第?話 Lose Yourself,Choose your name

―どれくらいの覚悟あれば、努力は実を結ぶの? 
誰もが皆、期待、不安、抱いて進む(私色ギフト/凸レーション)

アイドルマスターシンデレラガールズ大喜利。
星野流人さん主催の、デレマスを題材にした大喜利会。先日で5回の開催を迎え、観覧含め50人規模の人が集まるほどの盛り上がりを見せる会。僕は第1回から参加してますが、回を増すごとに熱量を増してきていて、この会からデレマス界隈の人が生大喜利の会に入ってくることも起こるなど、数ある会の中でも、今やかなり重要度の高いものになっている印象があります。

僕は過去に「アイドルマスター大喜利」「まどマ喜利(まどマギの大喜利会)」「ラブライブ大喜利」「文学大喜利」など、特定のジャンルを題材にした大喜利会を何回か開催していて、アイドルマスター大喜利などは今のデレマス大喜利の元になった会で(違ってたらすいません)以降、一個のジャンルに特化した大喜利会が結構出るようになったような気がします。

こういう会の面白いところは、そのジャンルを好きな人が当然集まるので、それだけで普段の会より熱量が増すのと、いつもは大喜利で無駄になったり枷になったりする、特定のジャンルの深い知識が、全てその場では武器になるというところで。というのも、お題や企画が、そのジャンル、例えばアイマスだったらアイマスから作られるので、好きであれば好きであるほど、そこでウケる鉱脈が広がっていって、知識が全てダイレクトに大喜利に繋がるんですね。その上で、周りが自分が知らないものを出して来たら、お~、ってなったり、逆に自分が周りがいかないところを突けたら、よっしゃ、となったり。周りとのライブ感も生まれやすくて、盛り上がるときは本当に盛り上がる形式だなとは、主催したり参加したりして思います。

前置きが長くなりました。デレマス大喜利。5回参加して、つい先日最新の会もめちゃくちゃ楽しくて、感想もかなり書いたんですが、ここでちょっと今までのデレマス大喜利、特にその中の企画、憑依大喜利を中心に自分の大喜利などをまとめていこうと思い立ったので、お付き合い頂ければという感じです。頂けない場合はお手元のモバマス、デレマス、あるいはシャイマスに戻って頂いて大丈夫です。そちらのほうが多分有意義だと思います。

まず第1回に時間は遡りまして。調べたら2015年の10月でした。
流人さんのレポを参考にこれから書いていきますけど、改めてありがたいですね。レポ。遠い未来、人類が滅んだとしても、流人さんのレポのおかげでデレマス大喜利の記憶は地球に残り続ける。

第1回のときは、デレマスはあんまり知識がなくて、ギリギリまで参加を迷っているくらいでした。アニメは観ましたけど、それもあとから追って観てハマった感じで、モバマスからやってきたって人に比べると、それこそ今でいう蛍原に近い位置にいたんじゃないかって思いますね。確かデレステが始まったくらいのときで、ほとんどキャラの実装もされていないし、キャラクターはアニメに出ているところ以外はほとんど知りませんでした。
ただ、会自体も始まったばかりで、参加人数も10人ちょっと。ネイノーさんがMCだけするために呼ばれるなど、今の規模からすると、かなりゆるい感じでした。会の内容は「通常大喜利」「アイドル作成大喜利」そして、第1回だけやった「ガチャ大喜利」(ウケればその分カードが引けて、そのレア度とかでポイントを競う加点形式的なトーナメント)って感じでした。参加層としても、大喜利の人がほとんど、デレマス側っていうとATPさんくらいで、そのATPさんも他の大喜利会の流れで来てたような感じだったので、ほとんど普通の大喜利会のノリだったように思います。

前述の通り、アニメ周りの知識しかなかったので、そのあたりを頑張って掘ったり、やっぱりしとくべきだと思って事前に調べて仕入れた知識(一夜漬けで仕入れた川島さんコラネタとか使ってた気がするので、本当に深い知識は無かった)でなんとか頑張って、トーナメントでは優勝することができました。デレマスはアニメだけといえ好きだった(考察サイトとか見て観直したり、最近では一番ちゃんと観てた気がする)ので、相当嬉しかった記憶があります。あと、このときは蘭子推しでした。

優勝商品のクリアファイルは今も家のラックにかかっています。1回、大晦日に家で大喜利やって人がめっちゃ来たときに、人がもたれかかった勢いで服の中からきらりが現れ「にょわ~!」と大騒ぎになったのも良い思い出。

そして第2回へと時は移ります。2016年の11月。
みくもや急遽さん、江戸川さんなどの、今のデレマス大喜利常連のデレマスPの方が参戦していて、このあたりは今は普通の大喜利でも繋がりがありますけど、このときは本当に外の人という感じで、あんまり大喜利会に違う界隈から人が来ることは無いので、かなり楽しみな感じで会を迎えたのを覚えてます。
(みくもさんとはそのあと割と絡むことになるんですが、そのちょっと前に違う大喜利の大会でも会って、2日通して0.5秒くらいしか会話しなかったんですが、今普通に「みきゅも~!」っていじったりできる、そこに2年の月日を感じます。年月はみくもと共に流れる)

その頃の僕はというと、第1回に毛が生えたような状態で、推しはきらりへと変わって方向性は決まりかけていたものの、デレステだけでモバマスまでは手を出さず、デレステも課金せずにまったりやっていました。知識も、デレステに実装されていない範囲は名前を知ってる程度か、知らないアイドルもまだ普通にいました。会の中で出た「ヘレン」って単語に「ヘレン???アイドルで、ヘレンってことあります???」って素で驚いていたくらいには国内レベルで、だから普通の大喜利とかも、自分が知ってる、自分がいじれる狭い範囲で闘ってました。会は「通常大喜利」「アイドル作成大喜利」の2つは第1回と同じで、しかし、そこに新たにその日加わったのが「アイドル憑依大喜利」でした。やっとキーワードが出てきましたね。

