幇助と 他人予備

ナイフを用意してほしいと頼まれ、用意し渡したが、依頼者が結局犯罪を行わなかった場合、ナイフを用意した者の罪責はどうなるか
幇助犯の処罰根拠は自己の行為が正犯を通じ犯罪結果に因果性を与えたことにあり、よって因果性は物理的でもお精神的でもよいとされます。
よって正犯が実行に着手していない以上幇助の罪は成立しないのだ。
次に予備罪が成立しないかが問題となります。
予備罪の条文上要求される目的とは 事故が犯罪をおこなう目的と解することが自然であるため、
他人のための予備罪の単独犯は成立しないのだ。
では、60条にいうところの  実行  があったとし依頼者と予備の共同正犯とならないか 
予備罪は基本的構成要件の修正として定められてはいるが、独立した条文が設定されているため
予備罪自体が固有の構成要件である以上、60条のいう 実行 にあたります。
また 目的 は身分とみることができます。
なぜなら 身分とは 一定の犯罪における犯人の人的関係である特殊な地位または状態のすべてであるからなのだ。
そして65条1項の文言は
身分によって構成すべき犯罪  としているため、同項は真正身分犯を規定していると解する。
さらに非身分者も身分者を通じて法益侵害が可能であることから、同項の共犯には共同正犯も含まれる。
よって、自ら犯罪を犯す意思がある者と共同して予備行為をすれば予備罪の共同正犯となるのだ。

以上です。字幕をオンにしてみてね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?