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2022年北京五輪の外交的ボイコットはどの程度重要なのか?

ダン・ローアン(BBCスポーツエディター)
2021年12月14日

 近年、国際的なスポーツの世界では、人権問題がほぼ恒常的なテーマとなっているが、北京ほど多くの論争を巻き起こしている大規模イベントの開催地はないだろう。

 2022年の冬季オリンピック開催地は、中国によるウイグル族への残虐行為疑惑が広まっているために、アメリカ、オーストラリア、イギリスなどの国々から外交的ボイコットが相次いでいる。

 人権団体や欧米諸国の政府は、中国が新疆ウイグル自治区でジェノサイドを行っていると非難している。中国はこれを否定し、そこにある収容所のネットワークは、ウイグル人や他のイスラム教徒を『再教育』するためのものだと主張している。

 また、香港での政治的自由と民主化運動に対する弾圧や、最近では中国政府高官による性的暴行を告発して姿を消した、テニス選手の彭帥さんの問題でも関係は悪化している。中国当局は彭帥さんの事件をめぐる『悪意ある憶測』を批判してはいるが、彼女に対する懸念は依然として大きいものがある。

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