角砂糖からの手紙
この「〜からの手紙」シリーズ、知っていますか?
いろいろな差出人からの、茶封筒に入った、手紙小説です。
どなたが書かれているのかはわからないようになっています。
非公開でしょうか。
以前からおもしろそうだなぁと思っていたのですが、とある変わった本屋さんで見つけました。去年ですが。
3通購入しました。
1通、150円+消費税で買えました。
そのうちの1つ、「角砂糖からの手紙」がすばらしかったので、そちらについて、書きたいと思います。
“喫茶わだかまり”の、三番テーブルの砂糖つぼに、奇跡的に25年間も残り続けていて、歌を歌っている「かくざとうず」3メンバーによるCDデビューが決まったところまでの話。
この3メンバーの他に、ルーシーとカレンというメンバーもいたのですが、CDデビューの話を持ってきた、レコード会社の人と思われる佐藤氏が、3メンバーといた砂糖つぼから、1粒、2粒と、ルーシーとカレンを、うっかり、自分の飲んでいるコーヒーに自分で入れてしまい飲んでしまうのでした。
それについて、小説の中での、“その甘い歌声を熱いブレンドコーヒーに捧げたのでした”という表現が、ロマンチックで悲しくてすごく好きです。
佐藤氏は、「なんと謝ればよいのか・・・」と頭を下げながらも、角砂糖の甘みにより、口元は緩んでいたそうです。
佐藤氏も自分に困ったでしょう。
そんなこともありましたが、来月CDが発売されるとのこと。
不慮の事故に遭ってしまったルーシーとカレンのためにもうまくいきますように。
この小説を読んで、人間、最後には何もなくなってしまうので、ルーシーとカレンのように、何かに捧げて終われたらしあわせなのかもしれないと思いました。
最後の最後まで足掻けたらいいかな。
今はそんな気持ち。
(おわり)
今回も読んでいただきありがとうございます。
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