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第一首-海に来れば海の向こうに恋人がいるようにみな海を見ている

記念すべき第一首目、迷いましたがこれにしました。情景が見事に浮かぶ、大好きな歌です。
あわせるのは、くるりのあの曲。

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寄せては返す波のような「海」という単語の反復は、まるでこの歌自体が海そのものであるかのような想いをわたしに抱かせる。恋人も同じだろうか。朝晩、あるいは週に一回、定期的に顔を合わせるその人の中に、わたしたちは海を見ていたのだろうか。

「わたしたち、随分遠くまで来ちゃったんだね」
「そうみたいだね」
「このままどこまでも行けるかな」
「どうかな」
「どうだろ」
「行けるといいね」
「行けるといいな」

波間にいつか交わしたことばがそっと浮かんで、やがて泡となり消えていった。

海に来れば海の向こうに恋人がいるようにみな海を見ている(五島諭)

くるり「ばらの花」

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