休職日記 #44

真夜中に布団の上でスマホの画面をなぞっていたら、ふとSnarky Puppyのポストが目に入った。「Yesterday, we lost a music legend and, more importantly, a beautiful, luminous human being.」とあり、ゆっくりと目線をずらすと「Shaun Martin」の名前が書いてあった。享年45歳。あまりにも早い死を信じられなくて、スマホを持つ手がガクガクと震えた。ポストの画像には陽気で明るい見慣れた笑顔の彼が映っていて、思わず呆然としてしまった。今も世界のどこかで音楽活動を続けていて、近いうちにまたアルバム出すんだろうなと勝手に思っていた。悲しい。とっても悲しい。今も書きながら涙が出てきた。こんな悲しいことがあってたまるかよ。

数年前の日本公演では見た目の印象そのまま、明るくて陽気でお茶目なパフォーマンスを魅せてくれた。特にトークボックスは、今まで聴いたあらゆる楽曲の中で彼の演奏が一番だと思っている。スナーキーの「Bet」という曲には彼のソロパートがあって、ライブでは一気にボルテージが上がっていた。お客さん皆が大好きな瞬間だったと思う。

ソロプロジェクトでは「Yellow Jacket」という曲が特に大好きで、久しぶりにフォトアルバムを開いた時に感じるノスタルジックな雰囲気や、小窓から吹いてきた爽やかな夏の風を彷彿させるお洒落なイントロがとても好みだった。プレイリストをシャッフル再生した時に流れると、心地よくて自然と目を瞑って聴いてしまうような素敵な曲だった。

正直、自分の中で彼がここまで大きな存在になっているとは思っていなかった。けれど振り返ると所々で彼の音楽はひょっこりと顔を見せていて、ずっとそれが続くものだと錯覚していた。

死は確かなもの、時は不確かなもの。

あなたが大好きだった。
今はとても寂しい。


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