今年出せたなという答え(或いは、カッコ悪い言い訳)

今年自分の大喜利を振り返ってみると、ウケていないわけではないけれども、どうにもパッとしなかったというか、残るような答えを出せなかったこという気持ちが強く、年末に暗い気持ちになってしまっている今日この頃なわけですが(加えて、これをクリスマスに書いている。何でよ)

Twitterで今年呟いた回答の感想ツイートを集めているときも「ワロタ」と言っている自分の横で「オワタ」と呟いている自分が常に並走していて、今年ずっと落ち込んどるやん自分、と思って軽くショックを受け、いや、まだ数日間ある、数日間あるからと思いつつも、一年頑張ってこの程度で何とかできるとも到底思えず、暗い気持ちで寿司などを食べたりしています。
そもそも、これは今年に始まった話ではなく、多分去年も同じようなことを言ったり書いたりしてたような気もするし、特に今年は他の回答ないし回答者に衝撃を受けることも多く、それを受けて「しっかり回答を作る」ということを1個意識して、それでこれなので、もう根本からダメなのか?とも最近思っている(ここまで全部暗い。クリスマスとは何ぞや)

ときに!(無理やりテンションを上げる)年末ということで、ツボあげなどしたり、自分のウケた回答などをまとめる風潮があり、眺めているのは面白いので、やれやれ~、と思うのですが、マジで本っ当に心底羨ましいというか、前述の通り、自分は書けそうにないので、まあ元々そういうの書いたこともないから良いといえば良いんですが、悲しい気持ちが加速してきて、何か書いておかねば、生かねば、ということで筆をとりました。

一年間、全く何も無かったわけではなくて、出せたなという答え、自分で覚えているレベルの答えが僅かながらあって、でも大抵はウケてなかったり、多分誰も覚えていないと思うくらいのやつなんですが、備忘録として、カッコ悪い言い訳として、残してみようと思います。かなり恥ずかしいことだと思うので、もしかしたら消すかもしれませんが。ひとまず、書いてみます。


お題「後輩に卒業式後に言われたら嫌なセリフ」

「『戦争』って聞いたとき、何人くらい死んだってイメージします?」


あまり自分の回答について自分で触れることもしないし、まして「もっとウケると思った」みたいなこと書くことは普段しないんですけど、これは書かずにいられなくて、大袈裟に言ってウケを取ろうとしたとかじゃなく、マジで全然ウケてなくて、でもこの日間違いなく一番自信があって、ウケるイメージも自分の中にあって、それで反応がほぼ0だったから相当凹みました…。「嫌な気持ちにさせる」ってフリで、学校が舞台だから、その周辺の答えがまずあって、それを抜けてどう深く傷つけるかみたいなところで、戦争って言葉はいささか簡単(簡単に強い)ではあるんですけど、その言葉から来るイメージの幅というか、そこを使って「エグさ」みたいなものを出せたと思ったんですが、これが何も響かなかった。
このあとアバラをひどく痛めて1ヶ月くらい治らなかったんですが、何かきっかけが大喜利にあったとしたら、この瞬間だと思います。


お題「食い逃げに人生をかけた男の名言」

「頭の中に長い一本の廊下があって」


戦争のやつとこれが今年の自分でいうと特に気に入ってるやつで、一番を決めろと言われたらこっちかもしれない。それくらい好きな答えです。
説明すると野暮にしかならないので深くはしませんけど、食い逃げ犯の心象風景ってところから一つ切りだせた感じで、かつ、過不足なく言葉にできたので本当に好きなんですが、これもウケはしなかったですね。
パッとウケるボケでもないし、あとで反省したけど、出し方とかタイミングとか、自分の見せ方にも問題はあったと思うんですけど、一瞬で消えるにしては、ちょっと悔やまれる答えですね。ばらけつさんがちょっと触れてくれて、本当にそれが唯一くらいの救いでした。
「こういうので、ウケたい」と終わったあと、どれだけ思ったことか。


お題「上京失敗して帰ってきた奴に説教して下さい」

「守れた豆腐屋だった」


これもかなり好きで、でもウケなかったやつですね。
鴨川杯のときで、正直、今これを出すのは違うんだろうな、とそのとき思いました。思いましたけど「どうせ普通にウケても何も起こらないなら、いっそ」という気持ちで出しました。結果ウケず、そのまま敗退しました。
引き算って感じの答え方で、生大喜利で出すの結構シビアなやつではあるんですけど、自分がやりたいことの一つとして、引いた先の余韻みたいなものがあって、憧れというか、自分にも出来ないものかという愚直な想いがまだあって、まあでもウケなかったら間違い、というのは正しい言い方ではないんですけど、伝わるかどうかがやっぱ正義ってのが自分の中に強くあって、自分の中で完成して終わりにはしたくないので。やっぱこう「ここ」のラインで闘いたい気持ちはあります。


