アーカイブ・ネメシスQ:モチーフ

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最終更新日:2024-01-14 16:30(構成を変更、構成変更に伴い要旨の記載順の内容を変更、大項目「W.I.S.E」追加および同項目下に中項目「W.I.S.E」「天戯弥勒」「十二星将」を収納、中項目「ドラゴンテイル」「阿修羅・解、毘沙門・叢、毘沙門・礫」を追加、「アビス」「W.I.S.E」の仮説の表現を調整)
開設:2021-12-25 21:30

概要
当文書は、サイレン入国管理センター(以下、同センター)所属の研究者による、PSYRENに関するモチーフを扱う先行研究の採集とそれに基づく仮説の記録である。
研究の進行に伴い、アーカイブも更新していく。
なお、検証が難しいことから、先行研究および仮説の記録に留めるものであり、正確性の保証はない。

(記録管理課アーカイブ係)


要旨

これまで、PSYRENのモチーフについて公式見解は提示されていない。先行研究でもまとまったものは少ないが、主として天文学と様々な神話を基にしていると見られている。
なお、記載順は属性・組織→人物→人物のPSI。並列時は作中での登場頻度を優先、その他は五十音順とする。
作中で開示されている情報が少ないため、多少突飛な仮説も多くなるが、他の調査研究の一助となることを期待する。

凡例

英語版表記
作中の英語表記。Psyren Wiki(Psyren Wiki | Fandom)を参照。

先行研究
他者の説。

仮説
筆者の説。
※引用中の太字強調は全て筆者によるもの。


サイレンドリフト

夜科アゲハ

先行研究
歴史改変と蝶の関連性から「バタフライエフェクト」を暗示しているとの見方が根強い。
ただし、散発的であり通説には至っていない。

仮説
「夜」と「アゲハ」は夜行性の蝶を連想させる。
これは一般的な特徴として蛾に近いことから、キャラクター性と関連付け、善性と悪性の曖昧さを表現していると読み取れる。


暴王の月メルゼズ・ドア

英語版表記
Melchsee's door

先行研究
音韻が似通っている点と、周囲の物体を活動限界まで取り込む点から、暴食を司る悪魔のベルゼブブとする説がある。(ツイート元不明、調査中)

仮説
メルゼーという悪魔は、専門的な書籍やネット上の資料から確認できず、PSYRENオリジナルと思われる。
英語表記はスイスのメルヒゼー湖という実在の湖と同じだが、関連性について有力な情報の発見には至っていない。

以下、発音か綴りの近い語の一例
①「メルゼブルクの呪文」の由来となるドイツの地名、Merseburg
②immerse(夢中にさせる, 没頭させる)→I'm Merse
③イギリスの地名、Mersey(マージー)


アビス

英語版表記
Abyss

仮説
英単語のabyss(深淵、断崖、深い穴の意)は、作中のアビスの心的イメージに合致する。
アビスが主人格である雨宮桜子の捨てた半分の心から生まれた人格という点も、比喩として意味に沿っていると言えるだろう。

なお、プログレッシブ英和中辞典(第4版)では、「(古代の宇宙創造説で)天地創造以前のこんとん」「(関係などの)断絶, 溝」とも。
abyssの意味 - 英和辞典 - コトバンク (kotobank.jp)


ドラゴンテイル

仮説

占星術で使われる、黄道(地球から見た太陽の軌道)と白道(地球から見た月の軌道)の交点の一つの別名。
ドラゴン・テイル(どらごんている)とは? 意味や使い方 - コトバンク (kotobank.jp)

なお、もう一つの交点は「ドラゴン・ヘッド」で、インド天文学では日食と月食の原因とされる悪魔「ラーフ」の名で呼ばれる。
ドラゴン・ヘッド(どらごんへっど)とは? 意味や使い方 - コトバンク (kotobank.jp)
ラーフとは? 意味や使い方 - コトバンク (kotobank.jp)

ヒリューとタツオが互いを龍の胴と頭と称していることを踏まえると、天体関連で一組の概念として成立している点で由来と見られる。


ヨヨ

仮説
仏教用語の「縁覚」の抄物書しょうもつがき(略式の書き方)。

しょうもつ‐がき〔セウモツ‐〕【抄物書(き)】
1仏書などで、漢字の字画を省略して書いたもの。「菩薩ぼさつ」を「𦬇」、「醍醐だいご」を「酉酉」、「縁覚(覺)」を「ヨヨ」とする類。

