未来へ

今日は持ち物が少ない。
それゆえか忘れ物をしてはいないかと少し不安であるのと今の気分と混じって変な感触。
今日で憎き、愛する私の日常が幕を閉じる。
やはりいざこうなれば後悔の言葉を心で叫ぶ。
だが、それは同時にそんな生活を愛し、憎んでいたから言える言葉なんじゃないかと思う。
先見の明が辿々しく門扉を閉ざす、私の未来を称賛の声が私に向かわせていく。
最後の日、私は何を残していけるのだろう。
問題なのはあの人の事だ。
正直そのことで安心できるのであればもう何も必要がない。
あとは時間を過ごすだけ。
思い返してみれば私は勉強していてばっかりの現実だった。
あとは家に帰って仕事、その繰り返し。
私は後悔しているんだろうか。
もう時間がない。いつかを迎えるのに慣れたはずなのに終わるのがなんだか怖い。
仕事も今日の分は休んだ、大学からの課題もほとんど終わる。
そんなはずなのにいつまでもあの人の事が気になる。
信じるべきなのは分かっている、ただあの人の心とどこか遠くに行ってしまわないかと思って寂しいんだ。
まだ涙は流さないと決めている、これほどまでに自分に負けてきた自分も最後は泣き笑いで締めくくりたい。
明るく笑っていたあの頃みたいに。
僕の心はどうなってしまうんだろうか。
気がつけば道のりは半分も過ぎていた。
昨日、喜べなかった数検の合格を今は祝いと解釈する。
三分の四を過ぎた。
もう見ることはない景色を見る。
沢山の優しい思い出が蘇る。

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