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ストレイテナーを聴いている

昨年の秋にリリースされた「叫ぶ星」は、20年やってるバンドが出す曲の中でも最高密度と言えるほどのきらめきに満ちていた。

バンドのコアとなっているメロディーセンスや展開・進行欲求が曲のテーマ通り大爆発していて、泣くとか超えて放心状態って感じ。尊さが一聴分の涙じゃ収まらない。

今のストレイテナーがこんなにキラキラしたエモ(原義)い曲を届けてくれていたということを、有楽町へ向かう電車の中で知った。

節回しのクセも全開で、テンポの速いAメロの言葉(特にラ行)の丸め方、からの丁寧に歌うBメロ、サビ。Cメロの伸びやかさももちろん大好き。
25歳の頃から見ていたバンドが15年経ってこんなに綺麗に美しくカッコいい歌い方をするようになっていたらめちゃくちゃドキっとするだろうな。

ーーというわけで、今週は、それからずっと、ストレイテナーばかり聴いていた。

言葉のはめ方といえば、この曲もかなり気持ちいい!

冒頭「初めから知ってるよく出来た嘘だろう」からの「出口のない廻廊 諄いリフレインのループ」!無駄の無い、回転率の高い節回しで、華やかなホーンパートに負けない戦闘能力の高さを窺わせる。二番はよりスピードが上がっていて、理解が追い付かないくらい。

このFNTD~シンデレラソングくらいが歌い方の変化の過渡期だったのかな、と聴いていて思うのだけど、それ以前のわざと吐き捨てるようにに歌いがちな時期もザ・ロックバンドのフロントマンって感じで良い。
テナーに限らず、その15年前くらいのシーンの曲はリフやドラムの音像も粗めというかザラザラしている印象があるから、きれいに歌うとかそういう雰囲気じゃなかったんだろうな、というのはなんとなく思う。
遡って聴いていったとき、ROCKSTEADYってこんなに前の、こんな歌い方してた時代の曲なんだ!?と衝撃を受けたのを思い出した。

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Lightning~Man-like Creatures~羊の群れあたりの暗くて落ち着きつつちょっと突き放した感じもある、とにかくメランコリックな曲が特に好きだから、あの時代にライブ行ってみたかったな、と最近よく思う。こうして2010年に行動力のある学生でいたかったと一生言い続けることになるわけですね。

Youtubeが気力を後押ししてくれたおかげでストレイテナーをよく聴くようになったところがあるので、私は本当にテナーのサブチャンの更新を楽しみにしている。次はいつ更新されるんだろう?今年の夏フェスはラッシュボールしか出ないのかな。OJの髪切る回もオリメン≒長崎組のふたりが吉祥寺をうろつく回も楽屋を映した回も、本当にありがたく見ている。

リニアモーターシティ(←アルバム名はリニアなのになんかずっとDVDのタイトルの方で覚えていたっぽい)とネクサスだけ名前をなんとなく知っていて、でもそれ以降はアルバムの名前もあまり聞いてきていなくて、あれは何が原因だったんだろう。やっぱ5個下の世代の9mm時雨あたりばかり聴いていたからですか?バクホン・テナー・バンアパは当時の自分たちよりもうちょい年上の年齢層の人が聴いているようなイメージがうっすらとあった。中古のアルバムでもTSUTAYAでも、手を伸ばしてみれば良かったな。結局初めて聴いたアルバムは2016年リリースのCOLD DISCだった。

そういえばCOLD DISCを聴いたときも、原色や彩雲、シーグラスの爽やかさにえ!?今のストレイテナーってこんなに綺麗な曲を演るバンドなんですか!?って驚いたんだった。

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思いのほかじんわり泣いてから会場を出て、出逢えたねやっとここで、と歌う叫ぶ星を聴きながらの帰路が、色んな意味で本当に感慨深くて。まだ見たいものが、好きなのに聴いていない、出会えていないものが、こんなにもあるのか、と。
書き始めたら取り留めなくなってしまったけれど、それでもどうしても残しておきたかった。

叫ぶ星の収録されたアルバムApplause、最初から最後まで全部良いです。ライブ映像も今度買う、絶対・・・・・・。

行きたいライブがたくさん増えたから、やっぱり町に出て正解だった。町に行くのは最高。そんな暮らしを続けていきたい。

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