「アイドル憑依大喜利」とは、流人さんが主宰している悪答(あくとう)という大喜利会で生まれた「シャーマンキング大喜利」が元になっている企画で、要は大喜利する際に特定の人物などに憑依して(なりきって)答えるという縛りのある大喜利の、その特定の人物を、さらにデレマスのアイドルに限定したっていう企画です。これは後に今のデレマス大喜利の、いわばメインコンテンツ的な企画になるんですが、その最初が行われたのがこの第2回でした。デレマス界隈の人が多く参加されていて、それで流人さんが考えたのか、どうかは分かりませんが、本当に今にして思うと結構重要な回だったんですね。あと、このときだけのルールでそれ以降無くなったんですが、ポケモン的要素が加わっていて、勝った相手を自分のお供にして、大喜利に協力して貰うというルールもありました。

第1回目、しかも元のシャーマンキング大喜利もよく分からなかったので、僕がそのとき思ったのは「まあ、普通にアイドルの要素使って大喜利に答えれば大丈夫でしょ」ってことで、実際、第1回も第2回のそれまでも、それで罷り通っていて、でもトーナメントだからより腰を入れないな、よいしょ、ってな気持ちでした。したらば。その数分後。

「ガタガタガタ!」

何の音か。人が机の下に潜った音です。机の下に人が何故潜るか?
それは、相手が森久保だったからです。相手が森久保?
もちろん本物の森久保乃々ではなくて、僕のそのときの対戦相手だった六升さんです。何故、六升さんが机の下に潜ったか?それは森久保だったから。

森久保だったから?

第1回戦の、最初の瞬間でした。先ほど「まあ、普通にアイドルの要素使って大喜利に答えれば大丈夫でしょ」と思っていた僕のその目の前で、六升さんの森久保は森久保よろしく机の下に潜り、大喜利を行いました。「まあ、普通にアイドルの要素使って大喜利に答えれば大丈夫でしょ」と思い、要素が使えそうな三村かな子を選んだ僕の、その目の前で。そして「まあ、普通にアイドルの要素使って大喜利に答えれば大丈夫でしょ」と思っていた僕は、そのまま石になり、石として砕け散りました。

それはいわば「号砲」だったんだろうなと今でも思います。
その瞬間、この大喜利が「こういう闘い」であるということを、僕も、その場にいた他の参加者も、おそらく流人さんも、感じたんじゃないでしょうか。この闘いの先で試されるのは大喜利と、そして、愛であると。
床に散らばった一辺の石の僕が感じたのは、途方もない敗北感でした。  僕は憑依大喜利の、最初の犠牲者になったのでした。


「アイドル憑依大喜利」には大きく分けて2つのやり方があります。
一つは「憑依型」選択したアイドルに本当になりきって、回答以外の部分、口調や言動なども寄せていくやり方。キャラになりきる楽しさもあるし、何より観る側が一番盛り上がるのはこちらです。二つ目は「大喜利型」アイドルの要素を使いつつ、回答者としての自分をはっきり残していくやり方。こちらが多分よく使われるやり方で、憑依型ほど瞬間風速は無いものの、大喜利的なメソッドを残せるので、勝率はこちらが高いです。お題ごとの相性でいっても、憑依型は割と潰される可能性が高い(そのアイドルに合わないと単純に答えが出にくい)大喜利型は、アイドルに憑依型ほど依存しないので、試合的に死ぬ可能性が薄くなるからです。
これに関しては、さらに詳しい分類などをFANさんがまとめていたので、こちらも参照して欲しいですね。

この日で言うなら、ばらけつさんが完全な憑依型で、なつきちを完全に自分の中に入れて大喜利をしていて、あれはめちゃくちゃ衝撃でした。最近あれを見れていなくて寂しくなってるくらい、僕はばらけつのなつきちが大好きで、当時死ぬほど褒めたのを覚えてます。大喜利としても死ぬほど笑ったし、夏樹のことがちょっと好きになったくらいの出来でした。

ただ、その日優勝したのは江戸川さんで、江戸川さんは大和亜季奥山沙織中野有香とキャラクターをカンペキに使い分ける大喜利型のスタイルで場を圧倒したのでした。大喜利型は、スタイル的に色んなお題に対応できる反面、それぞれにちゃんとした知識あって、プラスして基礎的な大喜利力がないとウケ続けるのは難しいので、それで勝ってる人も本当に凄い。

あと、この第2回はぺるともくんのナターリアが誕生した日でもありましたね。後に多くのファンを生んだぺるともナターリア、もとい、ぺるとものブラジル人は最初からナターリア0ブラジル20(ブラジルとしても浅いのがミソ)そしてぺるとも80という割合で突っ走った上に、ナターリアのカードのポーズ取って「『いやー、すいません』だろ!!!」ってツッコまれて爆笑取るという大暴れっぷりで、マジであの日一番笑ったかもしれない。


そして大熱狂で幕を閉じた第2回デレマス大喜利。
トーナメントでほとんどの大喜利勢がデレマス勢に敗れたことも話題になり、他は分からないですが、少なくとも僕は強い敗北感に包まれていて、大喜利はもちろん、デレマスの道も究めなければと強く誓ったのでした。石は石でも、ダイヤモンドに。この日から、思えば全てが始まりました。