お題「「『爆発は芸術だ』と思っている芸術家の新作」

「爆発しない爆弾を国会議事堂に仕掛け続けている」


振り返ってて思ったけど、結構今年は自分の答えを(主にウケてないときにだけど)自分で書いてますね。相当悔しかったんでしょうね今年。
これも、出せた、というか、出すぞ、という気持ちで出したので覚えてます。「芸術」とか、センシティブな内容を含むお題は頑張りたいという気持ちがあって、出題されるとモチベーション上がって、大抵それに潰されたりしてダメになる(とほほ)なんですけど、これはその中で掴みとれた感じがありました。「歪んだ芸術感」みたいな、その人の中でだけ完成されてる感じが好きなんですが、まあ、書いてるってことは、ウケてないです。
「爆発→爆弾」ってのも安易といえば安易だし、政治ってのもその先に据えるとしては簡単過ぎたかもしれません。頭の中にはクニミツの政(サイコメトリーEIJIのスピンオフで始まったマンガ。実写版を押尾学がやったことでも有名)の、花火職人が爆弾魔になる話がありました。何の話。


お題「卓球に芸術点が加わったらこうなる」

「大きく外れたスマッシュが紫陽花をかすって、勝利が決まった」


これはちゃんとウケたやつですね、珍しく、出せて、ウケた。
さっき芸術お題は頑張りたいって書きましたけど、これも本当にそうで、なんか、勝手にだけれど「自分が出さないと」って気持ちがあって、その先で出せたので良かったと思ってます。「かすった」とか、細かいディティールまで頭の中で映像を作れて、そのままを出せれた感じがありました。
これもばらけつさんに触れてもらった気がする。今年はばらけつの背中を見た一年でもあったし、来年は越えないといけないと思っている。本当に。


お題「最強の力士『強乃海』の伝説について教えて下さい」

「『完成』という決まり手を残して引退した」


これもウケたやつです。よく分からないけれど、自分対3人、しかもめちゃくちゃ強い人3人という謎の構図の対決になったときで、自分でもびっくりするくらい集中して答えてた記憶ありますね。ぶっ飛んでた。
「完成」「決まり手」と引き出しの近いところから持ってきた感もあって、ちょっとここに書くかどうかも迷ったんですが、ちゃんとウケたやつも入れておこうということで、許して下さい。心が死んでしまうので。
結果、勝負にも勝てて、それで思い出深いということもあるんですけど、なんかこういう「ぶっ飛んでて勝った」みたいなことは、その「ぶっ飛んでて勝った」ことが見てる側には残るらしく、記事の趣旨とは逸れるけど、僕は結局“それ”でしか語られないことが多くて、たまに無性に哀しくなります。
「回答一つ」でその場に刻み付けて帰りたい。それだけの人になりたい。出来ることなら。今から無理なんだろうけれど。


お題「「小学生みたいに『足が速い』が一番モテる世界で起こりそうなこと」

「角で人生が決まる」


めちゃくちゃ難しいお題で、有効打みたいなの全然出せなかったんですけど、唯一、しかも最初に出せた答えで印象深いです。審査3人で、札は上がったんですけど、会場自体には大してハマってなかった記憶があります。
「足の速さ」から「道」それで「角」って焦点を絞って、色々表現を考えて「次の角」と最後まで迷ったのも覚えてますね。でも、最終的には引いて出しました。やっぱり引くことには、こだわっていきたいんですよね。
「人生」ってところに込めれたのも好きです。あとは、これをもっとウケさせてあげる方法を考えないといけない。でもまだ全然見つかっていない。



簡単にですけれど、今年出せた、と覚えている回答はこのあたりになります。冒頭でも書いたけれど、今年は人に衝撃を受けることが本当に多くて、そういう人らのような「残る回答」というのをとにかく1個意識して、例えば回答数を極端に減らすとか、引き算を意識するとか、自分なりに色々やってみたら、ただ単に成績が落ちるという結果になり、元に戻してちょっとウケて、そのちょっとウケたで終わった一年というのが今年の印象で。
「ちょっとウケた」がずっと嫌だから何とかしようとしたのに、まだ戻ってきててワロタ、オワタ、であり、何だかなあ、という気持ちです。
「ちょっとウケた」程度ではやっぱり残らないし、なまじ長くやっているとハードルも上がり、評価も落ち着いてしまうので、そこからグッと上がる為にはそれこそ改革みたいなものが必要になって来るし、前の自分を越えていかないと、そこには何も風は起きないんだろうなというお話ですね。

ただ、今年一年やって思ったのは、ただ手数を減らしてリズムを変えてもダメというか、自分が出しながら考えていくタイプで、ネット大喜利の長考でも、数を出しながら辿り着いていく感じなので、無理なことはせず、自分のペースを守りつつ、自分が行きたい道をいかに見つけられるかどうかなんだろうなとはちょっと思ってます。思うのとやるのとは、違うんだけれど。
あと、1回ダメで立ち止まらないことですね。1回の評価で歩みを止めても、辿り着けるところにも辿り着けないと思うので。強く、在ること。

そして、こんなダサい記事を、書かないようにしたいですね。
何も言わなくても触れられる、そんな圧倒的な大喜利をしたい。
冗談抜きで、100年残る回答をしたい。この星で、僕は。そんだけ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?