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【まとめ】外傷救急に強くなる② 〜 Quick Survey 〜

ねこのてっす!

今日は午後から超音波の勉強会があるので、それまでにひと記事!
外傷救急の記事を最近扱っています。何回か以前の記事で言っていますが、病院における業務は、

「主訴/症状からの医学的評価」→「(介入が必要かの)分類」→「介入(医療行為)」

の繰り返しです。

この事は、当たり前なようですが実は非常に重要で、言われてハイハイと思っても、実際の業務でなかなか意識がいきにくいものです。
「今どの段階か、その段階で何が必要か、今勉強している事はどこで必要なのか」を丁寧に整理して行動すると、質の良い業務や情報提供につながっていくのではないでしょうか。

今回の記事も極力この「評価」「分類」「介入」に分けて書きますので、意識してください!そして、評価にはABCDEアプローチが出てきます!!怪しい人は前回も見てもらえたら嬉しいです。

じゃ、搬入直後の評価(Quick survey)から少し詳しくみていきましょう!

猿も聴診器とエコー

これはよく言われているゴロなんで、一番最初に紹介します。

外傷患者搬入時の準備として、最低限持ってないと評価や介入ができないよ!!ってものですね。

さ:酸素
る:ルート

(も)

聴診器:聴診器。そのまま。
(と)
エコー:超音波検査機器

って感じで、本当に最低限ですがぜひ覚えましょう。

ちなみに、ルートっていうのは簡単にいうと「体に薬を入れたり採血をしたりするための通路を作る事です。注射して血管に外からアクセスする道を作ります。

こんな感じ。静脈路。

Quick Survey

 さてここから本題!患者さんが、救急車から救急センターに搬入されるフェーズの話です。
医師を中心する救急に携わるスタッフは医学的評価をするために「情報」を取ろうとします。そのためにこの時に必要なのが「手を握った声かけ」

「大丈夫ですか!」「病院に着きましたよ!」みたいな言葉を手を握りながら患者にかけます。そして、その時、胸の動きに注意にながら全身をざらっと見ます。

・・・そこから、何がわかるか?

 患者さんから、「うー」とか「あー」とか「痛いです」とかの応答があったとします。その時点で「発声できるから気道は開いてそうかな?返答が可能なくらいだから、中枢神経系の障害は(現段階では)そこまでないかな?」みたいな評価ができます。

握った手が冷たく顔色が悪かったら、「末梢の血流が少ない?ショック状態か?」となるし、呼吸による胸の動きがなかったら「呼吸がうまくできない何かがあるかも?胸郭も骨折してるか?」とも考えられますよね。

ー 手を握りながら、声をかけ、全身をざらっと見る ー

これは言い換えれば、話しかけながら、視診(全身を見る)と触診(手を握る)を行っているのです。

言い方を換えてまとめると、

Quick  Surveyの目的は「パッと見でざらっと注目すべきものの評価を行う」ことにあることを念頭において、

①「話しかけ」からの返答で
A(Airway)、D(Disfunction of CNS:中枢神経障害)

②「視診」で
特にB(Breathing)

③「触診」で
C(Circulation:循環)とE(Environment:体温)

の情報が得られることになります。以上がQuick Surveyでの「評価」のポイントです!

 そして、この評価をもとに、「分類」を行います。
分類は簡単!医学的な介入を必要とするかしないかです。前者を「health」、後者を「sick」な状態と言われることが多いので、この記事もそれに習います。

くどいかもですが、
評価をもとに行った患者状態の分類が「Sick」なら、医学的な「介入」を行います。


最後は介入を見てみましょう。

このフェーズで行うものは本格的な救命処置を行う前にする準備みたいなものです。

主に

①頚椎保護・固定(後で詳しくやります)
②酸素の投与
③ルートの確保、採血や加温輸液
④心電図などの生体モニターの装着
⑤(胃管や尿道カテなど)



こんな具合でしょうか。

次回はprimary surveyを詳しくやりますが、
ABCDEアプローチと「評価」「分類」「介入」の流れはこれ以降もとても重要なので、意識して読んでいただけるとより理解しやすいと思います!

今回はここまでです!ありがとうございました〜!




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