時は流れて第3回デレマス大喜利。2016年6月。
本来1年区切りでやっていた会でしたが、この日は禁止生という、デレマス界隈では人気の放送の公開録音があるということで、それに合わせる形で急遽、春に行われる運びとなりました。禁止生をやっている大作さんを中心として、リスナーなど、普段は生大喜利をやっていないPの方が観覧含め40人ほど集まる、結果的に大喜利会としても相当規模のデカい会になり、当日は異様な熱気でした。会場に来たとき「多っ」って素で言いました。大喜利側としても、直泰、たけのくち、家臣くん、たかゴレライ(エネ彦)など、デレマス勢の大入りに引き寄せられるようにして濃いメンバーが加わり、今思い返しても、なかなかの会だったなって思います。デレマスで言うと、ヒモさん、手すり野郎さん、キャベツさん、ひらはらさんあたりとここで初めて会いましたね。改めてデレマス通じての出会いがかなりあって感慨深い。流人さんは架け橋、人類がいつか滅んでも、流人さんの像が大喜利とデレマスがあった場所にそびえ立ち続ける。

僕はといえば、この頃にはキャラクターも把握していて(デレステへの実装がほとんど済んでいたのがデカい)何故か田んぼマンに勧められてプリンセスオブテニスという、デレマスとテニプリを合わせた二次創作を読んだり、順調(?)に知識を得ていました。きらり推しは勢いを増し、山小屋と言い出したのはこの頃です(そう、僕はきらりと“一切”関係が無い山小屋できらりの活躍を祈っている。そこにはテレビもなく、壊れかけた古いラジオだけがある。きらりに知られることなく、僕はこの山小屋で果てる)知識ではまだ他のデレマスの人に敵わないと思い、対抗するなら愛、愛しかない、そう思ってきらりの歌を作ったりしました。

このきらりの歌を胸ポケットに仕舞いながら、当日は大喜利をしました。披露する機会はありませんでしたが、今もきらりの歌は山小屋に眠っています。この歌がきらりに知られることも、永遠にありません。

第3回デレマス大喜利はもうめちゃくちゃ盛り上がりました。こんな人数いればそりゃそうだって話なんですが、加えて「全員がデレマスを好き」という事実が、会場をどんどん上に持っていったような感じでした。企画としては「通常大喜利」「単語交換大喜利」(デレマスに関するワードを紙に書いて隣に渡し、渡された単語を入れて大喜利を行う企画)そして「アイドル憑依大喜利」が行われましたが、通常大喜利からして爆跳ねしていて、一度に10人ほどが並ぶ絵も圧巻でしたし、何より会場がホントに暖かくて、いやまあ、デレマスを好きな人がデレマスの大喜利をやって、デレマスが好きな人がデレマスの大喜利を見たらそりゃ沸くってな話で。あと、最初にコンセプトの会について説明したとき言い忘れましたけど、要は1個1個がとても狭いお題、使える要素が限られてるお題ばかりになるので、初めて大喜利する人でも考えることが少なくて済むし、そこを通れば一気にウケるので、良い環境と言えば環境なんですよね。もちろん全部ホームランってわけにはいかないですけど、ドカンとウケやすい分、成功体験になりやすいのはあると思います。

このときの大喜利で覚えているのは、というか先週の会のときにちょうど話題に出て思い出したんですが、たかゴレライPことエネ彦さんが、デレマスのお題なのに「スキー原田」といったり「沼野」という完全に架空なアイドルを勝手に作って勝手にそいつの答えをするという大喜利でした。

何故かアニメの大喜利によく現れるエネ彦、次はどこに…。


さて、前回、憑依大喜利の最初の犠牲者になった僕が、僕を殺した憑依大喜利にどう向き合ったか。僕が選んだ道は「憑依型」でした。大喜利型で闘えるほど知識に自信も無かったし、一つを思い切りやるほうが考えることが少なくて自分に向いているしと思っての選択でした。

最初の対戦、相手はキャベツさんでした。このまとめを書くために記憶を探ったらキャベツさんでビックリしました。闘っていたんですね。
そんな中、僕がアイドルとして選択したのは日野茜。茜ちゃんでした。

僕がきらりの次に好きなのが茜ちゃんで、とにかく元気なところ、純情で真っ直ぐなところ、乙女なところ、アホなところ、全てが最高に愛おしい。好き。デレステのサマカニのコミュで急激にデレるのを観たときは、スマホの画面に鼻血吹き出すかと思うくらいグラッと来ました。茜ちゃんは最高。

何故、茜ちゃんかっていうと、単純に好きだからやりたいってあったし、シンプルにキャラクター的に強そう(キャラの要素としては難しくないし、威力が高い)あと、自分に合ってそうだと思ったのがデカかったですね。別に熱血キャラではないですけど、うお~!って行く感じはあるなと。
茜ちゃんをやる上で気をつけたことというか、やろうと思ったこととしては。出来るだけ茜ちゃんに近づくために動作から入ろうと思って「茜ちゃんが大喜利を初めてやったらやりそうなこと」ということを考えて動きました。「元気に挙手する」「お題を読んでから答えてしまう」など、今考えても、大喜利の中に何かギミックを入れて答えるなんてしたことのない自分がよくやったなっていうとこなんですけど、茜ちゃんとしてちゃんと大喜利をやるためにはやらないといけないなと思ったし、茜ちゃんとして大喜利できることを考えたら自然と力も沸いてきました。

お題は「アイドルと付き合う際の注意点を教えてください」で、答えまでログが残ってないのでうろ覚えなんですが「好きだったら、良いと思います!!!」とか答えてたと思います。これはかなりウケました。あと、ポジパ繋がりで藍子ちゃんボケもしたと思います。これは安易だったなと思うし、ウケてなかったはず。で、最後に「事務所のことを気にする」とちょっとまともっぽいことを答えて「そういうこと!」ってガヤで言われて、茜ちゃんの大喜利は、真っ直ぐ過ぎて最後に少し当たる、みたいなイメージもあったので、すごく内容としてまとまった手応えがありました。
結果は勝利。「ありがとうございます!!!」って叫んで試合が終わったあと、キャベツさんに「うるさくしてすいません」みたいなことを言った記憶があります。

