見出し画像

ギターを弾くあの子がいない

大好きな友達がいた
一緒にいると明るくなれて、私が持っていないものをたくさん持っていて、あこがれで新しいものをたくさん教えてくれて、好奇心旺盛なともだち
ちょっとモラルがないとこもあるけど、いい意味でも悪い意味でも自己中な自分を曲げない子

進学して友達がいない私とたくさん遊んでくれた
いろんな話もしたし、いろんな話もしてくれて、好きなことをたくさんした。

ライブにも旅行にも行ったし、好きな本を交換したりもした。

ギターを弾くあの子が好きだった。
大好きだった。
私の好きな曲を弾くあの子。
自分の好きな曲を弾くあの子。
あの声が大好きで大好きでたまらなかった。
失恋して曲を作って歌にしてしまうかっこよすぎるあの子。
その曲を何回も聴いた。
一緒に歌ってる動画もふとした時に聴きたくなる。

でも、もういないんだ

ギターを弾かなくなってしまった。ライブに来なくなってしまった。一緒に好きだった音楽も聴いていないと思う。

最初は、顔が変わってしまった。
もともと可愛いのに、と思いつつあの子が決めたことなのでなにも思わなかった。
変わったら変わったでかわいかった。綺麗だった。
服装が変わった。私と似たような格好はしなくなり、タイトな可愛い服を着るようになっていた。

それでも、中身は変わらないことは当たり前にわかっているので、一緒に遊んだりしていた。

でも、見た目を変えて中身が変わらないとはいえ、見た目の影響で中身もだんだん変わっていく。

次第について行けなくなった。
好きな話もできなくなった。

私だって変わるし、みんな変わる。
でも好きだったところが消えてしまった気がして、寂しくなった。

カレーを一緒に作って食べた。
美味しいお店を見つけて食べに行った。
写真をたくさん撮った。
本を交換した。
映画を一緒にみた。
全部おぼえてるし、思い出したりするけど。
あの子はたぶん何にも気にしてないと思う。

私はあなたの中で、死んだようです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?