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賢さが最強というパラダイムシフト。キャンサー杯事前環境と考察【#ウマ娘】


ご無沙汰してます。
今回気づいたことがあるのですが、キャンサー杯まで時間がなく急ぎなので殴り書きになります。ご了承ください。

注意:このnoteは解析データを元に各種考察を行っています。

前哨戦の環境の変化

キャンサー杯準備も佳境を迎え、ルームマッチでの調整に勤しんでいるトレーナーはもう(あるいは一部のトレーナーは遥か昔から)お気づきのことかと思いますが、ここ数日で対戦相手に評価Sランクの出現が多くなっているような気がします(特にエルコンドルパサーに)。

その内容を見てみると【スピード賢さ1200、パワーゴミ】という、これまでの常識「スピードパワー最強論」からすると異様に映るステータスです。
賢さ練習で体力が回復して練習回数が増えるため評価が高くなっているようです。

で、何が問題かと言うと。
そのエルコンドルパサー、クッソ強いんです。

キャンサー杯が告知された当初は、エルコンドルパサーの固有スキル(発動条件が2位以上)は先行では発動できず、エルは逃げには向かないので継承用だと言われていました。
※エルコンドルパサー固有のプランチャガナドールは、速度スキルのアイコンですが加速効果もついています。

①セイウンスカイ(あるいはその固有スキル:アングリングスキーミング継承)最強論がまず出て、地固めや先頭キープスキルをもつ逃げが必須とされ、

②先頭キープ+アングリ逃げを作れない人はそれのメタ(対策)で、1位を取ることだけに特化したパワー賢さ上げの逃げの準備が必須となり、

③3人のトレーナーが何らかの逃げを用意すればラストスパート開始時点で先行は4位なので、ラストスパート開始後に2位を狙うといしても加速効果は霞むしゴールに近づくほどスタミナ条件(HP35%以上)も厳しくなる。

という思考回路だったように思います。
今までのチャンピオンズミーティングならそれが定説のまま突入したでしょう。

しかし今回から事前にルームマッチで色々検証することができます。

エルコンドルパサーはいかにして人権を得たか

ルームマッチでまずわかったのは、別にセイウンスカイの勝率そこまで高くないなということです。
決して弱くもないのですが、「こちらが事故らなければなんとかなるな」という感じ。

アングリ逃げ潰しは今でもたまに遭遇しますが、そもそも潰されずブッちぎられたところで、差しの『豪脚+乗り換え準備』、追込の『豪脚+迫る影』というスキルが完璧に発動し、かつ垂れウマブロック事故が無ければ、差しや追込で先頭を捉えることができました。

※逃げがつらいのは1位キープのためにリソースを吐くので、終盤の速度が低いのにそこの速度アップスキルをほとんど積めないところ。全身全霊は逃げが発動しても普通に強いスキルだがポイントが足りない。

差しや追込は、1位をキープできなかった逃げや、特に目立った良さのない先行(プランチャガナドール未所持または不発)が垂れウマ爆弾として降り注いでくるので、本当にかなりの頻度で事故ります。

トップを取れるような高いポテンシャルがあるのに事故りやすいとき、どうすればいいか。
そうですね。『頭数を増やす』、これです。

こうなるとアングリ潰しの逃げに1枠を割いている余裕はありません。潰さなくても勝てるとなれば尚更です。

また、自陣営の『1位キープがうまくいってアングリも発動した逃げ』を自陣営の差しや追込がかわしていくのを見てしまったりすると、いっそ3人全員差し追込にしたくなるトレーナーもいるでしょう(私です)。

そうして逃げが希薄になった環境にエルがぶっ刺さったと見ることもできます。

しかし、現実には逃げが2〜3人いる試合でも平然とエルコンドルパサーは固有を発動し1位をかっさらっていきます。
なぜそんなことが起こるのか。おそらく、安田記念が非常に特殊なコースだからです。

最終コーナーの最速はそう! エルコンドルパサー!!

逃げウマ娘の速度スキルは、基本的に1位をキープするものが多いです。1位を奪取するのではなく、キープするスキルです。

逆に言えば『1位ではないとき、それほど速くはない』とも言えます。

その点、先行のキャラは基礎速度そのものが逃げより高いので(以前書いた脚質解説を参照)、速度スキルをまとめて発動することができればかなり速くなれます。

中盤から終盤にかけてゴリゴリ前へ出ていくのは、順位が上がりすぎるとスキルが発動しなくなる差しや追込にはできない先行特有の芸当です。

中盤で先行が1位になるのは難しいですが、逃げが何人いたとしても『一時的に2位になる』ことはさほど大変ではありません。
そしてその『一時的』をラストスパートの直前に持ってこれれば、エルコンドルパサーは固有スキル(条件2位以上)を発動できます。

数奇なことにここ東京レース場1600mでは、コーナーがひとつしかありません(第3・第4コーナーに分けられるが、繋がっている)。

つまりコーナーで発動する速度スキルを鬼盛りすれば、終盤に入る手前で2位以下の逃げなど問題にならない瞬間速度を出すことができます。

それは驚くほど簡単で、みんな大好きキタサンブラックから貰える「弧線のプロフェッサー」を軸として、先行コーナー○(マイルコーナーでも)、抜け出し準備、それらの発動から尻尾上がりを引き出すことぐらいは初心者でもできます(キタサンはフレンド枠)。