デジタル大辞泉
小学館
https://kotobank.jp/word/%E6%8A%84%E7%89%A9%E6%9B%B8-533477

縁覚は、十二因縁という迷い・苦しみの因果関係を通じて悟りを開いた者。

えん‐がく【縁覚】
〘名〙 (pratyeka-buddha 「各自にさとった者」の訳語) 仏語。仏の教えによらないで、みずから道をさとった聖者。
(略)
縁とは、十二因縁を観じて理法を悟るから、飛花落葉のような世の無常を縁として悟るから、などと説かれる。

精選版 日本国語大辞典
小学館
https://kotobank.jp/word/%E7%B8%81%E8%A6%9A-37968

十二因縁は、無我の根拠とされている。

【縁起】より
(略)
仏教の〈無我anātman〉あるいは〈空śūnya〉の思想を理論的に裏づけるのがこの縁起観である。釈尊は当時のバラモン教の有我説に反対して無我を主張したが,その根拠として〈十二支縁起(十二因縁)〉説を唱えた

世界大百科事典 第2版
株式会社平凡社
https://kotobank.jp/word/%E5%8D%81%E4%BA%8C%E5%9B%A0%E7%B8%81-77284#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89

ヨヨがカブトの無意識(≒無我)の住人であること、ヨヨの存在によってカブトが苦境から逃げず立ち向かうように精神的に成長したこと、弱者のパラダイムが因果を操作する能力である技であることに親和性があると判じて良いだろう。
また、縁覚は「ひとり静寂を好み、他人に教えを説かないもの」(精選版 日本国語大辞典)とも言われ、目の前の因果を相手に返すだけのカブトらしさと捉えることができる。
この姿勢は、世界を変えようとしたアゲハとの対比にも通ずる。


W.I.S.E

W.I.S.E

仮説
ピリオドが入っているため略称と見られるが、作中に正式名称が登場せず特定は困難。
英単語のwiseから来ているのであれば、PSI能力を持つ者を優性とする選民思想を表現していると読み取れる。
なお、太陽系内の小惑星や地球近接体などを観測したNASAの天体探査機「WISE」(正式名称:Wide-field Infrared Survey Explorer)の運用開始は2009年であり、それ以前の開発時点などの日本語の情報は少なくとも現存する限りで見当たらないため、関連性は薄いと見られる。

ただし、Wikipediaによればプロジェクト名がWISEと改名されたのは2002年であり、英語の情報などで知る術がなかったわけではない。


天戯弥勒

仮説
天戯:
熟語として存在が確認できず、独自創作の苗字と見られる。

弥勒:
仏教の弥勒菩薩。
弥勒菩薩は、衆生を終末の世となった末来において救う存在である。
「弥勒を世界を救う力のある男として表現したかった」(Miroku, quant à lui, je voulais le représenter comme un homme possédant un grand pouvoir qui permettrait de sauver le monde,)(「AnimeLand」227号 p104 岩代俊明氏インタビューを引用、日本語訳はGoogle翻訳に基づく)と語られていることからも、イメージに合う。

さらに、「弥勒」はイラン神話やゾロアスター教のミスラに由来し、同一視されていた。

みろく【弥勒】
サンスクリットのマイトレーヤMaitreyaの音訳とされているが,〈弥勒〉という名前そのものはクシャーナ朝(1世紀半ば~3世紀前半)の貨幣にあらわれる太陽神ミイロMiiroに由来すると思われる。クシャーナ朝下で用いられた言語でミイロはイランの太陽神ミスラMithraに由来し,したがってベーダの契約神ミトラMitraと関連する。(以下略)