ただ、次って考えたときに立ち止まりました。
前述の通り「憑依型」はお題によってはすぐに死んでしまうし、追加すると「飽きられる」という要素があって、そりゃ同じことをずっとやるってことになるので、裏切りがどんどんなくなってくるんですよね。賞味期限が生じてくる。やればやるほど、ウケにくくなってくる。実際、前になつきちを貫いていたばらけつさんも後半失速していて、あれでダメなんだから相当きついなって思って、次の試合は茜ちゃんをやめて蘭子にして、あっさり負けました。ばらけつのなつきちに負けました。

蘭子ちゃん。アニメ第1期とかめっちゃ大好きでしたね。急に女の子になる瞬間が最高で、今も好きですけど、気づいたらきらり、茜、ユッコ、と好みがパッション寄りになってて自分でびっくりしました。ムムムン。

負けた理由としては、単純に蘭子を活かしきれなかったですね、自分の厨二要素がもっと使えると思ったんですが、限界ありました。あと、大喜利の外の部分で出来ることがなく、普通にお題にも悩まされ、特に何もできないまま死んでしまいました。前の試合の茜ちゃんが順調だっただけに、かなり後悔しました。続投の選択肢もあったんですが、そのときの自分には茜ちゃんを続ける勇気がありませんでした。

優勝はデレマスP対決でみくもさんを破ったATPさんでした。
2人は終始大喜利とデレマスが両立していて、お題ごとのキャラの切り替え(よく例えられますが、憑依大喜利は格ゲーに近く、ステージと相手でキャラクターを変えられる人は強い)が上手く、納得の決勝、優勝でした。  他にも、たけのくちさんの小梅がキャラクターにガッツリ合っててほとんど本人だったりとか、闘魂チャンスさんの仁奈ちゃんの等身大な感じが心に響いたりとか、家臣くんの海鮮類いうだけのアナスタシアも面白かったし、奈緒を使って場外コントや歌回答をやる劇場っぷりを見せたヒモさんも初見の中だと抜群に印象残りました。てばさんの茜と急遽さんの文香が並んで「ふみあか」になったときのライブ感も良かったですね。全体がはちゃめちゃ盛り上がったのもあって、早々に転んでしまったのがまあ情けなかったです。

白熱の決勝を眺めながら、再び僕は憑依大喜利について考えました。
あの場所に最後まで残り、そして勝つためにはどうすればいいか。

しばらく考えて、そのときなんとなく、なんとなく浮かんだ答えがありました。現実味はあんまりないけど、もしかしたらできるかもしれないという考え。憑依大喜利での、自分の勝ち方。ただの石がダイヤになる方法。


第4回デレマス大喜利。2017年10月。
前回の会はややイレギュラー気味の開催でしたが、こちらは通常開催。最初の回からは2年。禁止生の公録も無かったですが、前回同様、40人規模の会になり、これはデレマスというコンテンツの力が疑いようのないものになったなという感じでした。参加者に触れると、デレマスだとOGAKUZUZさんとかはここからですね。大喜利界隈で言うと、FANさんが参戦したのがアツかったですね、FANさんは絶対強いと思っていたので。レッドブルさんもここからで、いや、ここもかなりグッと来ました。アニメとかにハマってる様子が見てるだけでアツかったし、かなり賭けてくるだろうなってのが伝わってきたので楽しみでした。蛍原枠のかさのばさんも面白かった。既に大喜利会では独自のポジションを築いているかさのばさんが何をしでかすのか、怖さもありつつ。あとは、お題提供でお馴染みになったつきしまさんが参加してたりもしてましたね。

僕はというと、デレマスの知識もかなりついてきて、課金こそしていないもののデレステもかなりやっていました。あとでまた書きますけど、本当に僕のデレマスはデレマス大喜利と共にあったなと思います。デレマス大喜利がなければ、僕はデレマスを好きでい続けていないかもしれません。きらりに愛情も注いでいなかったかもしれないし、山小屋にも籠もってないかもしれない。デレマス大喜利が、僕を山小屋に入れてしまった。

この日は「通常大喜利」復活した「アイドル作成大喜利」そして「憑依大喜利」の三本立てでした。盛り上がりは相変わらず、ホントに空気が毎回毎回暖かくて、観てるだけでも楽しくてヤバかったです。ここまであんまり触れていませんでしたけど、アイドル作成大喜利(架空のアイドルの設定や、そのアイドルが出たアニメの内容を考える企画)も毎回絶対盛り上がる良企画で、言ったら一番大喜利でふざけていい企画なので、前の人が出した答えとかにどんどん被せたり、アイドル全然関係無いボケしたり、楽しいのでまたこれもやってみたいですね。このときは大作さんがイラスト提供をして下さって、特に盛り上がりましたね。

そして、憑依大喜利。僕としては3回目、実質は2回目の挑戦。最初の、あの号砲に体を撃ち抜かれてから1年。敗北感はまだ自分の中にありました。絶対あの場所で勝ってやる、その気持ちは膨らみ続けていました。

第6試合、かなり後半の出番でした。僕の第一声はこうでした。

「大喜利、頑張ります!!!日野、茜です!!!」


僕の考えた方法、それは「物語性」でした 

憑依型として続けていくには限界がある、続ければ続けるほど飽きが出てしまう、最後まで一人を続けるのは難しい。なら、そこに展開を加えたらどうかと思いました。そのアイドルがトーナメントの中で成長を遂げる、その姿を見せることが出来たら、最後まで闘えるんじゃないかと。

難しい点はいくつかありました。 単純に、お題や周りの流れに跳ね返されるのではないかということ。生大喜利という流動的な場で、どれだけ狙ったり台本を組んだりしても、ちょっと風が変わったりすればそれは大体が無に帰してしまうので、そんな自分にとって都合のいい話が描けるのかということ。しかし、憑依大喜利という、自分じゃない誰かで大喜利をする場、いわばフィクションが強い舞台なら、それが可能なのではないかと考えました。そして、デレマスの持つ「シンデレラ」という要素、それが追い風になるのではないかとも。

