休職日記 #29

今日は旦那とランチ行った後、横須賀美術館へ行ってきた。エドワード・ゴーリーの展覧会がやっているので観に行きたくてね。名前に「横須賀」と付いてるし駅近やろとなめてたら、バスに揺られて4~50分ほどかかりました。ここは…ここも横須賀…?

きたのだぜ
曇☆天

エドワード・ゴーリーは絵本作家なんすけど、従来の道徳的な…子供達に教えを説くような作品を全く描いていない。むしろ逆張り精神が凄くて、例えば悪い子供にも良い子供にも理不尽に死が訪れる様を描いた、倫理観ガン無視の絵本(ギャシュリークラムのちびっ子たち)なんかを世に出している…そうです、変なおじさんです。ただ、その緻密なペン画とレタリングの面白さ、語感の楽しさ、何よりチャーミングなゴーリーのセンスが凄く魅力的で思わず読んでしまうんすよね。

原画を観てかなり興奮したのだけど、もちろん色々と発見があった。
まず、彼のペン画に心地よさを感じたこと。何千、何万もの線を重ねているけれど、そこには秩序がある気がする。線が向かって欲しい(と脳が切望している?)地点に終点がある感覚というか、これだけ線が密集しているのに不快感が無い。あと描く対象の質感によってタッチを変えているのだけど(それは基本的なことですが)、その手数がかなり多いように感じた。レンガ造りの壁はただ陰影を表現するのではなくて、劣化したレンガ特有の染みやそのグラデーションまで「線」だけで表現していた。いやあ、凄すぎて思わず見入ってしまったよね。

A is for AMY who fell down the stairs.

もう一つは奥行きがあまりないこと。近年の漫画しかりイラストしかり遠近感を常に意識すると思うんすけど、彼の絵は結構フラットなんすよね。あるにはあるんすけど、リアルな距離感ではない。それを無視しているから空想的な絵として成立するというか、「絵本」というジャンルに上手いこと収まっている気がした。

Jumblies

展示の最後には、ゴーリーの訃報が書かれた新聞が飾られていた。その見出しは確かこうだった。

「E is for EDWARD who died in Cape.」

めっっっちゃお洒落やなと思った。これは明らかに「ギャシュリークラムのちびっ子たち」のパロディなんすけど、残酷な状況をコミカルに仕上げてしまう、言わばゴーリー・ミームが効きまくってる一文なんすよね。彼が色んな人に愛された証拠だと思うし、これを最後に展示しようと打診した方のセンスの良さを感じました。超素敵。

帰ってきてからは美術館で買った戦利品を嗜みつつ、暇になったらゼンゼロを遊んでデイリー回してました。

長旅?で疲れたのでもう寝ます。アーメン。


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