レディオマジック
わたしはたぶん15才か16才くらい。
登校前に、チェロ弾きの家へ行った。
チェロ弾きはとても背が高く大柄(おおがら)で、余計なことは言わない物静かな人物である。
わたしはたぶんそのチェロ弾きにほのかな恋心を抱いていたのだと思う。
彼の部屋はほとんど物が置いてなく閑散としてはいるのだか、落ち着いた雰囲気で音楽家っぽさを感じさせる部屋であった。
だがわたしは、こんなにガラんとしていては、かえって音が反響してチェロの練習にさしつかえるのでは?とも思った。
部屋には数人の若い男女がいて、楽しげに話しをしていた。その中にチェロ弾きの恋人がいた。
チェロ弾きの恋人は、デビューしたての頃の中森明菜にそっくりだった。(とても可愛い人だ)
『あぁ、この人がチェロ弾きの恋人なのか。』と
ほんの少しのジェラシーを感じたけれど、そんな事よりもチェロ弾きへの憧れの方が大きかった。
彼の部屋の丸い壁掛け時計に目をやると、もうとっくに登校時間は過ぎ、それどころか2時間目が終わる頃だった。
わたしは、『きょうはもう学校へは行かない。』と決めた。
制服のまま1日過ごし下校時刻になったら家に帰ろう。と。
チェロ弾きの家に集まり勤めにも出ず、楽しげに過ごす若い大人たち、彼らは皆それぞれ何かの楽器を奏でる音楽家なのである。だからいわゆる勤め人ではなく彼らの仕事は音楽を奏でることなのだ。
わたしは彼らをみてちょっと羨ましくなって早く大人になりたいと思った。
わたしはふと部屋の外へ出る。
ドアを開けて振り返り部屋の中にいる人達に向かって、おもむろに歌を唄った。
『なぁんとなぁ〜くぅ こぉんなよ〜るはぁー!
キ・ミ・を ひきとぉ〜め〜たぁ〜い♪』
アースシェイカーのRADIO MAGICだ。
不思議な事になぜかわたしの声はアースシェイカーのヴォーカルと同じ声をしていてその唄声は部屋中に響き渡ったのである。部屋にいた音楽家達もその唄をとても喜んだ。
外へ出るとチェロ弾きも一緒に歩いていた。
少し離れてチェロ弾きの恋人もいた。
わたしは『ねぇ彼女に、もう少し恋人らしく優しくしてあげたら。なんて言うか、手を繋いで歩くとか、わたしは気にしないから。』と少し”背伸び”してチェロ弾きに伝えた。
チェロ弾きはポカンとした表情で『恋人?キミにはそう見えるかい?』とわたしに言った。
あと2、3年したらわたしも、チェロ弾きのもっと近くで彼の弾くチェロを聴く事ができるかしら。・・・・・・・・
と言う夢をみました。
目覚めた朝は秋晴れの眩し過ぎる朝でした。
わたしは鼻歌まじりに朝食の用意をしました。
🎶なんとなぁ〜くこ~ん~なよーるは〜🎸
朝から歌が出てくるなんて、そうとう気分が良いのだな。と他人ごとのように思った今朝の出来事です。
※今回のお話しは今朝9月12日火曜、本当にあった事を書きました。わたしの脳はどうしてわたしにこんなステキな夢をみてせくれたのでしょうか?最高に幸せな朝でした。
『RADIO MAGIC』をご存知ない方はぜひ聴いてみてください。1984年のリリースだそうです。
( *´艸`)✨✨✨✨🎸
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