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第四首-その川の赤や青その川の既視感そのことを考えていて死にそこなった

四首目。死。ということで、死について書かれた短歌の紹介です。
GWも終わっちゃいましたね。。

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一読するとわかるように、通常「5・7・5・7・7」、三十一文字で綴られる短歌の世界のリズムが、ここではかなり意図的に崩されている。
すっと流れるようにはいかない、絶えずタイミングをずらされるようなリズム。

また、この歌を強引に「5・7・5・7・7」の形に区切ると下記のようになる。

その川の/赤や青その/川の既視/感そのことを/考えていて/死にそこなった

つまり、この歌は「5・7・5・7・7」+「7」であるとも読めるのだ。

本来あり得ない最後の「7」はまさに死にそこなったからこそそこに加えられたもので、不自然なそのリズムが、最後の「死にそこなった」ということばを引き連れて来たのだと感じさせられる。

死ぬためにもリズムは要る。逆に言えばリズムが合ってしまったら、誰でもひょいと死んでしまうものなのかもしれない。

そう考えるとわたしもまたいつか死にそこなった者のひとりであり、生と死の線引きは水際の境界線のようにあいまいだ。

リズム。

死神は、もしかしたら音楽が好きなのかもしれない。
そう考えて、わたしは一冊の本を思い出す。

伊坂幸太郎の『死神の精度』だ。そう、確かあの小説の中に登場した死神は音楽が好きではなかったか。

そんなことをつらつらと考えていたらすでに時刻は1時をまわっていて、今日もわたしは死にそこなった。

その川の赤や青その川の既視感そのことを考えていて死にそこなった(早坂類)

Syrup16g 「明日を落としても」 

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