ユーチューバーを叩く気持ち悪さについて

ユーチューバーの誕生日会の件。

多くの人が彼らを責めるのは、「なぜ、みんなが我慢しているのにあなたたちは我慢しないのですか？」という怒りからだろう。

まさに、「欲しがりません勝つまでは」の精神。ご立派なことだ。しかし、人間とは、皆そんなに立派なのだろうか。

あらゆる軽犯罪を一度も犯したことのない人間、犯罪でなくとも道義的にしていけないことを一度もしたことをない人間。そんなご立派な人間は、どれだけいるのだろうか。自らのことを棚に上げて他者を自信満々に注意できる立派な人間はたくさんいるようだが。

他人の行動を制限しようとする欲求を持ち始めたら危険信号ではないか。むしろ、そんな思考に陥る自分たちを見直してもらいたい。

彼らは口を揃えて「医療従事者が云々」などと言うが、本当に心底、日本の医療を心配しているのなら、自らが、ボランティアでも何でもいいが医療に携わる仕事をすればいい。あなたは、飲み会をした若者を叩くことが、本当に医療従事者のためになると思っているのだろうか。思っているのなら、それは心の病だ。

人は他人の行動を変えることはできない。変えることができるのは自分の行動だけだ。飲み会を開くことに対して、異議を申し立てることは自由だ。しかし、よく考えてみてほしい。それは、本当に貴重なあなたの時間を使ってまでやるべきことなのか？ワクチン接種の現状に対して、政府に物申す方がよほど有意義ではないのか。

私は、彼らを非難するほど、自分が立派な人間だとは思わない。友だちの誕生日会を開くことも悪いとは思わない。

法律を犯してもない人間をいっせいに、勝手な「正義」をふりかざして、叩いている様を見るのは本当に気持ち悪い。芸能人が不倫しようが、有名人が飲み会しようが、だからなんだというのだろうか。あなたには何の関係もないことだ。

「コロナ患者が増えて、病床が圧迫されて、自らに害が及ぶかもしれない。だから、叩くことには正当性があるのだ。」と言うのなら、やはり、この期に及んで31人程度が飲み会もできない惨状をつくった政府こそ非難すべきではないのか。彼らをいくら叩いても病床圧迫は解決されない。それだけは間違いないことだ。

皆が皆、異口同音に自粛警察となる気持ち悪さ。心で思うだけなら、まだしも、SNSでそれは可視化される。そんな醜い罵詈雑言を見せられるほうが、よほど、心身に異常をきたし、読む人を不健康にさせている。もしかしたら、この醜い書き込みを見て、本当に執り行わなければいけない、式や会を中止や延期にしようと考える人もいるかもしれない。そのような損失をどのように考えるのだろうか。

その時、私は「あなたがたの正義を振りかざした投稿に気分を害し精神を病んだ。執り行うべき式を開けなかった。損害賠償したい」と主張して、あなたたちを叩く正当性ができるのだろうか。それもまた、自由のはずだ。しかし、あなたたちは、自らが、他人に不快な気持ちをさせていることに自覚がないだろう。

何度も書くが、それが一番気持ち悪い。

長々と書いたが、周りを見て、安心して叩いても大丈夫な獲物を見つけ、嬉々として石を投げるその精神性の異常さに、無自覚な人間が多い。そんないじめ行為は何も生み出さない。そんなことをしておいて「いじめはいけない」などと言うのなら、あなたたちは行動が矛盾している。言葉も暴力だ。もう一度、自らの行動を見つめ直すべきではないか。

などと、書いたが、私こそ、他人に文句などいえる人間ではない。

いい。いい。好きにしてくれ。芸能人でもユーチューバーでも好きなだけ叩け。叩きたいだけ叩いて日頃の鬱憤を晴らせばいい。

あー気持ち悪い。