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第三首-さようならいつかおしっこした花壇さようなら息つぎをしないクロール

三首目。春。それは出会いの季節でもあり、別れの季節でもあります。大人になってしまうとそれは単に人の出入りの問題に終始しがちですが、わたしたちは幼いころ、もっと小さなはじめましてとさようならを繰り返して生きていたような気がします。

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この懐かしさはいったいなんなんだろう。

わたしは花壇でおしっこをしたことはないし、息つぎをせずにクロールした覚えだってないっていうのに。

それでもこの歌に詰まっているのは確かな懐かしさだ。
それはきっと、これが世界の側を歌っているからなんだと思う。

社会、ではなくて、世界。
もしかしたらわたしたちがさよならを告げた最初のもの。

「おしっこ」と「クロール」という水を意識させる単語たちが、歌の中には存在しない「なみだ」を連れてきて、それがいつかの記憶と重なっていく。

上手に息つぎできるようになったわたしは、ちゃんとあのころよりも遠くに行けているだろうか。

さようならいつかおしっこした花壇さようなら息つぎをしないクロール(山崎聡子)

Galileo Galilei 「青い栞」

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