成長を遂げる、つまり最初は拙い大喜利をするということ。そこで負けてしまうという不安もありました。そこは、いかにキャラクターを押し出し、そこを突破するか。それが鍵になる。そこさえ突破すれば、あとは大喜利を乗っけていけばいい。いや、そんなうまく乗っけていけるか?否、大丈夫、大喜利は一番得意だから。


「大喜利、頑張ります!!!日野、茜です!!!」

かくして、僕の日野茜の、大喜利によるシンデレラストーリーは始まりました。茜ちゃんを選んだ理由は、前回の手応えがあったこと、茜ちゃんがその「物語」に相応しいと思ったこと。茜ちゃんを、好きだということ。

お題「新しいプロデューサーがなんと82歳!どんなことが起こる?」

「優しくします!!!」

まず真っ直ぐな答え。お題を観ての手応えがあったので、その勢いのままに答えました。直接ではないけれど、優しさ的な部分で老人と茜ちゃんは繋がっていると思って、いけるお題って確信がありました。

「えー、お題、あ! これ、だめなんですねこれ、読んだら、おもしろくないですもんね! えー、ちょっと、気まずくなります!!!」

ちゃんと前回の茜ちゃんの設定をコンバートするのも忘れませんでした。今の茜ちゃんが前回から地続きの、同じ人でないと話が始まらないので。

「季節ごとの行事が充実します!!!」

ほんの少し、大喜利的な一歩を加えました。少しボケているくらい。

「82歳のご老人、ですよね?いっしょに、お餅を、食べます!」

そして、ちゃんとボケて、終わりました。茜ちゃんの真っ直ぐさからはブレずに、最後まで走り抜けられた感触がありました。結果は8票で1位通過。2位が3票だったので、かなりの好スタートでした。「ありがとうございます!!!」と頭を下げて終わりました。

2試合目。第一声はこうでした。

「大喜利、好きになってきました!!!日野、茜です!!!」

前回からの進歩の印象付け。ここで観客から反応が返ってきたので、ちゃんと話は描けている感覚はありました。

お題「ドキッ!アイドルだらけの大運動会あるある」

体力系の茜ちゃんに寄ってきたようなお題。流れを感じました。すかさず。

「先輩とかえらい人いっぱいいたのに、わたし、勝ってしまいました!」

悪くない一答でした、けどまだ爆発までは起こせず。けど、飛ばし過ぎても話として速いので、ゆっくり。そして次。

「課金してる人が勝って、わたし、『違う!』って思いました!」

爆風を感じました。これは、今振り返っても「日野茜」「運動会」「デレマス」「大喜利的な拙さ」今通るすべき点を全て通った完璧な答えだなと思っていて、これを出してウケたとき、ちょっと視界がクリアになりました。そして、自分の中の茜ちゃんが大きくなる感覚がありました。

「すごく不思議な話なんですけど、途中からですね、走りたい自分よりも、歌いたい自分が勝ってきて、そのときにですね、わたし、自分がアイドルになれたんだって思ったんです!」

最後もうひと押ししたくて出したんですが、指摘もあった通り、これは茜ちゃんよりちょっと自分が前に出てる答えで、ウケもいまいちでした。失敗。でも、前の一答があったので手応えを持って結果を待ちました。結果4票、同点のたけのくちさん(小梅)と共に勝ち抜け。「ありがとうございます!お茶を、頂きます!」お茶も忘れませんでした。

そして、決勝。僕、いや、茜ちゃんの第一声はこう。

「私にまた大喜利をやらせて下さい!日野、茜です!!!」

最終話が始まりました。決勝に並んだのは小梅のたけのくちさん、の羊狩りさん、紗南の直泰、川島さんのFANさん、森久保のレッドブルさん。それは、ゴリッゴリの大喜利勢の決勝でした。
お題は「『風が吹くと桶屋が儲かる』ということわざがあります。
さて、事務所で道明寺歌鈴が転ぶと何が起こる?」

段階として、あとはもう大喜利を乗っけていく作業。いや、もうここはシンプルに大喜利をして大丈夫という場でした。この場における「日野茜」は「大喜利がうまくなっている日野茜」それは回答一つでもそうだし、勝ち上がってきた結果が証明しているので、真っ直ぐにやるだけでした。

「歌鈴ちゃんが、転びます! 寺が、壊れます! 寺が、戻ります!」

かなりウケました。シンプルに大喜利をするといっても、茜ちゃんのキャラクターは守る必要があるので、ちゃんと茜ちゃんが言いそうなことというラインでの正解を出していきました。

「歌鈴ちゃんが、転びます! わたしも、転びます! わたしが、転びます!?」

さっきの勢いでもう一発。一答目よりは舌ですが、ウケました。大事なのはバカってキーワードだけに終わらず、キャラクターも乗せて答えること。

「歌鈴ちゃんが、転びます! 歌鈴ちゃんが、怒られます! わたしが、慰めます!!」

最後、何か出したくてちょっとカスカスになった感はありましたが、悪くない終わり方だったなと思います。茜ちゃんの大喜利は、守り通しました。茜ちゃんの大喜利は、輝けました。

結果。

「優勝は、日野茜!!!」

「ありがとう、ございます!!!!!!!!」

優勝、でした。憑依大喜利の最初に犠牲者として砕け散ってから1年。デレマス大喜利という闘いに本気で身を投じて1年。最高の勝利でした。あのとき砕け散った石は、ダイヤモンドになれました。例えそれが12時に魔法が解ける仮初のものだとしても。

