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90年代ゲーセンの思い出色々スト2編③
………
ここが、スガイか………
入り口前に立った私は、人生初のゲームセンターという空間に、とてつも無く興奮していた。
うちは親がゲームに批判的だった為に、ファミコンを買ってもらったのも遅く、
周りのお友達からもだいぶ遅れてゲームに触れた為、長年のゲームに対する思い入れが、尋常では無く…
その思いや、期待が地層のように何重にも積み重なっていたのである…
ましてや、あの憧れ(初プレイの立ち回りを脳内でシュミレートするほどに楽しみにしていた)の
スト2
あの
スト2
動悸と眩暈がするほど興奮していたので、店に入った時のことはほとんど記憶になく、
記憶にあるのは、青く薄暗い店内の中に、
スト2ダッシュが横並びに2台置かれていたこと。
興奮し過ぎて、あばあばばばば…
パンチマンに殴られマン登場からのでっでーーででっでっででっでーー♪
からの
バギャス!!(殴)
からの、
ストリートファイター2ダッシュのロゴ!!
…………
あ、あ、ああああああああああああああああああああああああああああばばばばばあああああああわわわわわわわわわわわわわわわ、、、、、、、、わわわわわわわわわわわ。(震)
興奮し過ぎて、足も手もガクガクブルブル…
動悸がすごい……
と、なるのを何とか抑え、
平静を装いパッパに見守られながら、震える指で
なんとかコインを投入…
チャリーン…
は、はじまった!!!!!
これが、スト2!!!!!
春麗がいる!!!!
ウゥッ…(泣)
少し退屈そうな、傲慢さを感じさせつつも、何処となく上品でいて、屈強な男たちに囲まれつつも、
「私を満足させてくれる強い男はいないのかしら…」
と言わんばかりの、憂いを帯びたその表情…
魅惑の太腿の持ち主、あの
春麗
やっと、自分の手で動かす日が来たんだ!!!
春麗を!!自分の意思で、思うがままに…!!!!
…………
……
…
残念なことに…
私は興奮のあまり、記憶はそこで途絶えており、記憶として覚えているのは、ケンに負けた事だけ。
感覚として覚えているのは、
ゲームセンターの青く薄暗い空間の中で、
光り輝くスト2の画面。
そこで初めて見た、本当の春麗の姿。
初めて春麗を動かした時の感動、ドット絵の美しさ、デザインの素晴らしさ、技も独特で今まで持っていたゲームの概念を突き抜けた衝撃。
興奮と、激しい動悸と気分の高揚の感覚。
………
………
しみじみと……
私は、思えばあの日、
あの時、あのゲームをプレイしてしまったが為に、
人生の大半をゲームに、主に格闘ゲームに費やすこととなり…
格闘ゲームにハマってしまった故、
ゲームを通じて人と出会い、コミュニケーションを取ることを覚えて、人を好きになったり、
人に嫌われたり…
自分の人格形成や、友好関係を築く基となった
ゲームセンターコミュニティーに身を置く切っ掛けとなった日が、この
スト2を初めてスガイでやった日
であったのだと、今書きながら改めてしみじみ実感しました。
この日から、今日に至るまで長いこと…
この先明日も明後日も、それ以降私が生き続ける限り、この初めてスト2をやった日から
私と、ゲームと、ゲーセンと、其処で出会った人たちとの思い出が積み重ねられていく訳ですが…
たかがゲーム、されどゲームで、
私がゲームを今でも好きな理由は、ゲームを通じて出会った人との思い出は、
環境も時間軸も異なる状況であっても、
そのゲームをやることで、ゲームのプレイ中だけは、
「あの時」
に戻る事ができるからかもしれない。
「あの時」楽しかった青春時代に。
あれから何十年も時が流れて、
人生初の衝撃を受けた、思い出の場所スガイも閉店して、札幌市内には、私がかつて通い詰めていた愛すべきゲームセンターたちは、全て無くなってしまいました。
全ては自分の記憶の中だけの場所になってしまったからこそ、場所も時間も違うけど、
敢えて今、「あの時」やっていたゲームに興じる事で、自分は「あの時」に戻っているんだと思う。
多分、30年くらい経ったし
敢えて言うけど
スト2に熱中していたあの時は
本当に良かったなぁ…
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