6月

摂食障害の話

二十歳の頃、彼氏が浮気していた。
もうどっちが本当の彼女なのかわからないくらい
堂々と。
相手の女の子をAちゃんとして
「Aちゃんは細い。ガリガリ。心配になるくらい」
と彼氏に言われ
(細いとこの人に心配してもらえるのか)とダイエットを決意。
と同時にAちゃんのSNSを覗くようになる。
見てるとどうやら、この子は食べた物を吐いている事が分かった。
これが、過食嘔吐との出会いだった。

吐く事は快感だったし食べた物がチャラになってむしろ痩せるなんて
魔法を覚えたような気分になった。
この頃は週に一回食べて吐く程度でBMI18前後まで痩せた。

結局、彼氏とは別れたが
Aちゃんと縁があり仲良くなった。
会ってみてびっくりしたのが
顔の雰囲気や髪型、身長、おおよその体重までほぼ同じだった。
しかも
「彼氏とは別れたけど、当時◯◯(私)ちゃんがガリガリって聞いて悔しくてダイエットしてたの!」
と言ってて更にびっくり。
ただただ、お互いが男に唆されてただけだった。

しばらくして社会人になり、私はダイエットなんか忘れていたけど
その間にもAちゃんは痩せ続けて、BMIは推定15くらい。

容姿がそっくりのAちゃんが本当のガリガリになってしまった。
でも 細いと美しい、前よりも可愛い。
私は 別れた男なんてどうでも良いのに、痩せたAちゃんが魅力的だった為にダイエットを再開した。

ここからは、毎日食べては吐き
下剤を何錠も飲んでお腹は常に空の状態。
しかしそれだと、さすがに仕事がキツイので
1日500kcal未満なら吸収して良い事にしてた。
運動に関しても
6時間かけてウォーキングしたり
サンドイッチを一口食べてしまった事が怖くて、夜中に縄跳びを飛びまくったりしていた。

BMI15を切る頃、平熱は35°前半で
体力的にも人間らしい生活を送れるギリギリのラインだった。

そんな私を止めてくれたのが意外にもコロナ禍の在宅ワーク。
出社しながらのダイエットとしてルーティンを組んでいたので、家に篭るとなるとそれは簡単に崩れた。

それから3年は、過食嘔吐も下剤乱用もしていない。


今は 普通のダイエットをしていて
吐く事はないけど
1日の摂取カロリーを800kcalに抑えないと怖く感じる。

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