連作短編小説「次元潜水士」第4話「カラビヤウな折り鶴」
西君の潜水
座標の計算という重要かつ面倒な作業を放り出し、折り紙で遊んでいるとインターホンが鳴った。そういえば、あの2人がそろそろ来る頃合いだ。
僕は次元潜水という技術で異次元の調査研究をしている。孤独な研究活動に限界を感じていた時に、助手になってくれたのが境井さんと加納ちゃんだ。しっかり者の境井さんだったらやばい。絶対に怒られる。折り紙を素早く片付けドアを開けた。加納ちゃんだった。胸を撫でおろす。
「いらっしゃーい。今日はね、また新しい次元潜水のルートをね……あれ?加