正直、憑依大喜利における自分の考えた勝ち方が、ここまで達成できるとは思いませんでした。実際、それに向いているフィールドだとしても、やっぱりちょっとの風向きや事故で流れなんて簡単に変わってしまうものなので、最後まで走り抜けられるとは思いませんでした。何より、茜ちゃんの力、それが僕が思っていたより大きかったのだと思います。

よく蛍原枠の人が「よく知らないアイドルだったけど、憑依してから好きになってきた」と口にします。やっぱり、自分を勝利に導いてくれた彼女たちのことは、他人に思えなくなるのだと思います。僕も、この日以降しばらく、茜ちゃんが好きで好きでたまらない時期がありました。


さて、本当ならこれでハッピーエンドだったんですが、話にはまだ続きがあります。僕の「日野茜の大喜利物語」は最高で完璧だと思っていたんですが、その日は他にも最高がたくさん溢れていて、例えばステイさんレッドブルさんの森久保とみくもさんのによる「りんのの劇団」(3人が試合内で、大喜利で被せあって爆盛り上がりした)

蛍原枠で再び現れたぺるともくんのナターリアの大大大爆発

その他も、かさのばさんのアナスタシアときらりが元を無視し過ぎて爆笑取ったり、羊狩りさんが結城晴を普通にマスターして大ウケしたり、色んな事件が置き過ぎた結果、僕の優勝は埋もれてしまったのでした。

茜ちゃんとしての優勝が、デレマス大喜利という特殊な場の中とはいえ、自分の大喜利史上の中でも類を見ない、考えてたことがほとんど全部できた大喜利だったので、これは応えました。勝ったのに、負けたような、試合に勝って勝負に負けたような。苦い気持ちが胸に溜まるのを感じました。

しかし、あれ以上のものを自分にできるのか。
しかし、あれ以上のものをデレマス大喜利でできるのか。

第4回デレマス大喜利終了からその葛藤は長らく続き、第5回の刻が訪れました。何の迷いもなく参加表明したあと、僕は決めました。今自分が次にやるべきことは、一つしかないと。


第5回デレマス大喜利。2018年5月。
再びの春の開催。参加人数は観覧含め50人ほどに増え、いよいよ他の大喜利会とは違うステージに上がったような気配すら感じました。      参加層も大喜利デレマスどちらも分厚く、大喜利勢はデレマス分を強め、デレマス勢は大喜利分を強め、互いに磨き合った先というような状態。加えて、蛍原枠には蛇口捻流、俺のランボルギーニ、大久保八億、パラドクス、という大喜利界隈の中でも相当ヤバい連中が入っていよいよ混沌を極め、デレマス界隈からはつえもとさんという、疎い僕でも知ってるデレマスの漫画の人が参戦したり、普通に「何これ」と参加一覧を見てビビりました。

僕はというと、去年末にデレステが携帯端末と共に死んでしまい、デレマスロスという状態が長く続き、心の中にデレマスを何とか置いて頑張っている状態でした。たまにかさのばさんらと行くアイマスカラオケなどで気持ちを繋ぎ繋ぎ、自分とデレマスの間の線を守って生きていました。

この日は「通常大喜利」と「憑依大喜利」の二本立てで、人数の関係か企画が削られ、通常大喜利のあとすぐ憑依大喜利という流れでした。間の企画で少し休んでいた部分もあったので、いかに気持ちを持っていくかも肝でしたが、通常大喜利がもう死ぬほど盛り上がって、あんまりそんな余裕もありませんでした。ただ笑っていたら時間が過ぎてました。何度も言うけど、デレマス大喜利の空気は以上に温かく、特に頭おかしい蛍原枠が増えた今回、そのあたりのおふざけにもめっちゃ笑いが起きて「優しい世界…」と終始思ってました。

あっという間に憑依大喜利の時間になりました。前回の「日野茜の物語」をやるつもりはありませんでした。何故なら、茜ちゃんは「大喜利が面白い日野茜」になってしまっているから。そこからさらに物語を作ることは難しいから。そう思った僕が紡ごうとしたのは―


「うっきゃ~!きらり、大喜利初めてやるけど、みんなをはぴはぴな気持ちにするために、がんばるにぃ!」


諸星きらりの物語でした。そう、自分の一番の推し、一番好きな、本当に好きな、山小屋からいつも活躍を祈っていた、きらりでした。

不安と恐怖のみがありました。きらりを、推しなのに今まで出さなかったのは、そもそもきらりは扱うのが難しい特殊なキャラクターだったのと、きらりでスベッてきらりを悲しい気持ちにさせたくないという心情的な面があったからでした。特に後者が強くて、僕はカラオケとかでもきらりの曲も歌ったことないんですが、それも、自分が歌っても「変」になってしまうだけで、ただ自分も悲しいし、きらりも悲しいのではないか、という気持ちがあるからで、とにかく、直接きらりに触れる機会というのは少なくしてきました。でも、今回、そのきらりを出すことを決意しました。

デレマスの持つ「シンデレラ」という要素。女の子がアイドルになり「シンデレラ」として魔法のように輝くというその「お話」に、きらりは本当に合っていると常々思っていて、いや、こういうきらりに関しての話を書き出したら長くなるのでまた別の機会にして、とにかく、きらりというシンデレラは物語性が高く、前回の茜ちゃんで描いたような成長譚を、あるいは越えられるのではないかという想いがありました。

問題は幾つもありました。まず、単純にきらりに「なれるか」という点。口調はともかく、声とか、挙動とか、簡単に扱えるものではない感じはあって、それは簡単に触れれば「ふざけている」ように見えてしまい、愛情を疑われてしまうのではないかという点。当日の体調面の不安もありました。前日の自分の主催の会で喋りとおしていた為、声が死んでおり、とてもきらりをやれるような状態ではなかった点。

