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雛見沢症候群

雛見沢症候群とは
『ひぐらしの鳴く頃に』という作品の舞台である雛見沢村に蔓延している風土病のこと。発症すると過度な疑心暗鬼に陥り、周囲の人が自分を狙って攻撃を仕掛けてくる…といったような妄想に囚われる。
雛見沢村の住民は全員がこの風土病に感染しており、雛見沢村から離れるか強いストレスを受けるとそれが引き金となり雛見沢症候群を発症してしまう。

思い込みに囚われ、現実をありのままの状態で認識できなくなることは怖いことだと思う。
私の場合は生まれつきの妄想癖と自己肯定感の低さがまったく改善されないまま思春期を迎え、まさに雛見沢症候群を患ったかのようになってしまった時期がある。友人の何気ない一言でも、状況や文脈を無視して自分を攻撃するための意図を孕んでいるのではないかと深読みしたり。世界中のすべての人は自分を嫌っているが、人々はそのことに気づかせないよう努めているのでこちらも気づいていないフリをしなければならない…という妄想に囚われたり…。最近様子がおかしいけど大丈夫?と、心配の言葉をかけてもらった時でさえ(周りが全員敵であることに気がつくなよ…と釘を刺されているのでは…)と疑ってしまったり。

今思えば病気ではないがかなり病的な状態だったと思う。
事実を事実のまま受け取れなくなり、“ような気がする”という主観の世界で過ごしていた。
幸い、1年ぐらい経ってから他人の発言を根拠もないのに深読みしすぎている自分がいることに気づき、その後数年かけて少しずつ雛見沢症候群もどきを自力で寛解させることに成功しつつある…と思う。主観に囚われすぎなのは生まれつきの性質なので完全に治るということはないと思うけど…

“ような気が”してしまうと、客観的には間違っていることでも本人にとっては真実であるかのように感じてしまう。
思い込みの強さ故に、何でもないようなことに対し強い焦燥感や根拠のない自信が湧いてきて、それらを燃料としてとんでもない行動力を発揮できる時もある(気がする)。
本人は映画の主人公にでもなったような気分で盛り上がっているけど、傍からするといきなり感情的でしゃかりきになっている姿は奇人に見えるだろう。

"ような気がする"を信じて行動できるから芸術家は魅力的な創造ができるのかもしれない。私はアウトサイダーアートに分類される作品を観るのが好きだが、世の中の正しさよりも"ような気がする"が全面的に取り入れられているから不思議な魅力のある作品が多いのかもしれない。竜宮レナのお持ち帰り・コレクションもある意味アウトサイダーアートだと思う笑

雛見沢症候群の発症は投薬によっても抑えられるが、日々仲間を信じることでも症状を暖和させられる。
妄想を捨てて現実社会に適応するか"ような気がする"を信じて破滅の道を歩むか。
ちょっとぐらい雛見沢症候群を患ってる方がドラマティックな毎日をすごせそう2%


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