Message02:強いおねえさんは、好きですか。

PSYRENを好きな理由は多々あるが、雨宮桜子のキャラクターは確実に外せない。
主人公より戦闘経験が豊富で、戦闘力が終盤まで高く、やると決めたら容赦ない。孤独な境遇から他者に秘めていた心を開き、主人公と助け合う。
筆者の求める理想のヒロインの条件をそろえている。

ネット上では「腕一本もーらった」が半ばネタのように広まっているが、彼女の諦めない強さを象徴するシーンと言ってよいだろう。
完全な劣勢を援軍に助けられたヒロインが、大技を繰り出そうとする強敵を身体強化によりその身一つで退けるなど、初読で誰が予想できるだろうか。
どのような状況でも生きるために自分ができる手はすべて打つという不屈の精神性が表れている。

PSYRENではタイトなストーリー展開ゆえに、モノローグなどキャラの内心に迫る描写が少ない。
だからこそ、戦い方から伝わる人となりの情報が濃い。
雨宮は岩代先生いわく「万華鏡のように」描かれた、ある意味でとらえどころのないふり幅の大きなキャラクターだが、戦闘は一貫している。
仲間のために身を呈するだけでなく、敵の油断を誘うために幻覚の中でまで自身を犠牲にする、危ういバランス。
感情を排し、理性を狂気にすら見えるレベルまで突き詰めた結果だ。
そうしなければ生き残れないと骨身に染みついた経験が透けて見える。

雨宮桜子に限らず、PSYRENの女性陣は理性的で芯の通った強さがある。
師匠で作中随一の戦闘力を誇るマツリをはじめ、使命感をもって動いている。
そこに、男性キャラとの差はない。

PSYRENの女性像を評価するのは筆者ばかりではなく、世間でも時に女性キャラが男性キャラに力負けしないバトル作品として挙げられる。
最近サルベージした「Anime Land」227号の作者インタビューでも、数少ない質問のなかで"強い女性キャラクター"について記されており、国を問わず一つの魅力として受け取られているのは間違いない。
岩代先生の強い女性キャラクターに対する意識は、ぜひこちらから雑誌を購読して確認してほしい。(この文章を書いた理由の半分はこれを言うため)


本文は以上だが、1回目で他作品を紹介した流れで、今回も親和性のある作品を紹介してみる。
PSYRENと併せて筆者的「少年ジャンプレーベル※の戦うヒロイン四天王」の登場する作品だ。
PSYRENの時点でさもありなんだが、完全に世代がばれるラインナップとなっている。
同世代の方は馴染みやすいと思うので、覗いてみてはどうだろうか。
※②③は月刊少年ジャンプ作品

①武装錬金
斗貴子さんの戦闘時の苛烈さと決めセリフ「臓物をぶちまけろ!」は有名。
PSYREN雨宮と同様に制服の印象強めだったりジャンプチ実装同期だったり、何かと縁を感じる。
アニメも良い。


②CLAYMORE
クレアや仲間たちのクールビューティーっぷりと、それに反するアツさは必見。
登場人物の9割が戦う女性キャラだが、萌えでなく圧倒的燃え作品。異形萌えは大いにある。
アニメは終盤がアニメオリジナルだったので完結版が観たい。


③ロザリオとバンパイア
萌香モカの心優しい主人格と圧倒的強者の裏人格で二度美味しいが、果たしてその正体は――。「身のほどを知れ!」と美脚から繰り出すハイキックが最高。
アニメと別物なので、まずは原作を読んでほしい、切実に。




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