しかし、それを差し引いても、今やらない理由はありませんでした。

僕はボードにきらりのサインを書き、きらりとして生きる決意を決めました。

最初のお題はこうでした。
「あのアイドルがバイトしてるコンビニはこんなだ」

きらりをやる上で考えたのは、きらりが初めて大喜利やるとしたら、どんな感じになるかということ。僕がイメージしたのは、危なっかしくボードを扱い、たどたどしく答えるきらりでした。

僕の中に浮かんだのは乳桃みゆさんの大喜利でした。乳桃みゆさんは初心者ではないですけど、ボードの出し方や答え方が独特(出したあとも喋ったり、あるいは書き足したりする)で、ホントに自分の感覚なんですけど「これだ!」って思って、乳桃みゆをソートしようとしました。

「えっとね? きらりがマシュマロすごい好きだから、700個発注したんだけど、すごい1回怒られたんだけど、そのあと、売れて、嬉しかったにぃ」

ボードには「マシュマロ700個」とだけ書いて、先に出して、そのあと喋って説明しながら「売れた」って書き足したりしました。最初は反応無かったものの、途中から笑いが起こったのでホッとしました。

「強盗さんが1回来たんだにぃ? で、カラーボールを投げようと思ったんだけど、ちょっと腕力がなくて、「きらりんビーム!」って一か八かやってみたんだにぃ。し、死んだにぃ」

これは「死んだ」とだけ書いて、あとは全部口で言いました。なんか文字の周りに★とか足した気もします。おそらくお気づきだと思いますが、この時点できらりからは離れていて(きらりは「死んだ」とか言わない)ウケはしたものの、これじゃない感はありました。

「えっと、すごくこれ、はぴはぴなことだと思うんだけど、強い牛が来たにぃ……7頭来たにぃ」

「強い牛が来た」と書いて喋ったあと「7頭来た」って足しました。これも、やろうとは思っていたことで、出し方もそうだし、多分きらりの大喜利だけでは大喜利的にもたないと思って、たまに「大喜利的な強い単語」みたいなものを放り込んで、飽きさせないようにしつつ、このあと普通に大喜利をやる布石みたいなものにしたかったんですね。効果があったのかはちょっと分からないですけど。

結果は2票で二位通過。隣の蛍原枠の蛇口くんの大西由里子、かさのばさんのアナスタシアがバンバンにウケているは感じていたのですが、スタイル的に数を出せないので焦るしかありませんでした。きらりのキャラクターは認知させられたので、まずは良しとしました。

2試合目のお題はこうでした。                   「Pがそろそろ結婚しようと婚活を始めたそうです、邪魔してください」

きらりの乙女な部分を活かせると思ったので、悪いお題ではないと思いました。

「ちゃんがね。婚活パーティに行くって言うから、パーティはね、あの、でっかいお星様が落ちてこう、中止になったって言うにぃ」

これも「パーティー」とだけ書いて、そこに星を足しながら中止の下りを言いました。なかなか度胸のいる作業で、1回戦のお題のときも全然うまく喋れなくて、めちゃくちゃ自分が嫌になったんですが、基本勢いでいきました。声が死んでるのと、リアルに拙いのとで、ウケてはいました。

「よくわからないんだけど、Pちゃんね、真っ白くて部屋の真ん中に天秤が一個ある部屋に閉じ込めて、そのままにするにぃ」

天秤の絵だけ描きました。これは、でも自分でも絶対やり過ぎたと思って、別にきらりにサイコ的な要素は無いし、ただ「急に世界観を変える」と、これもさっきの強い牛みたいな位置付けだったんですが、今思うと、きらりへの信用が足りない所業だったなって気がします。

「きらりね、Pちゃんが最初にスカウトしてくれた時、きらりね、でっかいし、アイドルなんてなれないって思ってのを、Pちゃんがスカウトしてくれて、がんばろうって、きらりのままで頑張ろうって思って、今までやってきて、Pちゃんが、結婚したいって……好きとか、よく分からないけれど、なんか、でも、それでも、Pちゃんが幸せならそれでもう、きらりは、それでもう、はぴはぴって…………そのあと、ちょっと、泣いちゃうにぃ」

最後に感情的なことを言うのは決めていて、あとはタイミングだなと思っていたんですが、この直前に薫ちゃんをやっていたFANさんが純粋故に泣きだすという答えをしてめっちゃウケて(ウケて、というか感動が起こって)「あ~、やられた」と思いつつも、やるしかなく、やったんですが、まあ微妙な結果でした。僕はきらりをただ泣かせただけのクズと相成りました。

結果はFANさんに惨敗、負けトナへと移動(前回から導入されたシステム、敗者のみのトーナメントをやり、そこからも決勝まで行けるルール)

負けトナのお題は                         「アイドル川柳コンクール
テーマは『雨の日の過ごし方』」

ここでハプニングが起きました。隣のパラドクスがを選択した為「あんきら」が発生したのでした(パラドクスは「あんきら?」と言っていましたが)ただ、そこまであんきらを拾える余裕はなく、ただ思いついた一答目

「あんずちゃん 今日だけは一緒に 休むにぃ」

意識はしていなかったものの、これが杏ちゃんがいるもの相まってかなりウケました。そもそも、キャラクター的なことは認知させたので、ここからは大喜利を入れていかないと勝てないと思い、割と普通に考えました。

「ふわふわと ただようマシュマロ 撃ち落とす」

これは、よく分からないですね。どこに向かいたいのか自分で分からないな…。メルヘン要素が自分の中に無かったんだよな。

「しとしとと あるいはきらきら 光る雨」

こっちは、何か普通に川柳っぽいものをあえて出すみたいなボケだったんですが「ババアじゃねえか」と言われて終わりました。

ここ、普通に結構ヤバかったんですが(パラドクスが割とウケていた)合間合間にあんきらのノリでパラドクスに「飴あげゆ」「働くにぃ」と絡んでウケたので、それが良かったのかもしれません。結果はあんきらで票を分け合った結果、通過。不安定なきらりのまま決勝へと僕は進みました。