中級者以上は更にヤエノムテキから「アガッてきた!」を重ねたり、最終コーナー速度系の固有スキル継承をつけたりできます。


このレースのエルコンドルパサーで最も重要なのは「ラストスパート開始時点で2位以上にいること」、そしてそのために「スキルの発動率を高めること」なので賢さSSのエルコンドルパサーが猛威を振るっているわけです。

賢さのぶんパワーは低いですが、難条件のプランチャガナドールは発動さえしてしまえばパワーの低さを補って余りある加速力を生み出します。

なぜプランチャガナドールだけで勝ち確になるのか(読み飛ばし可)

計算の項なので飛ばしてもOK

プランチャガナドールの効果は基本5秒(1600mでは基本×1.6=8秒)であり、加速効果は0.3m/s^2です。
これは差し追込の使うライバルスキル「豪脚」の基本4秒、加速度0.4m/s^2に勝るとも劣りません。

パワーが800のときステータスによる素の加速度は0.33m/s^2であり、スピード1200のとき中盤と終盤の速度差は4.09m/sなので、加速にかかる時間は12秒ほどとなります。

※パワー1200のとき加速度0.47m/s^2で、加速時間は8.7秒ほどまで短縮されます。

プランチャガナドールを含めると加速度は0.63m/s^2まで上昇、加速時間は6.5秒まで短くなります。
実際にはパワーに換算しないので意味のない数字ですが、参考までにステータスだけで同じ加速度を出そうとするとパワー2100必要になります。

プランチャガナドールの強い点は、十分に加速を完了させられるほどの持続時間の長さと、余ったスキル時間は速度スキルとして有効になるので一切無駄が生じないところです。


この戦略がハマったときのエルコンドルパサーは、
①アングリ逃げや豪脚差しに劣らない加速を持ちながら、

②本来逃げのキャラが走っているべき位置で終盤に入り(後続に大きなリードを得ている)、

③逃げより高い終盤の速度補正があるため先頭の逃げを追い抜き、後続には追いつかれない。

という無敵のレースぶりを発揮します。
うちのエルコンドルパサーはまだ賢さを上げきれていませんが、叩き台ですらルームマッチでかなりの好成績を残しています。

もっとも賢さは1200に近づくほど効果が得られにくくなっていくので、画像のようにある程度の賢さがあれば後はパワーに振ったほうが強い説はあります。

パワー600賢さ1200と、パワー900賢さ900のどちらの方が勝率良いのかは要検証です。

※賢さ900でスキル発動率90%、賢さ1200で92.5%なのでここはほぼ変わりませんが、賢さが高いと中盤速度が上がるのでスキルとは別で2位を取りやすくなります。


そして賢さ重視育成は他の脚質へも波及する

上記を読んで頂けたら、今回いかに賢さ重視……というかスキル重視エルコンドルパサーが強いかわかったと思います。

差しや追込がこれに勝つには、豪脚だけの発動ではダメです。そもそも発動タイミングがランダムなのが難しいスキルですが、タイミングよく豪脚が発動してようやくトントン。

しかもレース距離が短いので垂れウマ爆弾に当たったらリカバリーが効かず負け確定という縛りつき。


ここで新しく出てくるメタは、じゃあ差し追込も賢さ(スキル)を重視しようというものです。

パワーステータスを300や400上げたところで加速スキルひとつぶんの恩恵も無い。それなら加速スキルを追加で積み込み、スキル発動率を高めたほうが明らかに効率的です。
ついでにコース取りが上手くなるためブロックもされにくくなると思います。

差しであれば乗り換え上手+豪脚、追込であれば迫る影+豪脚という組み合わせ。
それに継承固有スキルでルドルフ固有やテイオー固有、オグリ固有など効果の大きな終盤速度スキルを全乗せすればエルコンドルパサーに届くと思います(たぶん)。

賢さを重視せずに、例えば賢さ450だと発動率は80%なので、2つの加速スキルが両方当たる確率は64%とかなり低くなります。
スキルを積み込むなら、せめて賢さ900の発動率90%までは上げたいですね。

ちらほら賢さSSの差し追込を見かけるようにもなってきたので、彼らの勝率が良ければ今後のトップメタになる予感がします。


結局いろいろ作って試していくしかない

私はというと現状のナリタタイシンにも結構満足しています。

追込スピード1200マイルSなのでトップスピードは誰にも負けない。問題は加速です。

運よく加速スキルが全部発動すれば、エルコンドルパサーから1位を奪っていくこともしばしば。

特に最終コーナーで固有スキルが出ると、ゴルシのように追込なのに5〜6番手まで順位を上げて豪脚が出るぎりぎりの順位で終盤に突入できます。

が、いかんせん発動率が低い。本当に裏か表かの運ゲーです。


そういう尖った性能でもいいのですが、エルコンドルパサーが安定したエースとして十分な勝率を稼いでくれそうなので、賢さを上げた差し追込も作って試してみようと思います。

逃げは今回は採用しません。セイウンスカイそのものを所持していたらワンチャンありましたが、結局当たらなかったので…。

手持ちには運よく1凸SSRユキノビジンがいるので、練習性能面では物足りないですがノンストップガールもつけてみようと思います。

本戦で1凸ユキノ編成ノンストップタイシンを見かけた際はよろしくお願いします。

それではまた。

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