのですが
内容は非常にしっかりしていて、個人サイトを見ていた際には「できない」と書かれていた「Sigilでの縦書きの方法」などについても丁寧に解説されていました

今回自分が出版に利用したのはこの一冊と「Sigil」だけだったのですが、
Sigilで作成できるファイルが「EPUB2」という形式で、これから主流になると言われている最新の形式『EPUB3』には対応していないということがあるので、これからは「でんでんエディター」などが活躍するのではと言われているそうです

実際「でんでんエディター」を使ってみたところ、Sigilより圧倒的に親切だと感じました
というのも、Sigilは文字の形式などを変える際にちょっとしたコーディングが必要なのですが、でんでんエディターはボタンでその操作をしてくれます(!)
ただ僕はSigilから入ったおかげで今でも変に愛着があって、
できるだけSigilで作業したりしています
(Sigilの方がなんとなく硬派な仕上がりになる気がしています)

実際の書籍の作り方は上記の書籍はじめ様々なサイトで紹介されていますので、ここでは省略します

次に聞かれるのが「なんでKindleで出したの?」という質問です

我々の地域には「東北楽天ゴールデンイーグルス」というプロ野球チームもございますし、楽天koboで出してみようかとも思い、実際『幻覚少女』は後々koboでも出版したのですが、

「個人出版でkoboは今のところオススメでない」

という結論が僕の中では出ています

というのも、現在真っ向からkoboで出版しようとすると、
「kobo writing life」という英語サイトを使う必要があります
はじめこの事実を知った時は
「三木谷イズムもここまで来たか…」
と苦々しい気持ちだったのですが、これは単に「楽天koboが個人出版にまだ対応していない」という事のようです

「めんどくさいが楽天応援のためにもやってみよう」ということで大学生活で地に落ちた英語力に鞭を打ってkobo writing lifeでも出版してみましたが、

「Google検索で上位に出てこない」
「koboで個人出版している人がほとんどいない」
ということで売り上げは(お察しください)という状態になっています

20140811追記  koboも日本語での自費出版プラットフォームを今年中には公開するとのことです。その関係で上記の英語版プラットフォームから出版していたkobo版『幻覚少女』は一旦販売を停止しております。

ただ方法がないわけではなくて、「ブクログ」が提供している『パブー』というサイトから電子書籍を作成すれば、作品をKindleとkoboで出版できるので、これが現在koboで個人が出版する最も簡単な方法のようです。    

※『パブー』でEPUBのファイルをアップロードするためには「パブープロ版(月額540円)」に登録する必要があり、僕は登録を躊躇しています

そしてkindleでの出版を決めた一番の理由ですが、これは『KDPセレクト』の存在です

KDPセレクトはkindleのみで作品を出版しているユーザーが利用できるサービスで、メリットは大きく分けて以下の3つです

1.「ロイヤリティ70%」を選択できるようになる

KDPセレクトを利用すると、従来のロイヤリティ35%以外に、250円以上の書籍であれば「70%ロイヤリティ」を選択することができます

このロイヤリティを選択すると、250円で販売すれば、170円がロイヤリティとして入ってくるわけです(税金の話はまたそのうち)
Kindleでの出版物の価格が250円あたりに集まっているのはこれが理由なのですねー

一般的な紙の書籍での著者の印税は、高くて「10%」と言われています
それと比較すると、「70%」という値がどれだけ大きい値かお分かりいただけるかと思います

2.kindleオーナーライブラリで本が貸し出せる

「kindleオーナーライブラリ」とは、Amazonプライム会員でkindle端末を持っている人が登録できるサービスで、簡単に言えば「kindleの図書館」みたいなものです

KDPセレクトに登録することによって、この図書館で自分の本が借りてもらえるようになります
Amazonプライム会員は毎月1冊は無料でKindle本が借りられるということで、登録すると単純に読んでくれる方の数が増えます(借りてくれる人、けっこういました)

タダで借りられたら作者は困るのではという意見もありますが、
「KDPセレクト資金」というものをAmazonさんが積んでくれているおかげで、無料で貸し出した本の分も、その資金から著者へちゃんと報酬が出る仕組みになってます
実際よくできたシステムだよなぁと思います

3.無料キャンペーンができる

僕としては、KDPセレクトに登録するのはこれが一番のメリットだと考えています

KDPセレクトに登録すると、登録期間である3ヶ月の間に、5日間無料キャンペーンが打てます

このキャンペーンは「6月1日~5日」というように一気に使ってもいいですし、「6月1日~3日」「7月1日~2日」というように何度かに分けて利用するのもOKです

僕はめんどくさがりなので毎回5日間一気に使いますが、
「4日目以降は少しダウンロード数が落ちる」といった話もあり(僕もそうでした)3日・2日に分けるという戦略もアリなようです

自ブログにも書きましたが、鍵は「kindleベストセラーランキング」です
このランキングを見てくださっている方は少なからずいるので、
ランキングに載ればしばらくはダウンロードしてくれる方が増えます!

はじめてこのキャンペーンを使うと
「あれ、無料キャンペーンがなかなか始まらないぞ」と思うのですが、
これはkindleの無料キャンペーンの日時が「太平洋標準時」で機能しているのが原因です

Amazonがアメリカの企業なので、キャンペーンもアメリカの標準時間で動くわけですね

ここで太平洋沿岸標準時がご覧いただけますが、
日本とはかなりズレてますので(18時間かな)ご注意ください

これは実際に無料キャンペーンをやってみての感想なのですが、
深夜でもダウンロードしてくれる方が少なくない数いて、
「実はこれって電子書籍じゃないとできないことだよな」とふと思いました
紙の書籍であれば、本屋さんが閉まってしまえば買えなかったわけなので、
これは本好きにとっては大きなメリットだなと感じます

深夜2時くらいにもダウンロードがあるので、「宵っ張りの方多いなぁ」などと思っていたのですが、
もしかするとこの現象は「kindleユーザーに日本以外の方が多い」という意味なのかもなと最近気づいた次第です

ということで、電子書籍で出版してみた雑感をここまで書いてきましたが、現在、拙著『幻覚少女』『脱水少女』はkindleにて100円で販売しています!

電子書籍に興味を持った方は、手始めにこの2作をダウンロードしていただけると嬉しいです…!

電子書籍のダウンロード方法については、「電明書房」さまが大変分かりやすく解説してくださっているので、
ぜひこちらをご参照ください( ・ω・ ́)b

次回記事では

「で、実際どれくらい売れるの」

「無料キャンペーンと有料販売に関する自分の考え」

といったより生々しい話をしていこうと思いますので、どうぞお楽しみに!

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