決勝。やることとしては、大喜利が上になるよう、きらりをやること。声を気にせず、とにかく思いきりきらりに近づくこと。第一声。

「今日いーっちばん、はぴはぴな大喜利を見せるにぃ☆」

おそらく、その日一番ちゃんと言えた「はぴはぴ」だった気がします。隣にはユッコが2人(まるお・FAN)並んだり、第4回大喜利勢で埋まった決勝に対しての逆襲、みくも(鷹富士茄子)キャベツ(佐藤心)というニコ生などで練習を積んできたデレマス勢。今回の会をやるきっかけを与えた、デレマスと森久保に尽くす男レッドブル、そして日菜子ボイスおめでとう、決勝でその日菜子を選んだ直泰。

お題「テレビCMが決まったそうですね!どんなCMですか?」

「コーラを、いっぱい飲んで、はぴはぴな、ゲップするにぃ!」

あとから思うと「はぴはぴ」って言い過ぎてましたね、そういうところでないところで表現するのがベストなのに。これは割りにウケました。

「働かない杏ちゃんに、いっっっぱい槍が降り注ぐ、労働のCMを」

絵回答でしたけど、これはマジの後悔ですが、絵で描くならきらりの今までの見せ方、あとから色々足す、いわば乳桃スタイルでやればもっとウケた気がするなと思いましたね。大喜利に走り過ぎてしまった。

「これ一杯でギュンギュン! はぴはぴマムシドリンク!」

きらりの要素を使ったただの大喜利ですね。きらりがぎゅんぎゅんは言わない。これは一番死ぬべきかもしれない。

この段階で周りは全員、本当に全員ウケていて、あとからログも見ましたけど、マジで全部面白くてヤバかったです。ラスト一答、その勝負でした。ラストに言うことは、これは自然と自分の中、いや、きらりから出てきました。

「すっごく普通の女の子が、すっごく普通におしゃれして、すっごく普通になるCM。Pちゃん、ありがとにぃ」

これは、これだけは自信を持てる答えでした。いや、本来なら、このためにもっと積み重ねるべきだったし、積み重ねればもっと上に行けた気がします。きらりの、きらりの一番好きな、透明な、心の底。そここそを僕は好きだし、そこを見せたかったので、唯一最後にそこを言えて、良かったです。きらりが「シンデレラ」たりえる理由はここにあるので。回答を言いながら、これは本当に(きらり…)と気持ちが溢れてきて、泣きそうになってしまいました。きらりが幸せになったらって思ったら、もう。そして、

結果

「優勝は、森久保乃々!!!」


最後に輝いたのは、この日のシンデレラは、森久保をやりきったレッドブルさんでした。森久保に、僕は二度目の敗北を期したのでした。

この日は他にもたくさんシンデレラがいて、例えば僕の横で完璧な薫ちゃんを成し遂げたFANさん(他にも水本ゆかりも素晴らしかった)練習の成果を見せ、完璧な奏を見せて決勝までいったキャベツさん、村松さくらを扱って完璧に大喜利をこなした江戸川さん。前回よりキレを増した結城晴で観衆を魅了した羊狩りさん、圧倒的な大喜利力で決勝まであと一歩までいったネイノーさん、想像以上に会を荒らし続けた大久保、パラドクス、俺ランさん。一瞬のナターリアの花火を打ち上げたぺるともくんに、初参戦でデレマスを掴んで駆け上がった蛇口くん。志希にゃんとして失踪して勝った権藤さん(マジですごい)アイドルよりアイドルだったまるお。

たくさんの輝きの前に、僕のきらりは不完全なまま終わりました。
もう少し、もう一本、話を作れたら、あるいは登れた階段だったかもしれません。きらりとしての筋、大喜利としての筋。二つを進めるのは難しかった。でも、それも全て僕の大喜利と愛が、足りなかったせいです。僕の好きな、僕の愛するきらりを見せられなかったことだけが、心残りです。

優勝したレッドブルさんは、1回幸子を挟んだものの、最後も森久保をやりきっててカッコ良かったですね。最初の自己紹介で「諸説ありますが、僕が森久保です」と言い切っていて、その段階からレッドブルさんのシンデレラとしての話は始まっていたのかもしれません。デレマス大喜利という場では、こういう1個1個の言葉や動きが、全て大喜利に取り込まれていくところがあって、それはいわば「プロデュース」自分を介して好きなアイドルの魅力を伝える、大喜利によってアイドルを好きになって貰う。デレマス大喜利は、そんな場でもあると思います。だから、こんなに熱くなれる。また、絶対ここに来たくなる。あそこは、そんな場所です。一度その扉を開いて覗いてみるのも、面白いと思います。

果たして、僕の諸星きらりの大喜利物語は、これで終わったのか。
僕は終わっていないと思っています。きらりが一番輝く日まで、それは終わらないと思っています。それがいつになるのか、それは――


―遠回りと言われてもいい 景色楽しみながら
この階段上って 『私らしさ』 認めていきたい(私色ギフト/凸レーション)


振り返ってみると、本当に僕のデレマスはデレマス大喜利と共に在り、共に成長し、共に生きてきたのだと思います。たくさん悔しい思いもしたけど、たくさん嬉しい思いもしました。たくさんの出会いがあったし、これからもあるんだろうと思います。そのたび、僕の山小屋にキレイな写真が増えていくことでしょう。また、新しい歌が生まれることもあるでしょう。

また、あのてっぺんに立つ物語が生まれるとして、そこに自分がいれますよう。魔法は、信じるからそこに起こる。だから、僕は信じます。


はぴはぴな、魔法を。

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