世界大百科事典 第2版
株式会社平凡社
https://kotobank.jp/word/%E5%BC%A5%E5%8B%92-139970

音韻の由来が太陽神とされる点は、作中で天戯弥勒が太陽と自称する点に生かされているとみてよいだろう。

なお、潜伏時に犬居の弟として名乗っていた名前「三郎」は、弥勒のもじり(ミ・ロク→3・6→サブ・ロー)と推察できる。

生命の樹セフィロト

英語表記
Sephiroth

仮説
ユダヤ教神秘主義、カバラにおける教義で、「創造を形成している一〇の元型的な力という観念」(『ユダヤ神話・呪術・神秘思想事典』柏書房、354p)のこと。
観念の各名称は、天戯弥勒の技名に合致する。
現実世界と神を結びつける存在である点は、生命の樹セフィロトを門とする天戯弥勒の「生命の門セフィラ・ゲート」の描写に生かされている。
また、生命の門セフィラ・ゲートには、観念の各名称のヘブライ語表記があしらわれている。

これら一〇の神の理解不能な属性は、言葉で言い表すことができない神性と限定的で定義できる宇宙のかけ橋となっている(パル32:2)。

ユダヤ神話・呪術・神秘思想事典
柏書房
354p

なお、ユダヤ教の特徴は、選民思想、終末論、メシア待望と、天戯弥勒のキャラクター性に関連づけられる。

ユダヤ‐きょう〔‐ケウ〕【ユダヤ教】
(略)
モーセの律法と神との契約に基づき、選民思想・終末論およびメシアの来臨を信ずることなどが特徴。

デジタル大辞泉
小学館
https://kotobank.jp/word/%E3%83%A6%E3%83%80%E3%83%A4%E6%95%99-145181

参考:カバラ(ユダヤ教の神秘思想)とは - コトバンク (kotobank.jp)


十二星将

先行研究
十二星座(黄道十二宮)を基としているという説。
属するキャラの一部の名前も、その英語表記をモチーフとしているとする。倩 星将の名前の法則について (fc2.com)(以下「倩」)

仮説
衛星、十二星座(黄道十二宮)、タロット。
タロットについては、金貨(グラナ※「グラナ」項を参照)、剣(ジュナスのPSIは刀を象っている)


グラナ

英語版表記
Grana

仮説
①grana(グラナ)。ポルトガル語などで硬貨、スペイン語では種子の意味。
硬貨に形が似ている葉緑体の一部の名称でもある。太陽を受けて光合成によりエネルギーを生成することから、太陽光と関連するキャラクター性に親和性がある。
②Granat(グラナート)。ソ連の人工衛星型の宇宙望遠鏡。原義はザクロ石、ガーネット。


ジュナス

英語版表記
Junas

先行研究
「双子座の人」を表す「ジェミナス」(倩)。

仮説
ローマ神話の物事の始まりを司る神のJanus(ヤヌス)のスペルが近い。
土星の衛星の名にもなっている。

ヤヌス(Janus)
①ローマ神話で、門の守護神。また、物事の始まりの神。頭の前後に反対向きの顔を持つ双面神として表される。ヤーヌス。
②土星の第10衛星。1966年に発見。名はに由来。公転軌道が第11衛星エピメテウスとほぼ同じで、およそ4年に一度、接近して運動エネルギーを交換しつつ軌道が入れ替わる。非球形で平均直径は約180キロ。ヤーヌス。

(筆者注:フォントの都合上、意味の番号を漢数字に四角囲いからアラビア数字に丸囲いに変更。)

デジタル大辞泉
小学館
https://kotobank.jp/word/%E3%83%A4%E3%83%8C%E3%82%B9-143892


阿修羅・解、毘沙門・叢、毘沙門・礫

阿修羅と毘沙門はインド神話から転じた仏教の信仰対象。
いずれも千手観音の眷属である二十八部衆に属する。
(参考:二十八部衆(にじゅうはちぶしゅう)とは? 意味や使い方 - コトバンク (kotobank.jp)


遊坂葵

先行研究
夜科アゲハとイニシャルが同じY.A.であることが、キャラクター性の対比と絡めてしばしば指摘される。

仮説
夜科アゲハとの関連性については、シナノキ科はアオイ目でアオイ科とは近い分類。特定の分類法では近年、シナノキ科がアオイ科に統合された。

キャンディマン

英語表記
Candy Man

仮説
蜂を操る殺人鬼をテーマとする同名の映画が有力。
遊坂がバールを使っていたのも、映画の殺人鬼の凶器がフック状の義手(参考:2021年公開のリメイク版のメインビジュアル)だったオマージュではないか。

