間接正犯 故意ある道具

間接正犯の被利用者が、途中で利用者の意図に気づいたにもかかわらず、自己の意思で犯罪を実行した場合どうなるか
正犯とは自らの意思で犯罪を実現し、第一次的な責任を負う者であるから、間接正犯が成立するには
a 行為者が被利用者に対して行為支配性を有していること
b 他人の犯罪を自己の犯罪として実行する意思があることが必要なのだ。
そうだとすると、被利用者に故意がある場合には間接正犯の既遂は成立しないのだ。
その場合にも、実行の着手が利用開始時であるとするならば未遂犯となりえますが、
実行の着手は、法益侵害の現実的具体的危険性が発生することであるので、利用の開始時点では
いまだその危険発生は認められませんので未遂犯も成立しないと考えます。

もっとも主観としては間接正犯であるも客観的には教唆をおこなっている点は
認識と事実との間に重なり合いがある場合には、規範に直面し、その限度で反対動機を形成することができたにもかかわらず
あえて行為に及んでいるため、故意を認めることができます。
よって教唆犯は成立します。

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