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avengers in sci-fiを聴いている(前)

avengers in sci-fi 20th. Anniversary LIVE 20 H.I.T.を見る前と、見た後と、ヘッドホンを装着する度にavengers in sci-fiの曲を聴いていた、ら、いつの間にか再生時間が1000分に届きそうになっていた。

通勤の往復が120分として、月曜から金曜まで聴いたとしても600分なのだから、相当に多い。そしてその残りの6時間分は一体どこから……?という謎も残る。
チケットを取ってからというもの、無意識に聴くペースが上がっていたりもしたんだろうか。


日曜が明けて月火水、思い出しては目が潤んでしまい、平常時の感情の制御に支障を来たしている気がしてきたので、追ってチケットを手に入れた。LITEとの対バン、at 下北沢ERA。
20曲から漏れた曲もやるのか?やるとしたら何がありうるのか?そんで20曲のなかからさらに絞ったとしてどの曲をやるのか……?
あれこれ考えるのも楽しい。また1週間で1000分くらい聴いてしまうのかもしれない。

何曲か感想を残しておく。本当に良いライブだったので……!!!

Riders In The Rain

noteを遡ると2017年の8月に聴いていたらしい。5年前の夏。
最寄りのホームで電車を待っているとき、この曲が流れ始めて、なにこの曲、となったことを鮮明に覚えている。

スマホを持ったらサブスクの時代が到来していて、聴いてないアルバムを聴いて、それでようやく23年の3月にBIGMAMAもアベンズもワンマンに辿り着いているの、本当に続けてくれていてありがとうしかない。

Riders〜はアルバムでいうとCitizen Songのつぎ、Tokyo Techtonixの前、とかいう最高の位置にある曲なわけですが、今回のライブでもOPのナユタナイズドの次に投下されて、感情の持っていかれ方がそれはもう凄まじかった。
こんなに楽しくてメランコリックで、いつ聴いたって泣いてしまうというのに。
ヨナ抜き音階に 絵空に と言葉を載せるの、趣深く、かつ適度なスペイシーさで、バランス感覚が最高。あとクラップがめちゃくちゃ揃っていて楽しかった!

Superstar

なんの話?と歌詞をたのしく聴き流していたら、ふと現実的な本音が見え隠れしてドキッとする、アベンズらしいエモさが溢れる曲。
なんでツインボーカルってあんな強制的にエモくなってしまうんだろう。Cメロの語尾を復唱するパートもV6みたいで楽しい。

同じ日々に昔いた君の元へ
/
なあハッピーの遺影に昔聴いた歌を歌え
Superstar / avengers in sci-fi

↑Aメロ(?)の終わり、
同じメロディに充てる歌詞がこの2種類なの痺れる

Universe Universeの次とかいうどうしたって最高になっちゃってるときにこの曲が始まって、めちゃくちゃ自信あるんじゃんSuperstarに!!!と謎の嬉しさが湧き上がった。
このぐらい序盤から飛ばしていったとしても全然ここが明確なピークになってしまうわけじゃなくて、最後まで楽しさの勢いが持続していたのも凄かった。これでまだ4曲目だったなんて、本当にとんでもなかったな……。

I was born to dance with you

まさにアベンズの命題、とも言えるような、2017年リリースの1曲。
サイエンスさもスペイシーさも大仰な言い回しも取り払われて、ストレートな歌詞が直に入ってくる。バンドのライフサイクルの、この時期からこそ生み出されるような、かっこいい渋さがある。

死を見通したうえでそこに音楽があり、そして存在について宣言する、その澱みない精神が一層光っていて美しい。
Tokyo Techtonixから次のNo Pain〜まで切なめな曲が続く、セトリの並びも良かった。
ほんとにさ、はしゃいでる曲も楽しいけど滲み出る死生観というか、そういう眼差しがたまらなくて。だからアベンズを聴き続けるばかりなんですよね、と思う。

No Pain, No Youth

10年代半ばの、10代半ばのおしまいの時期のことを完全に思い出す曲。みんなの頭にも五味画伯のアイコンがふわふわと浮かんでいたことでしょう。この質感のEDMも2016年すぎて泣けてくる……。

明るいと見せかけてやりきれない情景を描くことの多い曲調で、案の定別れについて歌っているという。謎の夏の終わり感が良い。近い時期にトロピカルハウスとかも流行って、意外と寂しい曲が多いんだな、と思った記憶がある。
曲調と歌詞とその意味、時代がバチッとハマっていてかなり好きな一曲。何位だったかは分からないけど、この曲が20位以内に入る=これが刺さるリスナーが多いという事実にもグッとくる。

Two Lone Swallows〜Dune

春休み近く、学校近くの図書館への坂道とかを思い出す。
12年リリースのDisc 4 Seasonsはアベンズに出会った時期に出た最も好きなアルバムで、10年経ったいま、Two Lone Swallowsが一番好きな曲として自分の中で落ち着いている。
投票に参加できたならば一番最初にリストに入れたであろう曲。

壮絶で手数も多くて音色がだいぶハードコアで、一方歌詞は意味から何からふわふわしていて、そのギャップが良かったりもする。
これが自分の好みのど真ん中であるということは分かるけど、それがどこからどう来ているのか、何を意味しているのかはずっと分からないまま、ただただ聴いている。あとドラムが超キまってて好き。

続くDuneはアベンズの歌詞の中で一番好きなフレーズがある曲。

グランジの膝とフランネルシャツの君へ
しがみついて歪んだままで生きた
Dune / avengers in sci-fi

歪(ひず)む、という言葉は、エフェクターの要塞を持つ彼らを形容するのに使いたくなる言葉の1つで。歪まない選択をするとか、歪むのをやめるとかじゃなく、歪んだままで生きるのを選んで続けてきた、というその宿命的ななにかへの決意が力強く響く。
MVでもこのフレーズのシーンが一番好き。

↑青木監督のMV、凝った世界観でたいそう良い。
こういう曲のこういうMVがあった時代のこと、ずっと大切にしていたい

タロウさんのライブ当日の1位はこの曲で、本人も名曲だって思ってるんだなあ、分かりすぎる……ありがとう……と深く共感した。

Homosapiens Experience

アンコール2曲目、実質ラスト。
発声ありになったライブで、アクセスオールエリア、アクセスオールユニバース、と返せるのが本当に嬉しかった。
アベンズのアベンズらしさを続けていてほしいっていう願いとか祈りとか、お互いに届いていたらいいな、と心から思えて、ああいう一瞬のためにライブに行ってるのかもしれなかった。

↑Save Our Rock、と叫ぶ曲のタイトルは
SAVE OUR ROCKではなく
ホモサピであるという罠、
あるあるすぎて会場がめちゃウケててよかった


(前)はここまで。あっという間にライブから1週間経ってしまった。
ERAに行くこと自体、なんだかんだ初めてでそれも楽しみ。また暫く見られないかもしれないから、目に焼き付けて、感覚に刻んでおきたい。

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