毒ガスを噴霧した蠅は頭部の突起が王冠型であることから、蠅の王を意味する悪魔、ベルゼブブと見られる。
その場合、暴王の月のモチーフの一説と共通する。

なお、遊坂が自作した毒性のウイルスであるゴルゴンは、ギリシャ神話の人を石化する姉妹の名。
ゴルゴンとは - コトバンク (kotobank.jp)


ミスラ

英語表記
Mithra

仮説
ゾロアスター教の神、ミスラ。弥勒菩薩とも関連がある(天戯弥勒の項を参照のこと)。
インド神話で対応するミトラは契約を司っており、「約束の涙」の名称の由来と見られる。

【インド神話】より
(略)
ミトラは契約の神である。ミトラに対応するゾロアスター教のミスラMithraは軍神,雨神,光明神などの様相をとる。

世界大百科事典第2版
株式会社平凡社
https://kotobank.jp/word/%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%83%A9-1422357

また、ミスラは小惑星の名称にもなっている。
ミスラ (小惑星) - Wikipedia


グリゴリ

グリゴリ

英語表記
Grigori

仮説
旧約聖書偽典「エノク書」に登場する堕天使の一群を指す。
別の呼び名として「見守る者」「神の子ら」があるが、関連性は薄いと見られる。
作中に堕天使の名前は登場しない。


ネメシスQ

英語表記
Nemesis Q

仮説
ネメシス:
原義は「分配する者」、転じてギリシャ神話で驕った人類に神罰を下す女神の名。
(参考:ネメシスとは - コトバンク (kotobank.jp)

天文学では太陽の兄弟星(伴星)とされる仮説の恒星の名である(『太陽大図鑑』緑書房、40p)。
周期的な生物絶滅の原因となる地球への小惑星の落下(厳密には接近)の原因とされている。
なお、近年の研究では存在が否定されている。

よって、以下を踏まえたダブルミーニングでないか。
①ネメシスQの創造主であるグリゴリ07号が、人々の欲望に巻き込まれ実験体となったのち荒廃したサイレン世界に人々を送り込む神罰のような行いをしていること。
②弟である天戯弥勒の象徴が太陽であること。

Q:
電話との関連から、電話を介した情報サービス「ダイヤルQ2」が連想できるが、論拠に乏しい。


NASL(■■法人航空宇宙科学研究所/National Aero Space Science Laboratory)

先行研究
NAL(航空宇宙技術研究所)を基としていると見られる。(どるきちゃんねる、「NASL(PSYREN)を紹介する動画【ジャンプ漫画】」、YouTube)


サブタイトル、作中描写

大喰らいのワーム

※16話サブタイトル(本編に登場する、甲殻を持ったサンドワーム様の敵を指すと見られる)
先行研究
カードゲーム『MTG』のカード名(iwao、ジャンププラス内16話コメント)。
基本的なカードで、初心者にとって脅威度が低いと言われる(参考①)。
なお、森の中に住み木を砕く習性や東洋龍に近い外観(参考②)などを備えており、設定としては大型の初期(低レア?)クリーチャーという点以外、類似点はない。

(参考)
大喰らいのワーム/Craw Wurm - MTG Wiki
大喰らいのワーム|カードギャラリー|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト (mtg-jp.com)


黒い羊

※135話描写(後述)
仮説
フランス語や英語の慣用句で「異質ゆえの仲間外れ」のニュアンスを持つ。

mouton noir
(黒い羊 →)(家族,集団の中の)変わり者,のけ者.

mouton(フランス語)の日本語訳、読み方は - コトバンク 仏和辞典 (kotobank.jp)
小学館
https://kotobank.jp/frjaword/mouton

聖書の故事に、白い羊の群れから黒い羊が排除される話があるとされ、おそらくこの慣用句の語源となったと見られる。
なお、この故事から、集団心理学では「黒い羊効果」という用語もある(参考)。

(参考)
大石千歳、吉田富二雄「黒い羊効果(black sheep effect) : 社会的アイデンティティへの脅威となる内集団成員への差別現象」つくばリポジトリ(nii.ac.jp)
※上記リンク先は大学リポジトリの概要ページ。本文はリンク先の「ダウンロード」から。

作中では、弥勒が黒い羊を夢の中での自身の姿として回想した。
語源のとおり、白い羊の群れの中で唯一黒い毛を持っていたことで周囲から避けられたことが描写されている。


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